アルスラーン戦記6 風塵乱舞
著者 田中芳樹
出版社 株式会社光文社(初版 角川書店)
分類 ファンタジー小説、ヒロイック・ファンタジー
出版日 2014/6/20(初版 1989/9/25)
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
シリーズで紹介させていただいておりますアルスラーン戦記も、6回目になりました。
長編ファンタジー小説の物語も、いよいよ第一部の後半になりますね。
前回の『アルスラーン戦記5 征馬狐影』では、物語全体で大きな変化が起こりました。
変化は、小さなものでも大きな影響が出ることが現実でも起こりえます。
果たして、パルスの行く末は……。
アルスラーン戦記6 風塵乱舞の登場人物
『 アルスラーン戦記6 風塵乱舞』からは、変化を恐れず向き合う主人公アルスラーンのほか、細かな活躍が描かれる敵対する勢力側のエステルとジムサにサーム。
新たに登場したグラーゼ、人物像が描かれるようになってきたイノケンティス七世を紹介させていただきます。
アルスラーン
初夏の夜空に例えられる、優しい目を持つパルス王国の王子。
王都エクバターナ解放に思わぬ変化が……。
囚われの身を自身の武勇だけで逃れ、王に復権した父アンドラゴラス三世によって、事実上の左遷を言い渡されたアルスラーン。
アトロパテネの戦場から逃れたダリューン、後に加わったナルサス、エラム。
志しに賛同し味方に加わるファランギースとギーヴ、旅の巡り合いで出会ったアルフリードとジャスワント。
ルシタニア打倒に集まった数万の臣下は今は遠くても、アルスラーン自身を慕う7人との旅が始まる。
エステル
エトワールと男性の名前を名乗る、ルシタニア軍の騎士見習いの少女。
大陸公路を巡る『聖マヌエル城の戦い』でパルス軍に敗北後、アルスラーンに助命され負傷者とともにエクバターナにたどり着いていた。
年上の人物にも物怖じしない、一本筋の通った少女は、アルスラーンとの出会いで祖国ルシタニアのあり方に疑問を持つようになる。
ジムサ
パルスへ侵攻したトゥラーンの若手将軍。
童顔で小柄な姿からは想像できない武勇を持ち、右手に剣を構え左手で吹き矢を扱う乗馬の名手。
ペシャワール城塞の戦いでパルスの軍師ナルサスの策略に陥り味方から追われた彼は、体が動かせないほどの傷を負いペシャワール城塞に囚われていた。
祖国トゥラーンには帰る場所はなく、復権したアンドラゴラスによる処刑が間近に迫っていた。
グラーゼ
スタイルの良い筋肉質の長身、日に焼けた顔に短い髭を生やす勇敢な海の男。
カラダひとつに巧みな語学力、額に白い布を巻き世界の海を渡り歩いてきたギラン商船の船長。
にじみ出る勇ましさ持ちながら、話をはじめると30歳になっていない年齢相応の親しみやすさで相手を惹きつける。
初対面のその日のうちにアルスラーン一行に溶け込んだ陽気で親しげ彼には、「海のラジェンドラ」という異名がつけられることになった。
ヨーロッパのベネチア、日本の長崎を思い浮かべる港町ギラン
パルス国を東西に横断する大陸公路、その南側を並行するニームルーズ山脈を越えた先に大海を背にしたパルス最大の港町ギランはあった。
四季のあるパルスにありながら冬でも雪が降らず、亜熱帯の植物が街を彩る。
コージアの丘からギラン湾へなだらかに続く平地には、貿易商で賑わう商人町、豊かな水産物が集まる漁師町が広まってる。
パルス歴321年、新天地を求めて
囚われの身から生還したアンドラゴラス三世の復権で、ペシャワール城塞から事実上の左遷を言い渡されたアルスラーンは、万騎長ダリューン、軍師ナルサス、流浪の楽士ギーヴ、神官ファランギース、ナルサスの従者エラム、ゾット族族長の娘アルフリード、シンドゥラ人の警護兵ジャスワントとともに新天地を目指していた。
6月が終わろうとしている、酷暑に包まれた真夏のことだった。
豊かさがもたらすもの
首都エクバターナに継ぐ規模の港町ギランは、王族の権威とは異なる形で市民に豊かさをもたらしていた。
大陸公路を行き来する貿易商の通行税、パルス国内で納められた富が集まり、華やかな豊かさを持つエクバターナ。
都市としての規模は首都に継ぐ規模でも、海外との取り引きが生む市場規模はギランに莫大な富をもたらしていた。
豊かさが生まれる影は、いつの時代も変わらないのかもしれない。
アルスラーン戦記第一部のシリーズ一覧
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