本当に本が読みたくなる読書のブログ

読書好きのための本当に読みたい本が見つかる書評ブログです。小説、実用書、ビジネス書ジャンルを問わず紹介。読書にまつわる豆知識のお話、文章の書き方のお話もありますよ。

108個の煩悩と心の仕組みを知る、『えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ!』名取芳彦

えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ! 名取芳彦

著者 名取芳彦
出版社 株式会社 永岡書店
分類 思想・哲学、考え方の本
出版日 2017/10/15


今回は、ピンクの表紙にえんま様が描かれたとてもユニークな表紙の本を紹介します。

本の名前は、『えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ! 』。

えんま様の仏教をお祀りする密蔵院の住職、名取芳彦さんがえんま様に変わって私たちの人生の悩みに答えてくれます。

第1回は「本の概要」とテーマでもある「煩悩」について、第2回は「煩悩の減らし方」についてお伝えしますね。



表紙にえんま様が描かれた本が目にとまり…


『えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ!』は、よく立ち寄る本屋さんで平積みされていた表紙のデザインがとても気になり手に取ってみました。

本を開いてみると、見開きの右側にえんま様のイラストと格言が書かれていて、左側が名取芳彦さんの解説や実例。

とても理解しやすく感じ、2〜3回手に取った後にメルカリで購入しました。


お坊さん作家さん 名取芳彦さんの紹介

名取芳彦さんの経歴

名取芳彦さんは、東京都江戸川区の元結不動密蔵院というお寺で住職をされながら本を執筆されているお坊さん作家さんです。

元結不動密蔵院は、弘法大師空海が開いた真言宗 豊山派の宗派のお寺。

お寺のご本尊は不動明王様、入り口にあるえんま様の仏像とともに江戸時代から地域の方に慕われてきたお寺のようです。

お忙しい住職さんのお仕事をされながら、お寺のホームページ、ブログなどで仏教のお話を発信されていますよ。

密蔵院 真言宗豊山派 江戸川区鹿骨 もっとい不動


名取芳彦さんの他の本の紹介

『えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ!』を手に取ったときに、作家さんの名前は覚えていませんでしたが「なんだか読んだことがあるような」と思いました。

著者の名取芳彦さんを調べてみると、多くの仏教と暮らしの本を書かれている作家さんでしたよ。

今回は、気になる2冊を取り上げてみます。


『心がすっきりかるくなる般若心経』



『心が穏やかになる空海の言葉』



『えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ!』の構成と読みやすさ

『えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ!』の構成

○はじめに 煩悩で乱れた心をちょっと整えませんか p3〜p7
○第1章 くよくよするなよ 人生すべて大吉〈日々の心得〉p16〜p47
○えんまコラム1 えんまさまはなぜ怒りん坊なのか? p48
○第2章 今がその時 あなたがその人〈人生は学ぶ〉p50〜p79
○えんまコラム2 笑うえんまさま p80
○煩悩事典 p82〜p96
○第3章 すべてはご縁 おかげさまを忘れるな〈人間関係〉p98〜p131
○えんまコラム3 十王の世界はどうなっているの? p132
○第4章 損得なんて 人生に当てはめない〈開運のコツ〉p134〜p169
○えんまコラム4 煩悩まみれでとオッケーです p170
○第5章 幸せへの道は 今そこにある〈生きる場所〉p172〜p207


見開きの右側に「煩悩」の名前と説明、えんま様の表情豊かな絵と格言、五段階の煩悩度(煩悩からの逃れやすさ)が書かれています。

見開きの左側には、えんま様の言葉で具大的な例えと実践方法がまとめられています。


『えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ!』の読みやすさ

難しい言葉が多い仏教用語ですが、名取芳彦さんの体験を例にした解説はとても理解しやすく書かれています。

煩悩度が☆ではなく火の玉のマークをしているのが、とてもユニーク!

火の玉が多いほど厄介な煩悩だと、すぐにわかります。

用語を理解しやいすこと、実践のしやすさがわかりやすく、とても読みやすい本ですよ。



えんま様はお地蔵様でもあった!

えんまさまは、地蔵菩薩の化身と言われています。大地の下にある地獄と、「全てを育む力を内蔵した大地」を象徴するお地蔵さまが関係しているのかもしれません。
えんまコラム2 笑うえんまさま p80

仏様には、本来の姿と仮の姿があるといわれています。

以前、観音様のお話の時にもさせていただきましたね。

えんま様は、「実はお地蔵様だった」というのは仏教や仏像に興味のある方ならご存知かもしれません。

私たちが死んだ後に受ける裁判は、10審制で7審までで生まれ変わり先が決まり、100カ日と年忌法要で3回の再審があるとされています。

裁判では、えんま様たち裁判官と私たち被告人、検察官がいるかはわかりませんが仏様が弁護人になってくれます。

えんま様の裁判では、お地蔵様が弁護人。

えんま様「被告人 花水由宇は健康に悪いと知りながら喫煙を繰り返し命を落とした。喫煙は現代の法で“飲酒”で命を奪う行為と同等の罪にあたる。よって、地獄での懲役刑とする」

