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物は誰のものでもない、地球からの借り物

すべてのものは地球からの借り物

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今日は、夢で見た「いい考え」のお話です。

起きる前に見た夢のためか、とても気持ちがよく内容も鮮明に覚えていたので書き残してみることにします。

夢の中の授業の風景


昨日の夢のこと。

私は、見た目がちょっと2000年代前半の不良少年のクラスで授業をする先生をしていました。

男子校なのでしょうか?髪を逆立てたり、ハイライトを入れた男子生徒ばかりの10数人が机をバラバラに並べ教壇に向かっています。

「すべてもものは地球からの借り物」をテーマに授業が進みます。

明るい髪を逆立てた、10代の頃の市原隼人さんに似た田中という生徒。

制服の上着の代わりに、有名ショップのロゴの入ったパーカーを着て、仰け反るように椅子に座っています。



服は誰のもの?


「身近にある物は誰のものなのか、今日のテーマは“自分のもの”は何なのかがテーマなんだ」

私は、黒板の上段に一行だけ書いたタイトルを指差して話を進める。

「例えば、田中の着ているパーカーは誰のものだろうか?」

「ったりめーだろ、オレのもんだよ」

明るい髪を逆立てた田中は、整った顔をしかめて、めんどくさそうに返事をしてくれる。

「そうなんだ、田中のものなんだよ。なんで田中のパーカーなんだい?」

「オレがバイト代で買ったからだよ」

「いいパーカーだからね、高かったよね。田中がお金で買ったから“今は”田中のものなんだ。その前は誰のものだっただろう?」

「服屋だろ、駅前の」

パーカーのロゴが見えるように仰け反る田中が自信のこもった答えをくれる。

「そうそう、ブランドの直売店の服屋のものだった。その前は?誰のもの?」

「職人、デザイナーか?どっちでもいいだろ」

田中の頭に服の流通の図解が描かれているのが、目線を上に向けた表情からうかがえた。

「服を作った職人かデザイナーのものだった。その前は?」

「その前ってよ………布、布屋か!」

上を向いていた目がクイズの回答を見つけたように、こちらに向き直る。

「そうだね、布屋のものだった。その前は?」

「布屋の前………布って何で作るんだ?」

「植物の綿か動物の毛じゃないかな」

「綿なら農家のもんだろ」

「農家の人が綿をどうやって、何で育てただろう?」

「バカにしてんの?水やって育てるくれーわかるって」

「なら畑の土と水は?誰のものだろう?」

「なるほどね、そーゆうこと」

核心を得た田中の目元がそっと笑った。



物は地球からレンタルしている借り物


1番前の席に、仰け反って堂々と座っている田中の同意を得た私は、授業のまとめに取り掛かる。

「田中のパーカーも、元を辿ると地球の物をだった。これは、武田のピアスにもいえることなんだ」

シルバーの羽のピアスをつけた武田も、口元を丸めてうなづいている。

「そう考えると、私たちが“自分のもの”にしているものは、地球から借りているだけだった」

「だから、いつか返さなきゃならない。正しくね」

そう言って私は教壇の上で空になったペットボトルを、資源回収ゴミのゴミ箱に入れたのでした。




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