夏の読書感想文におすすめ、主人公に注目のファンタジー小説2024

夏の読書感想文におすすめのファンタジー小説2024

2024年の「夏におすすめの本特集」は、学生さんの読書感想文におすすめの「一般教養の本」「エッセイとノンフィクション」「青春小説」「ファンタジー小説」「ミステリー小説」を紹介させていただきますね。
第2回は、「ファンタジー小説」を3冊選んでみました。
ファンタジー小説は、いわゆるゲームやアニメっぽい架空の世界が舞台です。
私たちとは暮らしている世界が違っても、主人公たちが何のために活躍しているのかに注目してみてはいかがでしょう？
読書感想文を読んだ同級生に、素敵な小説仲間ができるかもしれませんよ。

夏の読書感想文におすすめのファンタジー小説2024

ファンタジー小説で「主人公の活躍に注目」した読書感想文

読書感想文で課題図書が指定されていない方は、「気になる本を選べば良い」と読書家花水由宇（hanami yu）は思っています。
「それならゲームやアニメの原作になった小説は？」と疑問に思うかもしれません。
答えがあるとしたら、「良い」と思います。
ゲームやアニメの原作は小説になることもあり、反対にファンタジー小説がゲームやアニメ化することも最近は珍しくはありません。
架空の世界の出来事でも、ファンタジー小説の中には登場人物が生き生きと暮らしていて、思い思いに活躍しています。
そこで、ファンタジー小説で読書感想文を書くなら、主人公の立場や目的を見つける「主人公の活躍に注目」した読書感想文を書いてみてはいかがでしょうか？

主人公が活躍する3冊のファンタジー小説

読書感想文におすすめの主人公が活躍するファンタジー小説は、中世が舞台の王道ファンタジー『アルスラーン戦記』、現実と異世界を行き来する『ブレイブ・ストーリー』、リアルな日常と誰も知らない扉の向こうが気になる『すずめの戸締まり』を選んでみましたよ。

『アルスラーン戦記』田中芳樹

www.yu-hanami.com

著者田中芳樹
出版社株式会社光文社（初版　角川書店）
分類ファンタジー小説、ヒロイック・ファンタジー
出版日 2014/4/20（初版　1986/8/28）
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
ページ数 253ページ（1巻のみ）
読書感想文におすすめ小学校高学年,中学生,高校生

アルスラーン戦記の舞台は、日本では室町時代から戦国時代の中世の時代、ヨーロッパとアジアの接する中東地域をモデルにした国パルス。
東西に走る大陸公路の貿易で栄え、数多くの戦に勝利したアンドラゴラス三世の治める豊かな王国。
その豊かさから、周辺諸国の侵略を受け、国の危機に直面していた。
アンドラゴラス三世とタハミーネ王妃の子アルスラーンは、侵略者ルシタニアの追跡を逃れ、公平な世の中を作るために立ち上がろうとしていた。
14歳の主人公アルスラーンの立場は王子、彼の目的は理不尽な侵略を退け、暮らしている人にとって公平な世の中を築くため。
一見、恵まれた王子という立場にあっても、侵略から逃れ、信頼できる仲間1人と始めたゼロからのスタート。
これから夢を抱いてやりたいことを探す、小学生から中学生の読書感想文におすすめのファンタジー小説ですよ。

『ブレイブ・ストーリー』宮部みゆき

著者宮部みゆき
出版社株式会社KADOKAWA
分類ファンタジー小説、異世界ファンタジー小説
出版日 2021/6/15
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
ページ数 512ページ（上巻）
読書感想文におすすめ小学校高学年,中学生

平穏に思えた家族にも、突然崩れてしまう小さなほころび。
身勝手な父親の行動で家族がバラバラになってしまった小学5年生の三谷亘（ワタル）、悲惨な出来事にあった妹を持つ芦川美鶴（ミツル）。
どんな願いでも叶えてくれる「運命の女神」がいる異世界幻界の旅が始まろうとしていた。
それぞれの家庭の事情がきっかけで、異世界での旅を始めたワタルとミツル。
今の時代は複雑で、抱えている悩みも様々ですが、「何とかしよう」と思ったことを行動に移す勇気がもらえるファンタジー小説です。
主人公の年齢に近い、小学校高学年の読書感想文におすすめですよ。

『すずめの戸締まり』新海誠

著者新海誠
出版社株式会社KADOKAWA
分類ファンタジー小説、青春ファンタジー小説
出版日 2022/8/24
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
ページ数 384ページ
読書感想文におすすめ小学校高学年,中学生,高校生

宮崎県の海を見下ろすのどかな町、叔母の環と暮らす17歳の女子高校生岩戸鈴芽は、廃墟がまばらに並ぶ草原をさ迷う少女の夢で目が覚めた。
夢の記憶が薄れないまま学校へ向かう途中、独特の静けさを持つ青年とすれ違う。
旅人風の青年宗像草太の行先は、バブル時代の廃れたリゾート地。
そこで目にしたのは、なんの目的でそこにあるのかが分からない古い扉。
引き込まれるように手を伸ばす鈴芽が、扉の向こうに見た世界とは……。
きっかけは突然ですが、気になることに向き合おうと思う主人公岩戸鈴芽に引き込まれる物語ですよね。
小学校高学年から高校生まで、幅広い世代におすすめのファンタジー小説です。

読書感想文が書きやすいファンタジー小説は『すずめの戸締まり』

『アルスラーン戦記』のアルスラーン、『ブレイブ・ストーリー』のワタルとミツル、『すずめの戸締まり』の岩戸鈴芽は、思ったことを思ったままにせず行動する素敵な主人公ですよね。
ファンタジーの舞台も立場も違う主人公たちですが、共通するのは「自分のため」でもあり「誰かのため」でもある目的を胸に抱いていること。
「自分のため」だけでは時に身勝手と思われる行動になってしまい、「誰かのため」だけでも自己犠牲が周りを悲しませることにつながりかねません。
主人公の思いと行動を目的ごとに比べてみると、「主人公の活躍に注目」して読書感想文が書けるのではないでしょうか。
3冊とも素敵なファンタジー小説ですが、読書感想文の題材として選ぶなら1冊で物語が完結する新海誠さんの『すずめの戸締まり』がおすすめです。
もちろん、夏休みの時間をうまく使って『アルスラーン戦記』や『ブレイブ・ストーリー』など長編小説に挑むのもいいのではないでしょうか。