お地蔵様「異議を申し立てます。被告人 花水は………」

というように、他の方に迷惑をかけない生き方をしている人には優しく弁護してくれそうですね。




煩悩とは?煩悩の数は六大煩悩98+十纏(じってん)10で108個

f:id:jizi9:20190113182239j:plain

煩悩とは、私たち人間の心身を苦しませ悩ませる、「悪い心の働き」のこと。欲望、怒り、執着などが代表的なもので、煩悩によって私たちは日々苦悩し、心の安らぎを得られずにいるのです。心を煩わせるさまざまなストレスも、煩悩によって増幅されたり、煩悩そのまのが直接の原因だったりします。
煩悩は誰でも生まれつき持っており、通常は一生煩悩から解放されることはありません。そこで、修行によってあらゆる煩悩から脱して「さとり」を開くことで、永遠の心の安らぎを得ようとするのが仏教の考え方です。
煩悩事典 p82〜p96

前置きが長くなりましたが、いよいよ『えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ!』のテーマ「煩悩」のお話しに入らせていただきます。

煩悩は、私たち「人間」や他の生き物が「生まれながら持っている」「心の悪い働き」とされています。

煩悩を全て消すことができたのは、地球ではただ1人、お釈迦さまだけなんですね。

煩悩は108個あるというのは、除夜の鐘で有名です。

実は煩悩の数は、仏教のお経によって違いがあるといわれています。

名取芳彦さんは、全ての煩悩の元になっている6つの根本煩悩を細かく分けていくと98個、根本煩悩によって生まれる良くない考え方の十纏(じってん)を10個足して108個としています。


六大煩悩

f:id:jizi9:20190113182312j:plain

煩悩のおおもとを成すものを根本煩悩(こんぽんぼんのう)といい「貪(とん、むさぼり)・瞋(しん、いかり)・癡(ち、無知)・慢(まん、慢心)・見(けん、悪見)・疑(ぎ、真理を疑うこと)」の六種類があります。これを「六随眠(ろくずいめん)」といいますが難しい字なので「六大煩悩」と覚えましょう。
煩悩事典 p82〜p96

108個ある煩悩の大元は、6つの心の働き。

①貪(とん、むさぼり)
②瞋(しん、いかり)
③癡(ち、無知)
④慢(まん、慢心)
⑤見(けん、悪見)
⑥疑(ぎ、真理を疑うこと)

1つ目の①貪(とん)は、食欲や物欲など必要以上に物事を求める心。

2つ目の②瞋(しん)は、強い怒りの心。

3つ目は③癡(ち)、仏教的には「この世は苦しみの多い世界」という一切皆苦(いっさいかいく)、「世の中は常に変化している」という諸行無常(しょぎょうむじょう)。

どうすることにもできない世の中の常識を知らないこと。

4つ目④慢(まん)は、謙虚さを忘れ周りを見下す自惚れの心。

5つ目は、⑤見(けん)という正しい考え方ができないこと。

最後の6つ目、⑥疑(ぎ)は仏教の正しい教えを信じないとされています。

名取芳彦さんによると、周りの人を信用できないことも⑥疑(ぎ)の煩悩になるようですね。


十纏(じってん)

f:id:jizi9:20190113182332j:plain

根本煩悩に伴って生じるという二次的な煩悩を枝末煩悩といい、そのうちとくに重視される10種類の煩悩を「十纏(じってん)」といいます。
根本煩悩を細分化した「九十九随眠」と、この「十纏」を合わせて、よくやく百八煩悩となりましたね。
聞きなれないことばの「随眠」も「纏」も煩悩の別称でわ随眠な私たちの心の奥に潜み悪へと向かわせる潜在的煩悩。纏は実際の心理作用を伴って表面化しやすい煩悩をさしています。
中略)
「十纏」の煩悩名と意味を以下にまとめておきます。
一、無慚(むざん)…自分に対して恥じないこと。
二、無愧(むき)…他人に対して恥じないこと。
三、嫉(しつ)…妬むこと。嫉妬。
四、慳(けん)…ものおしみ。
五、悔(け)…自分の行為を後悔すること。
六、眠(みん)…睡眠。心が暗くなり、体が自由ではなくなる。
七、掉挙(じょうこ)…心が高ぶって静まらず、軽はずみに騒ぐこと。躁状態
八、惛沈(こんじん)…心が滅入ってふさぎ込むこと。鬱状態
九、忿(ふん)…自分の思いどおりにならないものごとに対して怒りの心を起こすこと。
十、覆(ふく)…自分の犯した罪を覆い隠す心。
煩悩事典 p82〜p96

六大煩悩があるために私たち考えが変わってしまうこと、中でもとくに困ったことが10個あり、「十纏(じってん)」と呼ばれています。

身近なことでは、嫉(しつ)…妬むことはよくあることではないでしょうか?

私も、収入の多い人や自由に充実して暮らせている人を妬むこともあります。

さきほどの六大煩悩を原因に当てはめてみると、④慢(まん)という自惚れの心があるため「自分もあの人くらいの収入はあっていいはず」と思い、妬んでしまう。

また、③癡(ち)の煩悩で世の中の人それぞれに苦しみがある一切皆苦を知らないため「自由に充実している人は楽」と思い込んで妬んでしまうのでしょう。

収入は、その人の努力で手に入れた分と先祖の努力で生まれながらに財産があっただけ。

自由に暮らせている人にも、また別の苦しみがあって悩んでいる。

原因になる基本的な考え方のクセがあって、そのために他の人への見方や自分の行動に影響してしまう。

なんだか、すごく身近で現実的なことなのかなぁと思えますよね。


www.yu-hanami.com



仏教の本の紹介はこちもどうぞ↓
www.yu-hanami.com
www.yu-hanami.com
www.yu-hanami.com



にほんブログ村 本ブログへ