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悩み事は「知る」「受け入れる」「考える」の3つのステップで解決する

ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方 』


著者 鳥沢廣栄
出版社 株式会社 彩図社
分類 実用書、哲学と考え方
出版日 2018/4/18
読みやすさ ☆☆★読みやすい


悩み事の解決に役立つ『ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方』、第2回の紹介はいよいよ実際の悩み事との向き合い方です。

悩み事を、「知る」「受け入れる」「考える」の3つのステップがポイントですよ。


悩み事を解決する〜「知る」「受け入れる」「考える」3ステップ


仏教の教えでは、「物事には必ず原因がある」ことを基本的な考え方にしています。

因果論(いんがろん)とも言われ、科学に親しんだ現代の私たちには身近な考え方でもあり、仏教をテーマにした本で紹介されることが多い教えでもあります。

「悩み事にも必ず原因がある」と考え、鳥沢廣栄さんの『ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方』に書かれていたことを3つのステップ「知る」「受け入れる」「考える」に分けて紹介します。



悩みは誰にでもあると「知る」

悩みに直面したとき、まずやらなければいけないのは、その原因が何かを考えることです。自分がなんらかの原因で悩んでいるという現実を、まずはしっかり受け入れること。これが重要です。
中略)
悩み事から目を背け、「どうしよう、どうしたらいいんだ………」などと言っていては、何も始まりません。悩みを直視し、何がいけないのかを冷静に眺め、その事実をまずは並べ出してそれを受け入れること。それが第一にやるべきことなのです。

第1章 悩みとの正しい向き合い方 p25〜p27

悩み事は誰にでもあるもの。

第1回のおさらいになりますが、「悩み事がある」ことよりも、「悩み事を解決できない」ことを何とかすることがテーマになります。

著者の鳥沢廣栄さんは、これを「悩み方」と表現しています。

いつまでも解決できない「悩み方」は、次のような「悩み事の悪循環・悩み事のるつぼ」を生んでしまいます。

①悩み事がある→②気持ちが落ち着かない→③悩み事を解決できる思考力がわかない→④ストレスが溜まる→⑤別の失敗などで新しい悩み事が起こる→①から繰り返す

悩み事があるときには、いくつかの悩み事がある場合、本当の悩み事は目の前にあることではない場合もあります。

頭の中で整理しようとしても、目の前の悩み事にばかり気が取られたり、とても考える気になれないことが多いのではないでしょうか?

私は、紙にでもスマホのメモにでも「書き出してみる」ことをおすすめしますよ。



悩みを見つめ「受け入れる」


悩み事を紙に書いたり、スマホのメモに書き出して「知る」ことができた悩み事。

悩み事解決の流れで、1番辛いのがこの「受け入れる」ことですよね。


誰にでもある四苦八苦

四苦八苦の初めの四苦ー生老病死ーは、全ての人に共通する苦しみです。これは、全ての人に対し、平等にやってきます。
しかし、誰もが老いに悩み、病に苦しみ、死の恐怖を感じるかと言えば、そうでもありません。
中略)
同様に、あとの四苦ー愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦ーも、それを苦と思わない人もいます。
中略)
四苦八苦は平等にやってくるのに、それに対し悩む人・悩まない人の差が生まれます。それはなぜなのでしょうか?

第2章 ブッダが悩みを克服した方法 p82〜p87


悩み事は誰にでもあることと、わかっていても苦しいのは自分だけ?

