本当に本が読みたくなる読書のブログ

読書好きのための本当に読みたい本が見つかる書評ブログです。小説、実用書、ビジネス書ジャンルを問わず紹介。読書にまつわる豆知識のお話、文章の書き方のお話もありますよ。

ロシアの侵略戦争と世代間ギャップ

世代間ギャップで起こる侵略戦争

f:id:jizi9:20220301185153j:plain
戦争反対画像、英語版

※画像はご自由に拡散下さい


ロシア軍のウクライナ侵攻は、国連総会で非難決議が出されるほどの一方的な侵略戦争というのが世界の共通です。

テレビはもちろん、SmartNewsなどのインターネットニュースでは特設ページでリアルタイムな現地の情報を知ることができます。

実は、世界中のすべての国の方が同じように現地の情報を知っているわけではないようです。

同じ国の中でも、世代によって得られる情報が全く違い、判断も正反対になってしまう「世代間ギャップ」が現実に起こっています。

世代間ギャップは、侵略戦争を行っているロシアでも起こっていて、戦争にもつながる深刻な問題であることがわかったので、まとめてみました。

権力者の間違いで孤立するロシア


2022年2月24日、現地で夜明けとともに国境を越えてウクライナへ侵攻したロシア軍。

報道によると、ロシア側の思惑は軍事侵攻によってウクライナのゼレンスキー政権が崩壊し数日のうちに戦争が終わる予想をしていたと報じられています。

ウクライナの国民はゼレンスキー大統領の呼びかけで立ち上がり、大統領自身も首都のキーウ(キエフ)に残り、ロシア側の予想とは反対に国の危機に国民が一体となって立ち向かっています。

ロシアへの世界中からの非難

ロシア側の「ナチス政権からロシア人を救う」という目的は、全く辻褄が合わないことが世界中に伝わり、ロシアは孤立することになりました。

困るのは、侵略戦争を受けたウクライナ国民はもちろん、ロシア国民もプーチン政権の代わりに世界中から非難と経済制裁を受けることになります。

ロシアという国は、どこかの国のようにある一族が代々武力で国民を支配する独裁国家なのでしょうか?


一応、民主主義国家のロシア

ロシアという国を調べてみると、共和制で大統領選挙もある国でもあります。

プーチン大統領も選挙で選ばれ、得票数もそこそこあり(2018年は76.69%の得票率,投票率67.54%)、国民の支持を受けて当選した大統領でもあります。

それでは、ロシア国民が戦争主義なのでしょうか?

ロシア国内の反戦デモ、海外に留学生の投稿では、侵略戦争に反対する声が多く聞こえてきます。

国の中に「プーチン政権を指示する国民」と「侵略戦争に反対する国民」がいることは、現地にいなくてもうかがい知ることができます。

そこには、「世代間ギャップ」が大きく影響していると思えてなりません。




情報の世代間ギャップ


世代間ギャップとは、年代によって物事の理解、考え方に大きな違いがあることです。
ゆとり世代、団塊の世代の世代とは? - 本当に本が読みたくなる読書のブログ


この「違いがある年代」では、分断線と呼ばれるハッキリとした境目があります。

昭和世代とゆとり世代だけじゃない世代間ギャップと対立 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ


世代間ギャップは、年代による生活スタイルの変化や政治と経済の出来事の違いがありますが、最近ではインターネットやスマートフォンによる「情報の世代間ギャップ」は世代によって全く考え方が違うことのほうが大きいとされています。

ロシア国内で「プーチン政権を指示する国民」と「侵略戦争に反対する国民」の分断線はどこにあるのでしょう?

ロシアにもある世代間ギャップ

ロシアのスマートフォンの所有率は、2019年の時点で59%でした。

同じ時期の日本のスマートフォン所有率は日66%、先進国の中央値が76%ですので決して低くはありません。

世界主要国のスマートフォン普及状況をさぐる(2019年時点最新版)(不破雷蔵) - 個人 - Yahoo!ニュース


ロシア国民のソーシャルメディア利用者数は2021年の総人口の67.9%で、こちらも低いわけではないようです。

www.atglobal.co.jp


以前、「世代間ギャップ」のお話で取り上げさせていただいた年代別ではどうでしょうか?

日本の年代別のスマホの所有率は49歳以下が93~96%、50歳以上は44%なので50代と40代の間に分断線があることがわかります。

ロシアでは49歳以下が76~91%、50歳以上は26%と日本よりも大きな分断線があることは明らかです。

世界主要国の年齢階層別スマートフォン所有率をさぐる(2019年時点最新版)(不破雷蔵) - 個人 - Yahoo!ニュース


ネットで情報を集める若者は「戦争反対」のデモに加わる

【画像】世界のインターネット普及率&回線速度ランキング

f:id:jizi9:20220305125403j:plain
世界のネット回線

出典:
【2019年版】世界のインターネット普及率&回線速度ランキング | 海外 | 海外進出ノウハウ | Digima〜出島〜

画像からは、働く世代の若者が多い都市部は、ネット環境が整備されているのは世界中で共通のようです。

ロシア国内では、インターネットの情報で事事実を知る都市部の若者はウクライナで起こっていることが侵略戦争であると知ることができます。

こうした若い世代は、SNSを利用して「戦争反対」のデモに参加され、海外と同じように侵略戦争に反対しています。


国営放送で情報を得る中高年は政府を指示する

分断線よりも上、50代以上の中高年はどうでしょう?

www.dailyshincho.jp


国営放送と呼ばれるロシアのテレビ局は、政府に都合の良い情報しか放送せずウクライナへの侵略戦争は「ナチス政権からロシア人を救う」テロ戦争対策として報道されています。

特に中高年では、国営放送や新聞から情報を得る方がほとんどとされていて、政府のフェイクニュースを信じてしまっているようです。

日本国内と同じように、50代以上の中高年は政府の高官であったり、企業の経営者であったりと権限のある世代でもあります。

若者が戦争反対の意見をしても、「テロリストの言うことを信じるな」と否定してしまうのでしょう。




「確かな事実」を見つける工夫

f:id:jizi9:20220305130314p:plain
戦争反対画像、ロシア語版

ウクライナへの侵略戦争を続けるロシア国内には、「プーチン政権を指示する国民」と「侵略戦争に反対する国民」に50代を境に分かれていました。

それは、戦争主義というわけではなく、情報の世代間ギャップのため、世界の考え方に近い判断ができないことが大きく影響しています。

実際に世代間ギャップのある日本も他人事ではないはずです。

世界中で孤立してしまわないためにも、「確かな事実」を見つける工夫は欠かせません。




にほんブログ村 本ブログへ