自粛がもたらす個人の判断力
「アフターコロナの時代」
第2回は、「判断力」がテーマ。
新型コロナの流行は、世の中の価値観を大きく変えました。
急に物事が変わることに、拒否反応を示す私たち日本人も、世の中の仕組みだけではなく個人の考え方の変化が求められる世の中が来ることでしょう。
個人の判断力が問われる時代
「営業自粛」
「外出自粛」
「移動の自粛」
新型コロナウイルスの流行を予防するため、多くの自粛が求められてきました。
自粛は、「自分から進んで自分の言動を慎む」という意味があり、自分で考えて判断しなければならないことです。
「体調が悪いけど仕事に行くべきなのか、休んだ方がいいのか」
「息抜きをしたいけど、今は外出をしていいのか?」
「学校は休みになったけど、帰省はしていいのか?」
こういったことを、自分と身近な人のメリットとデメリットを照らし合わせて考え、判断しなければならない。
個人の判断力が問われていたのだと思います。
日本人的な「周りに合わせる」ことのメリットとデメリット
元々、戦後から現代にかけての日本は「個人の判断力」はあまり大切にされていませんでした。
子どもの頃は、親の言うことや学校の校則。
社会に出てからは会社の決まりや、地域の価値観に従っていれば、個人で1つ1つ判断しなくても普通に暮らしてける世の中でした。
日本人共通の「社会の常識」
周りに合わせることには、メリットもあればデメリットもあります。
周りに合わせるメリット
周りに合わせることには、もちろんメリットもあります。
それは、集団で暮らしやすいことでしょう。
学校生活や会社で働いたり、地域の団体に入って農業や漁業などのお仕事で生計を立てるとき、集団が1つの方向に進みやすくなります。
社会常識を守り社会の集団に守られる社会から、自分で考え自分で守る時代に変わる
新型コロナウイルスが教えてくれたこと、それは日本人の考える力と判断力でした。
日本人は、世の中の常識や会社の決まりを守ることで、地域や会社に守られて暮らしていました。
ですが、少しずつ変化しながら受け継がれていた「社会常識」は、予想していなかった新型コロナウイルスの拡大についていくことができず、社会の集団は崩壊してしまいました。
今まで通りに社会常識を守っても、社会の集団は私たちを守れないほど弱くなってしまった。
これからの日本人は、社会常識よりも自分の考えを優先し、何か失敗をしても守ってくれるのは社会集団ではない自分自身。
本当の意味の自己責任の時代が訪れるのかもしれません。