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仏教は読書のようにお経を読んで暮らしに活かす教え

仏教と読書

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今日の読書の豆知識は、「仏教」と「読書」をテーマにお送りします。

仏教は「読書」と「実践」を繰り返しながら、考え方を見直していく教え。

お経の成り立ちを元に、仏教と読書のお話をさせていただきますね。


仏教は読書と実践の教え

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仏教の教えは、読書と実践の教え。

読書をして、書かれていることを暮らしの中で取り組んでみる。

例えば、私たちが何かタメになる考えを学ぼうとするとき、本屋さんで本を購入して勉強するのは割と手軽な方法です。

現代の日本で暮らす私たちにとっては、すごく当たり前で身近なことで、もし仏教の勉強を始めたいのなら本屋さんでお経の解説書を買われて勉強することができます。

そこまでしなくても、今はネット上のお寺やお坊さんのWebサイトにタメになることがたくさん書かれています。

お話がずれてしまいそうですが、仏教はお経に書かれている内容を理解して、自身の考え方を見直したり、暮らしの中で活用する読書と実践の教えです。



本として構成に残されたお経と三蔵

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仏教の教えはお釈迦さまが涅槃に入られた後、残された弟子たちによってお経という形で書き残され、一部は口頭で代々受け継がれ大切にされています。

お坊さんが読むお経は、「聴く」と意味がわかりにくいものですが、翻訳されたり解説された文章を「読む」と理解できるもの。
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個人で仏教の教えや知識を知りたい場合は、お経を読書のように読むことができます。


お釈迦さまの教えを文書に残した

お釈迦さまが直接教えを説かれていた当時、仏教にお経はありませんでした。

教えは、講義のように集まった弟子たちに直接説かれていたからです。

お釈迦さまが涅槃に入られた後、残った弟子たちは記憶力の良かった阿難(アーナンダ)の覚えていたことを元に「お釈迦さまは○○と言われていた」と教えを確認してゆきます。

その後さらに100年以上が過ぎ、直接教えを聞いた弟子もこの世にいなくなると、「文書に残した方がいいのでは?」と意見が起こります。

そうして書かれた文書が、現在に残るお経です。


三蔵法師の三蔵とは?

西遊記に登場する実在の人物 三蔵法師

三蔵法師の三蔵は、経蔵・律蔵・論蔵の3つ仏教の教えのことです。

三蔵法師は中国人のお坊さんで、インドの仏教大学に留学し、多くのお経を中国に持ち帰ったことは実際の出来事として残っています。



経蔵・律蔵・論蔵は現代の本


仏教の教えが書かれた経典は、書かれた目的によって経蔵(きょうぞう)、律蔵(りつぞう)、論蔵(ろんぞう)の3つに分けられます。

私のブログではおなじみの鳥沢廣栄さんの『超訳仏教の言葉』、こちらに書かれた代表的な3つの経蔵・律蔵・論蔵のお話を紹介させていただきますね。


経蔵〜教えを解いた実用書のお経

経蔵(きょうぞう)とは、お釈迦さまの教えが解かれた経典。

私たちに身近なお経ですね。

般若心経や阿弥陀経大日経や涅槃経と名前を聞いたお経もあるはずです。

聞いていると難しいお経には、実はこんなことが書かれています。

十善戒(じゅうぜんかい)
十善戒とは、①殺生しない、②盗まない、③性において淫らな行為をしない、④嘘をつかない、⑤意味のない流行り言葉を使わない、⑥悪口をいわない、⑦二枚舌を使わない、⑧貪らない、⑨愚痴らない、怨みや妬み羨み怒りの心を持たない、⑩愚かな考えをおこさない、のことです。

典籍:観無量寿経など
鳥沢廣栄『超訳仏教の言葉』p112〜p113

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律蔵〜決まりを解いたマニュアルの律


律蔵(りつぞう)は、お坊さんの戒律、お寺の規則が書かれた文書で私たちにはあまり身近ではないかもしれません。

「律」の中で調べることができるものに、「有部律」という上座部仏教の戒律があります。

歴史は古く、紀元前1〜2世紀ごろに書かれたとされています。

大悲三念住(だいひさんねんじゅう)
仏教を信じ信仰を深く持つ者に対しても、仏教を全く信じない無信心な者に対しても、半信半疑の者に対しても、如来や菩薩は平等に接し、常に正しき智慧を念じているのです。
これを「大悲三念住」といいます。
あなたと敵対する相手でも、仲良くない相手でも、もし相談をもちかけられたり、救いを求めてきたりしたならば、そのときは話を聞いてあげるといいでしょう。
友人でなくても友人と同じように平等に話を聞いてあげましょう。
差別や区別をしない態度こそが大切なのです。
典籍:有部律
鳥沢廣栄『超訳仏教の言葉』p16〜p17

論蔵〜解説書の論

論蔵(ろんぞう)は、お経や戒律に対して後世のお坊さんが書かれた解釈・注釈書です。

わかりやすく時代に合わせた解説書ともいえますね。

日本国内で目にすることのできる「論」に、「倶舎論(くしゃろん)」があります。

倶舎論は、世親(せしん、梵語:ヴァスバンドゥ)というインドのお坊さんが、西暦300年頃に書かれた解説書。

律儀無表(りつぎむひょう)
「倶舎論」に「律儀無表」という言葉があります。
漢字だけを見ると、律儀でないことのように思えますが、そうではありません。
「無表」とは、表面に表さない「無表情」ということではなく、習慣となることを意味しています。
したがって、「律儀無表」とは律儀が習慣づくことを意味しています。
特に、必ず善を行う決意を誓い、習慣化することを表しているのです。

典籍:倶舎論
鳥沢廣栄『超訳仏教の言葉』p156〜p157



仏教と読書のまとめ

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仏教と読書をテーマにお話をまとめてみました。

こうしてブログにまとめておりますが、お坊さん作家さんの書かれた本に出会うまでは、お経を何かありがたいと呪文のように思っていました。

仏教のお経、経蔵・律蔵・論蔵はそれぞれ教えをまとめられた本。

経蔵は実用書、律蔵はマニュアル、論蔵は解説書に当てはまり、仏教の教えは読書をした内容を身近なことに活かす実践的な教え。

本に書かれた内容を理解して実践する、実践的な読書ともいえます。

参考にさせていただいている本は、読み返すたびに暮らしの中で気づくことがある本ばかりですよ。



参考にした仏教の本はこちら


えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ! 名取芳彦
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お経 浄土宗 藤井正雄
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超訳 仏教の言葉 鳥沢廣栄
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ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方 鳥沢廣栄
www.yu-hanami.com

お坊さんが教える「イライラ」がスーッと消える方法 鳥沢廣栄
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超訳 般若心経 “すべて”の悩みが小さく見えてくる 境野勝悟
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