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パルスの周辺国で蠢く思惑とは?『アルスラーン戦記9 施旗流転』

アルスラーン戦記9 施旗流転

旌旗流転妖雲群行 アルスラーン戦記 910 カッパノベルスアルスラーン戦記910/田中芳樹(著者)



著者 田中芳樹
出版社 株式会社光文社(初版 角川書店
分類 ファンタジー小説ヒロイック・ファンタジー
出版日 2015/12/20(初版 1992/7/18)
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
異世界を創り出す小説家 田中芳樹、人気作品とともに紹介 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ

日本の名作ファンタジー小説アルスラーン戦記」シリーズは、第二部の2作目にあたる『アルスラーン戦記9 施旗流転』を紹介させていただきます。

アルスラーン戦記9 施旗流転の登場人物


物語の第二部に当たる『アルスラーン戦記9 施旗流転』からは、主人公アルスラーンとは別の場所で活躍する登場人物を紹介します。

ヒルメス

アルスラーンアンドラゴラスとパルスの王位継承を争ってから3年……黒衣の騎士ダリューンに並ぶとも劣らない武勇と過酷な生い立ちの中で身についた統率力で一時は王都エクバターナを手に入れた銀仮面の男ヒルメス
宝剣ルクナバードを持つアルスラーンに敗れた後、消息を絶っていた彼が姿を見せたのは山岳地帯の国チュルク。
戦乱の中再会したイリーナとともに、穏やかな暮らしを送る日々は長くは続かなかった。
再び銀仮面をつけたヒルメスが目指す世界とは……?


ザンデ

ルシタニア軍のパルス侵攻後、パルスの王位継承を目指すヒルメスに忠誠を誓い戦った大柄な騎士。
消息不明になったヒルメスを探したどり着いたのは、主が客将として匿われているパルスの隣国ミスルだった。
かつては恵まれた体格のままに棍棒のメイスを振るう彼も、懇意の女性パリザードとともに夢と暮らしのために奔走する。


ラジェンドラ二世

アルスラーン王とは兄弟の絆」と自称する友好国シンドゥラの王。
他人を騙すのは好きでも自分が騙されるのは嫌いで、休むことを知らない語りが好感と不信感の両方を集める。
自国の利益を最優先に考え、友好国からの信頼は無くても、国民と一般兵士の高い支持を得ている。
周辺国がパルスを巡る思惑に揺れる中、彼の思惑の行方は……。

ギスカール

かつてパルスに侵攻したルシタニア国王の弟で、軍事侵攻の実質的な司令官。
第二次アトロパテネ会戦でアルスラーン率いるパルス軍に敗れ、着の身着のままでたどり着いた先は、かつてギスカール自身が征服したパルスの隣国マルヤムだった。
今は政敵ボダン大司教が支配するマルヤムで、文字通り1からのやり直しを図る王弟の運命は……。





大陸公路を西から東へ

東西に貫く大陸公路の中央には四季が豊かなパルス、西には乾燥した荒野が広がるミスル、北西にはかつてパルスの友好関係にあった穏やかな気候のマルヤム国、そのマルヤム北部と国境を接するルシタニアがある。
大陸公路の南東には、アルスラーン王の盟友ラジェンドラ二世が治める、熱帯地域の国シンドゥラ
シンドゥラの北、冬は雪に閉ざされた山岳地帯がそびえる国チュルク。
渓谷沿いに栄える王都のヘラートには、天空都市の階段宮殿が築かれ谷間に消える夕陽が国民の自慢でもあった。
チュルクの山岳地帯を北に抜けると、川と湖が点在する背の低い草原が広がり、3年前にパルスへ侵攻したトゥラーン遊牧民が季節に合わせ変わらない移動生活を続けていた。




パルス歴325年、半月の弧を描いて


パルス歴325年2月、ディジレ河の会戦でミスル国の侵攻を退けたアルスラーンの元には、いくつかの不穏な知らせが届いていた。
中でも急を要したのは、盟友ラジェンドラ二世の治めるシンドゥラ北部に隣国チュルクから武装集団が侵入した知らせだった。
シンドゥラ北部の治安悪化は、「パルス・シンドゥラ・チュルク・トゥラーンが国境を接するペシャワール要塞の地域に危険をもたらす」と、自国の利益を第一に考えるラジェンドラ二世らしい救援要請が届きパルス王宮でも自国の損害をなるべく少なくする策が練られた。
友好国の危機に、アルスラーン王即位後初の海外遠征が行われることになる。
後の世で、「アルスラーンの半月型」と呼ばれる遠征の最中のことだった。




地政学と国民性

地域の気候と産業から、国の成り立ちを分析する分野に地政学があります。
四季に恵まれ変化も受け入れやすいパルス国民、元々は同じ民族でも広大な草原と山岳地帯に暮らしたことで考え方も異なるものになったトゥラーン人とチュルク人。
物語の舞台の中で描かれる地域の特徴から、ストーリーの展開を楽しむのもいいのではないでしょうか?


アルスラーン戦記第一部のまとめと考察ページ

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