4度目の緊急事態宣言発令と東京オリンピック
7月12日、首都圏に発表された4度目の緊急事態宣言。
飲食業界への影響は大きすぎても、いまいち効果が疑問視されている緊急事態宣言の問題にせまってみました。
首都圏に出された緊急事態宣言
政府は、7月12日から8月22日までの期間、東京都に緊急事態宣言を発令し沖縄県の緊急事態宣言も8月22日まで延長しました。
また、大阪府、埼玉県、千葉県、神奈川県では「まん延防止等重点措置」を8月22日まで延長しています。
緊急事態宣言の首都圏では、引き続き自粛生活が求められています。
・飲食店の酒類の提供禁止
・酒類やカラオケを提供する飲食店への休業要請
・都内から他県への往来自粛
この緊急事態宣言の中、東京オリンピックだけは開催されることが決まっており、参加選手の他にも国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長らが来日されています。
バッハ会長 日本人と中国人を言い間違え 目指すのは「チャイニーズピープル」の安全 :東京新聞 TOKYO Web
4度目の緊急事態宣言の3つの矛盾
4度目の緊急事態宣言、4度目ともなると呼びかけへの慣れも生まれてきますが、今回の緊急事態宣言はほとんど効果はなさそうです。
なぜなら、そこに3つの矛盾があるからです。
無観客は本当の無観客ではなかった
東京オリンピックは、首都圏と第4波の感染拡大の影響が大きかった都道府県で無観客で行われることが決まりました。
東京オリンピックが無観客で開催されることは、多くの方や専門家から望まれていたことでもあります。
この無観客というのには言い違いがあり、国際オリンピック委員会(IOC)の大会関係者の方は「観客」に含まれないということです。
私たちがプロ野球やサッカーで見慣れた、アリーナの観客席に誰もおらず静まり返った試合ではなく、多くの大会関係者の方だけは観戦できる矛盾があります。
オリンピックは開催しても普段の暮らしは自粛?
国際オリンピック委員会(IOC)の大会関係者の方はオリンピックを生で観戦できて、首都圏で暮らす方は緊急事態宣言で外出自粛が強いられる。
ここに2つ目の矛盾があります。
元々、IOCには大資産家や報道やスポンサーに影響力のある「特権階級」「五輪貴族」とも呼ばれています。
山口真由氏、バッハ会長の無観客「理解に苦しむ」に疑問「特権階級の傲慢さというのが明らかになった」 : スポーツ報知
こうした一部の「特別な人」、それも日本へ何もしてくれない方のために多くの国民が自粛しなければならないことも納得ができないでしょう。
さらに、東京五輪・パラリンピック大会組織委の橋本聖子会長は東京オリンピック参加選手を観光ツアーに招待すると発表されており、厳しい批判は避けられないでしょう。
東京五輪「おもてなし」外国選手〝はとバスツアー〟計画 組織委・橋本会長も検討 - サンスポ
ワクチンの優先接種を受けた世代と若者世代の自粛の差
日本国内では、新型コロナウイルスのワクチン接種を「医療関係者」「高齢者」「基礎疾患のある方」「一般の方」の順に優先接種を続けてきました。
ワクチン接種は、感染すると重症化しやすい人の「命を守るため」に優先接種されています。
ですが、最近のニュースを見ていて、とても強い違和感を感じるものがあります。
ワクチン接種が2回終わった中高年の方々が団体ツアーに出かけていたり、温泉旅行の計画を楽しそうに話している姿です。
仲間と合うこともできず、収入も不安定になった若い世代が見たらどう思うのでしょう。
緊急事態宣言下で「若者が出歩いています」と非難を続けたメディアは、「中高年が出歩いています」と非難してくれるのでしょうか?
国は誰を守りたいのだろう?
・無観客ではない無観客開催
・IOCの特権階級の方のために日本の国民は自粛
・ワクチン接種ができて出歩く中高年と自粛を強いられる若者
これほど矛盾が生まれた中で、緊急事態宣言が守られるとは思いません。
守る必要もないのかもしれません。
無観客ではない無観客試合を知らない方は、いらっしゃるのでしょうか?
ネットニュースに普通に流れている情報です。
私たちの自粛は、IOCの特権階級の方のためなのでしょうか?
私たちの自粛は、私たちの大切な人のためにあるはずです。
高齢者の方にワクチン接種が優先されたのは、「命を守る」ためです。
中高年の方が遊びあるくために、お孫さん世代は修学旅行も卒業式も我慢したのではありません。
国は、誰を守りたいのでしょう。
お互いが傷すけ合うだけの世の中には、なってほしくないものです。