そう思うこともあります。

実は、これは半分当たっていることかもしれません。

私たち人間の暮らす世の中にある「生きる」「年をとる」「病気になる」「死ぬ」、4つの苦しみ。

愛する人と離れ離れになるかもしれない「愛別離苦」、職場で嫌な人に会う「怨憎会苦」、十分な収入が得られないなどの「求不得苦」、ご近所の騒音や異臭などで五感を苦しめられる「五蘊盛苦」の4つの平等な苦しみでさえ、「辛い」「苦しい」と感じる人と、そう感じない人がいます。


悩みの強さは「こだわり」の強さ

人は、四苦八苦に反した思いを持ちやすいものです。
中略)
その逆らいたい、という思いが強い人ほど、悩みや苦しみは大きくなると言えるでしょう。それは、「こだわりが強い」と言い換えることができます。
中略)
苦しみや悩みの真の原因は、「強くこだわる」ことにあるのです。こだわらなければ、悩むことはありません。
中略)
そもそも、「こだわり」は悪いことなのでしょうか?もし、お釈迦様が、老病死の苦しみから逃れたいとこだわらなかったら………。そう、仏教は、この世に存在しなかったでしょう。
中略)
この世は苦しみの世だという仏教の価値観を自分の中で咀嚼して、現実を受け入れる。なぜこのような世界なのだろうと考え、こだわるという過程を経なければ、本当の意味で悩みへの耐性をつけることはできません。
実践する前からなにもかも捨て去るのは、仏教的には間違っています。繰り返しますが、まずは自分で考え、現実をありのままに受け入れること。これが悩みを克服するうえでは重要です。

第2章 ブッダが悩みを克服した方法 p82〜p87


基本的な四苦八苦でも、人によって悩みにつながるかは違いがあると仏教ではいわれている。

その理由は、「そうなりたくない」「それは嫌」という「こだわり」の強さが人によって違うからです。

例えば、好き嫌いがない人にとってはスーパーの品不足で食卓に野菜しか上がらなくても、全く悩みにはなりません。

野菜が嫌いでも、我慢して食べられる人にとっては、ストレスを感じる程度の悩みになります。

野菜が嫌いで全く食べない人にとっては、食事が取れないほどの悩みです。

「そうなりたくない」「それは嫌」という「こだわり」があることは、何も悪いことではないと仏教ではいわれているようです。

問題は、「こだわり」から生まれる悩みの受け止め方にありました。



悩みの原因と解決方法を「考える」


悩み事を「受けいれる」ことができた後は、解決する方法を「考える」段階にうつります。


ほどほどの中道、正しい取り組みの八正道

そもそも、仏教では極端な思考を避け、「中道」を目指すべきだと考えます。よく勘違いされますが、中道とは、真ん中を目指そうという意味ではなく、偏りのない状態のことです。
そこで登場するのが、八正道です。八正道とは、お釈迦様が覚りに至るために実践すべきだと説いた八つの修行方法のこと。仏教の基本的な教えで、以下の八つを指します。

正見(しょうけん、正しい見方)
正思惟(しょうしゆい、正しい思考)
正語(しょうご、正しい言葉)
正業(しょうごう、正しい行い)
正命(しょうみょう、正しい生活)
正精進(しょうしょうじん、正しい努力)
正念(しょうねん、正しい自覚)
正定(しょうじょう、正しい瞑想)

残りの正念と正定は、他の修行と似ていて違いがよくわからない、という人が多いと思います。

第3章 自己改革の助けになる仏の教え p115〜p121


さきほどの野菜のお話では、「野菜が嫌い」という悩みの解決する方法は極端に考えると2つしかありません。

「無理やり食べる」

「全く食べず断食する」

これだと、極端すぎます。

「偏りのない状態」の中道に当てはめると、どちらにも偏ることなく「食べれそうな野菜だけ食べてみる」ことが正解のような気がしますね。

また、八正道の考えに照らし合わせていくと、悩み事への解決策が見つかりやすいのではないでしょうか?


