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掃除はこころを整えるトレーニング〜『こころを磨くSOJIの習慣』松本紹圭

こころを磨くSOJIの習慣

著者 松本紹圭
出版社 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン
分類 実用書、思想と哲学・考え方の本
出版日 2019/7/20
読みやすさ ☆☆★読みやすい

高校生の頃の罰掃除を思い出して


掃除に思い出がかる方は少ないでしょう。

私は、ありますよ。

ふとしたときに思い出すのが、高校生の頃の罰掃除の思い出。

「管理官」とあだ名がついた几帳面でとっつきにくい先生が担任を持った私のクラス。

サボりがバレたり、停学になった生徒は管理官の決めた期間学校の罰掃除をする決まりがありました。

数日学校をサボり、繁華街をウロついていたことがバレた私も2学期から罰掃除に加わります。

はじめは黒板の拭き残しや、教室の隅のホコリを管理官に指摘されてはやり直しの日々。

ですが、ある日から「黒板スジ残ってるよな」「ホコリまだあったよ」と罰掃除の友達同士で上手にチェックできるようになっていました。

掃除が終わり、本店(職員室)から管理官が来ても「掃除終了」と言われるように。

当時は面倒な掃除に理不尽と思ったことがありましたが、今ではいい思い出です。



著者はグローバルお坊さん 松本紹圭さん


松本紹圭さんは、東京都港区のオフィス街のお寺 光明寺にお勤めされるお坊さん作家さんです。


MBAの資格を持つお坊さん

光明寺というお寺のホームページを拝見させていただくと、所属されているお坊さんの経歴はとても個性的に思えます。

ご住職は大学の先生、お坊さん作家さんや大使館員をされていた方までおられます。

中でも、著者の松本紹圭さんはインドの大学でMBAを取得され世界経済フォーラムに名を連ねられるほど。

現在は若手のお坊さん向けの経営塾を運営され、海外でも出版活動をされているとってもグローバルなお坊さんです。


松本紹圭さんの他の本の紹介

松本紹圭さんは活動のテーマにされている掃除にまつわる本、お坊さんやお寺の運営に関する本を出版されています。

『掃除道入門 SOJI-DO こころを磨く、世界を磨く掃除の教え』


『「こころの静寂」を手に入れる37の方法: 他人にも自分にも振り回されない“小さな悟り”のススメ』


トランジション: 何があっても生きていける方法』



掃除のなぜに答えてくれる構成と読みやすさ


『こころを磨くSOJIの習慣』は、掃除の方法やコツを書かれた実用書に思われがちです。

内容は、掃除が私たちの生き方にどのように役に立つのかを教えてくれます。

『こころを磨くSOJIの習慣』の構成

・はじめに p3〜p22
・第1章 なぜ掃除なのか p32〜p61
・第2章 日日の掃除 p64〜p110
・第3章 掃除が教えてくれる人生で大切なこと p112〜p115
・第4章 仏道と掃除 p158〜p174
・第5章 掃除はお寺と社会をつなぐ p176〜p185
・あとがき p186〜p191

本の構成は、掃除の「なぜ?」に答えてくれるように書かれています。

読みどころは、第3章と第4章で掃除の効果が生き方を見なおす仏教の考え方がまとめられているところです。

それぞれの章の終わりには、著者が取材された他のお寺やお坊さんのエピソードが紹介されています。


☆☆★読みやすい

『こころを磨くSOJIの習慣』は、最近よく見かける見開きの片方にだけ文章が書かれた本ではありません。

文字の大きさも小説と同じくらいですが、書かれている文章はとてもわかりやすく読みやすい本ですよ。



掃除は人生の修行

サッ、サッ。一掃きごと、東京は神谷町のビルの谷間に、竹ぼうきの音がこだまします。
ひとりでする無心の掃除もよし。みんなでするチームワークの掃除もよし。誰にでも簡単に楽しくでき、それでいて奥深い。それが掃除です。
道理はいたってシンプルです。上から下へ。流れに逆らわず。すべてのものを大切に。特別な技術はいりません。お釈迦様の仏弟子のひとり、舎利槃特は「ちりを払い、垢を除かん」と唱えながら、ひたすらほうきで掃き続け、悟りを得たといいます。
人生は日々修行。粗雑な生き方をすれば、こころは汚れ、丁寧な生き方をすればこころもきれいに整います。日々の掃除で暮らしの環境を整えれば、おのずとこころも整うというもの。うつ病などこころの病のセラピーに掃除が取り入れられるのもうなずけます。
p2〜p4

高校生の頃、几帳面な先生「管理官」はなぜ生活態度の乱れた生徒に掃除をさせたのでしょう?

反省のため?
罰として?
責任を教えようとしてくれたのでしょうか?

『こころを磨くSOJIの習慣』を読んで今までの答えの他、もう1つの答えが見つかりました。

掃除を通して乱れがちだったこころを整えようとしてくれたのではないでしょうか?

改めて、掃除を大切にしたいなぁと思える1冊でしたよ。


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