裁かれない悪い人を明らかにしただけ
新型コロナのワクチンのニュースに隠れてしまいましたが、とあるYouTuberの方が不起訴処分になった犯罪容疑者を明らかにしようとして逮捕された話題が、小さなニュースになっていました。
裁かれない人が多い
「悪いことをすれば警察に捕まる」のは、昔から間違いのないことです。
ですが、実はその後が間違い。
逮捕された犯罪容疑者は、検察庁へ送検されるか、そのまま釈放されるか。
さらに、その後 検察庁で起訴されるか、不起訴になるか。
その後、起訴されて初めて裁判で悪事が明らかになります。
日本国内では、逮捕された犯罪容疑者が送検される確率は30%とされていて、さらに起訴される確率は60%、裁判で有罪を受ける確率は99.98%と極端です。
「有罪率99%は誤解」との見方で「特捜事件」を論じることの“誤解”~ゴーン氏『絶望』の理由(郷原信郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
犯罪容疑者が送検される確率が30%というのは、警察の方がちゃんとお仕事をされているからでしょう。
というのも、「疑わしい人」も捕まえて取り調べを行い、違っていたから送検しなかった事件も含まれているからです。
問題は、その後の起訴される確率と裁判で有罪になる確率の差です。
検察庁が犯罪容疑者を起訴するかどうかは60%、そして起訴されたら間違いなく有罪。
つまり、間違いなく有罪になる人しか裁判で事件を明らかにしていないことになります。
被害者ばかり嫌な思いを持ち続ける
もし、100件の強盗事件で100人の犯人が警察に捕まったとします。
警察では、証拠がある30人を検察に送検します。
検察官は、さらに有罪になりそうな18人を起訴して罪を償わせます。
残りの82人の中に本当にやっていない人はどのくらいなのでしょうか?
犯罪被害に遭われた方の報道では、「泣き寝入り」という不平等が有ることが知られています。
無実の方が冤罪で裁かれることは、もちろん問題です。
ですが、本当に犯罪を犯した人が「情状酌量」や「責任能力」で罪を償わない方が問題なのではないでしょうか。
違法なことは違法ですが…
今回、問題のYouTuberの方に正義感があったのかは、私はわかりません。
(2ページ目)「なら、直接乗り込んでやるよ」”池袋暴走”被告突撃の「迷惑系ユーチューバー」がついに逮捕 | 文春オンライン
一方で、「神戸市内の小学校で問題になった教員のいじめ暴行事件」の加害者は30代から40代の4人の先生でした。
4人は20代の男性教員の方に激辛カレーを食べさせたり、車を壊したり暴力を振るっていました。
事件が明らかになった後、暴行と強要の罪で書類送検されましたが不起訴処分になっています。
もちろん、それぞれ停職や減給といった社会人としての処分は下されましたが、犯罪者としての処分はされていません。
加害側4人を起訴猶予 教員間いじめ―神戸地検:時事ドットコム
YouTuberの方は、犯罪者として処分されていない悪人を世の中に明らかにしようとしただけ。
もし、YouTuberの方に世の中を良くしたいという正義感があったなら、「裁かれない悪い人を明らかにしただけ」だと思います。
ただ、開設当初からブログの読者さまはご存知かと思いますが、花水(hanami)は厳罰主義者の方です。
証拠があって被害者も処分を望んでいることが明らかな犯罪者だけを裁くのも、日本らしいのかなぁと思いますよ。