本当に本が読みたくなる読書のブログ

読書好きのための本当に読みたい本が見つかる書評ブログです。小説、実用書、ビジネス書ジャンルを問わず紹介。読書にまつわる豆知識のお話、文章の書き方のお話もありますよ。

ひきこもり探偵シリーズ最大の謎に迫る『動物園の鳥』坂木司

動物園の鳥 坂木司


著者 坂木司坂木司〜日常ミステリーで広がる世界観 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ
出版社 株式会社東京創元社
分類 日常ミステリ、本格ミステリ
出版日 2004/10/13


今日は花水由宇(hanami yuu)が大ファンの作家 坂木司さんの「ひきこもり探偵シリーズ」第3作、シリーズ最終作の『動物園の鳥』を紹介させていただきます。

日常の謎、シリーズの謎に迫る名探偵 鳥居真一の推理と坂木司の答えに注目の作品です。


「ひきこもり探偵シリーズ」鳥居探偵事務所


坂木司と鳥居真一の2人だけで始まった日常の謎解きは、多くの人を巻き込み、時に助けられ、結果人を助ける。

表沙汰にならない事件でも、人は悲しみ、迷い、苦しむ。

解決できるのは、身近にいる身近な探偵なのかもしれない。


坂木司

外資系保険会社に勤務する坂木司

1dkのマンションで寝起きする坂木は、いつしか自分の暮らしている「部屋」について疑問を感じる。

「部屋」であって「家」ではないのかも知れない。

職場と親友の「家」を行き来する暮らしを送る坂木の元に舞い降りた事件は…


鳥居真一

自宅にひきこもりながら、不自由することのない暮らしを送る鳥居真一。

ひきこもりといっても、極端に外出をしないフリーランスプログラマー

彼の「家」には、数年前には1人だった親友の坂木司にはじまり、いつしか他愛もなく人が集うようになっていた。


木村栄三郎

坂木司の保険の顧客でもあり、鳥居真一の事件解決でそれまでの人との向き合い方が変わった木工職人の木村栄三郎。

いつしか名探偵 鳥居真一、名助手 坂木司の元に事件を運ぶ役回りとなっていた。


須田香織

デパートの婦人服売り場で働く須田香織もまた、名探偵 鳥居真一の活躍で気持ちの謎が解けた1人。

警察が関わっていない事件で、状況証拠を積み重ねる探偵コンビにとって、商品販売・流通・世の中の流行をいち早く仕入れる須田香織は、凄腕の情報屋のような役回りになっていた。


滝本美月

坂木司と鳥居真一の高校生の頃の友人で現役警察官の滝本の妹 美月。

無邪気に兄に甘える姿は、18歳にしては幼くも見え、年上の坂木たちと接する中で冷静に相手を見る姿は大人びても見える。

時折見せる彼女の鋭い視線の先には……



物語の始まりは人の身勝手さが現れた事件


「ひきこもり探偵シリーズ」第3の事件は、坂木司と鳥居真一のかなり年上の友人 木村栄三郎が持ち込んだ事件。

木村栄三郎の古くからの友人 高田安次朗がボランティアをする動物園で起きた不可解な出来事。

動物園に迷い込む傷ついた野良猫、生々しい暴行の跡や毒物を食べさせられ弄ばれる猫の命。

さまざまな世代が出入りする動物園で起きた事件に迫る。


舞台は名の知れた都内の動物園


季節は、暖かい鍋料理が恋しく、外へ出るのにコートが手放せない冬の季節。

都心の郊外に暮らす、外出嫌いの鳥居真一が電車に乗り出張調査をしなければならない距離。

出張調査といっても、地下鉄で30分と都内であれば「遠いとはいえない」動物園。

それでも、外へ出ることが恐怖症といえるほど苦手な鳥居真一にとっては、行き交う人の声、視界を覆い尽くすほどの建物のどれもが圧迫感を覚える対象。

それなのになぜ、鳥居の気持ちは事件の解決に駆り立てられるのか?


テーマはそれぞれにとっての「自分」


「ひきこもり探偵シリーズ」最終作でもある『動物園の鳥』に込められたキーワードは、タイトルにもある「動物園」。

中学生の頃からお互いを知る坂木司と鳥居真一の「過去」。

そして、「自分」。

今ある自分とは、いったいなぜ今こうしているのだろうか?

それぞれの登場人物たちに問いかけられる、哲学的なテーマ。

謎とともに明らかにされる答えとは?


「ひきこもり探偵シリーズ」はこちら↓
www.yu-hanami.com
www.yu-hanami.com

坂木司さんの作品はこちらもおすすめです↓
www.yu-hanami.com
www.yu-hanami.com
www.yu-hanami.com
www.yu-hanami.com



にほんブログ村 本ブログへ