民主主義と資本主義の違い
お隣の国 中国と香港の自由化を巡る問題で度々登場するのが、民主主義や資本主義、社会主義や共産主義ということばです。
社会科の授業で習ってからしばらく経って、何となく知っていてもどこか曖昧。
1度、本で振り返ってみることにしましたよ。
民主主義とは?
民主主義(英: democracy)の辞書的な意味は、「国民が主権(国家を治める権力)を持ち自分達のために政治を行うこと」とあります。
本にはこう書かれています。
アメリカ独立革命やフランス革命などの「市民革命」を経て成立した国家では、国民の代表によって国の方針が話し合われ、国民の合意によって定められた「法」によって国が運営される「人の国家」になったのです。
『一度読んだら絶対に忘れない 世界史の教科書』第6章 革命の時代 p214
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民主主義は国を運営する権利を「国民」が持っている国家、反対に国を運営する権利を王様のような「君主」が持っている国家は「君主主義」と呼ばれます。
民主主義は、国家のあり方を表す用語ということは改めて振り返る必要もありませんでしたね。
資本主義とは?
一方で資本主義(英:capitalism)は、「商業や産業の資本を個人的所有者が営利目的で持っている経済システム」とあります。
最近の資本主義は、新自由主義(英:Neoliberalism)と呼ばれ、経済に対して国家はほとんど規制をしないという方針になっているようです。
1981年に大統領に就任したレーガンは、国営産業の民営化、規制緩和による経済の自由化といった、新自由主義的な経済政策を採用します。また、累進制の高い税制から、よりフラットな税制へと改めるとともに、福祉支出を削減しました。アメリカで所得格差が拡大し始めたのはこの頃からです。
『さかのぼり現代史』p94
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資本主義は国の経済を「個人」が持っている経済システムで、反対の意味で国の経済を「国家」が持つ経済システムは「社会主義(英: socialism)」と呼ばれています。
民主主義と資本主義の違い
世界のリーダーの発言を聞いていると、民主主義(英: democracy)と資本主義(英:capitalism)が混ざってしまいそうです。
民主主義は国の体制のあり方で、資本主義は国の経済のあり方という点に違いがあります。
ただ、資本主義で経済を動かすためには「個人」が商業の持ち主にならなければならず、民主主義の国以外では完璧な資本主義は成り立たないのでしょう。
民主主義+資本主義の組み合わせ
私たちの暮らす日本は、民主主義の国家で資本主義(新自由主義)の経済で成り立っています。
周りの共産主義の国に好かれてはいない私たちは、民主主義+資本主義の組み合わせが日本に合っていると思えてなりません。
民主主義はもちろん大切ですが、資本主義はどうなのでしょうか?
社会保障の限界
かつて資本主義国は、社会主義国への対抗の意味もあり、社会保障の充実や富の再配分に力を入れていました。しかし低成長時代となり、高福祉政策を維持するのが困難になります。そこで新自由主義的な政策へと舵を切った結果が、格差の拡大を招いたのです。
『さかのぼり現代史』p174
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日本の社会保障は世界の中でも恵まれているといわれています。
貧富の差が大きく影響
そして、緊急事態宣言や営業自粛が求められました。
暮らしを守りながら営業自粛に従えるのは、元々資産を持っていた会社や個人だけ。
テレワークができるのは大企業だけ。
毎月の収入でやりくりしていた小さなお店は、閉店まで追い込まれています。
テレワークができず、人手不足の会社でひとたび新型コロナ感染者が出ると休業を余儀なくされて仕事を失ってしまいます。
社会保障の限界と貧富の差、目の前というより身の回りに迫っていた危機なのかもしれません。