相手と同じくらい自分を思いやる

正念=正しい思慮とは、いわば、相手や自分を思いやる気持ちのことです。相手の立場を理解し、相手を気遣うこと、と言ってもいいでしょう。もちろんわ相手の言うことを何でも聞くという意味ではありません。自分のこだわりにとらわれず、相手の意見や立場を尊重することが必要です。
これらを言い換えられば、正念は自分と相手に「気づく」ことと言えるでしょう。

第3章 自己改革の助けになる仏の教え p115〜p121


八正道の後半2つ目、正念(しょうねん)は自分のこだわりにとらわれず、相手の意見や立場を尊重することといわれています。

これは、対人関係の悩みに役立ちそうです。

パワハラやマウンティングは、全く別のことですが、仕事の進め方で同僚と揉めることはよくあること。

相手の立場は、その方の仕事での責任や専門性を尊重するということ。

そして、進めている仕事に自分の意地やプライドなどを含む「こだわり」はないかを冷静に見つめる必要があります。

もし、同僚の専門分野であったり、自分よりも仕事の成否で責任が重い立場にあるのなら、仕事の進め方は同僚に譲り、自分はサポートに回ってもいいのかもしれませんね。

また、逆の場合も同じことが言えます。

「この仕事は、この方針で進めて責任は自分がとるけど、専門外の内容はアドバイスしてほしい」と柔らかく接してみることで、相手も折れてくれるかもしれません。


落ち着くこと

では、正定=正しい瞑想とは何なのでしょう?瞑想とは、心を落ち着かせること、精神を集中することです。焦ったりイライラしたりしたときは、深呼吸などをして気持ちを落ち着かせることが大切です。
焦った状態で行動すればわ状況はさらに悪化してしまうことでしょう。焦る気持ち、はやる気持ちはわかりますがらまずはいったん落ち着いて冷静な判断を下せるようになるまで待つのです。
こうして正定によって精神を集中させ、正念で気づ気を得れば、覚りを得ることができるというわけです。
中略)
世の中が絶えず変化し、移り変わっていくように、人も絶えず変化し、移り変わっていくのです。そのなかには、自分も含まれています。未来は決まっていないのですから、途中であきらめてはいけません。未来を創っていくのは、今の自分自身なのです。

第3章 自己改革の助けになる仏の教え p115〜p121


悩み事に焦りは禁物といわれても、悩み事に向き合っているときは冷静な自分ではいられません。

さきほどの、「悩み事の悪循環・悩み事のるつぼ」では、②気持ちが落ち着かないの部分がそのまま当てはまります。

①悩み事がある→②気持ちが落ち着かない→③悩み事を解決できる思考力がわかない→④ストレスが溜まる→⑤別の失敗などで新しい悩み事が起こる→①から繰り返す

この、②気持ちが落ち着かないことで、③悩み事を解決できる思考力がわかなくなり、いつまでも解決できないばかりか、⑤別の失敗などで新しい悩み事が起こることにつながります。

著者の鳥沢廣栄さんは、深呼吸を勧めています。

落ち着き方は、人によって違いがありますが、他にも「落ち着ける言葉」をつぶやいてみたり、大坂なおみさんのようにルーティンを行なってみるのはいかがでしょう?

私は、「落ち着ける言葉」をつぶやいていますよ。



悩み事を解決する方法のまとめ


ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方』、第2回の紹介は悩み事と向き合う、「知る」「受け入れる」「考える」の3つのステップをまとめてみました。

誰にでも平等に訪れる、四苦八苦の基本的な悩みでも、人によって悩み事の大きさには違いがあります。

それは、「そうなりたくない」「それは嫌」という「こだわり」の違いにありました。

「こだわり」があることは、何も悪いことではないといわれています。

「こだわり」が問題になるのは、そのせいで身近な人が悩んだり、自分が嫌な思いをしていないかではないでしょうか?

そして、悩み事と向き合うときに大切なのは、「落ち着く」こと。

深呼吸や自分が落ち着ける言葉、ルーティンを日頃から持っていると目の前に新しい悩み事が現れたときに、冷静に向き合うことができそうですね。

さて、次回第3回は、いよいよ「悩みの準備」「悩み事が増えないようにする方法」のお話ですよ。

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