『嘘をもうひとつだけ』
著者 東野圭吾
出版社 株式会社講談社
分類 ミステリー小説
出版日 2000/4/10
読みやすさ ☆☆★読みやすい
日本を代表するミステリー作家 東野圭吾さんの紹介 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ
東野圭吾さんのミステリー小説の代表作「加賀恭一郎シリーズ」、6作目の『嘘をもうひとつだけ』を紹介させていただきます。
他の作品にはない、短編集ならではのスピード感のある展開が楽しめる物語ですよ。
『嘘をもうひとつだけ』の登場人物
加賀恭一郎シリーズ初の短編集『嘘をもうひとつだけ』には、5つの事件の謎を追う物語です。
「嘘をもうひとつだけ」「狂った計算」「第二の希望」「冷たい灼熱」「友の助言」の5つの事件を主人公 加賀恭一郎が鋭く解決するスピード感は短編集ならではです。
今回は、私が好きな「冷たい灼熱」と「友の助言」の登場人物を選ばせていただきました。
加賀恭一郎(かが きょういちろう)
練馬警察署、捜査一係の刑事。
学生時代の剣道で鍛え上げた大柄な体に黒いスーツをまとう敏腕刑事。
柔らかな話し方で初対面の相手を和ませながらも、会話から矛盾するところを洗い出し鋭い質問で真実を探る。
親子の交流はなくなっても、元刑事の父親を持つ根っからの警察官でもある。
田沼洋次(たぬま ようじ)
「冷たい灼熱」に登場する機械メーカーの会社員。
妻の美枝子(みえこ)、幼い息子の裕太(ゆうた)とともに微笑ましい暮らしをおくっていた。
萩原保(はぎわら たもつ)
「友の助言」に登場する企業経営者。
加賀恭一郎の友人でもある。
妻の峰子(みねこ)、息子の大地(だいち)と過ごしていたが交通事故を起こしてしまったことで、思わぬ人生の転機が訪れる。
加賀恭一郎が経験を重ねる展開
警視庁捜査一課から、練馬警察署捜査一係へ移動した加賀恭一郎。
3作目の『どちらかが彼女を殺した』からは、凶悪事件を追う大規模捜査独自で見落とされる網の目を縫うように独自の捜査を進めています。
今後、加賀恭一郎の刑事経験が知られるようになる刑事の日常が始まります。
物語の舞台は世紀末と新世紀と狭間
物語の舞台は1990年代後半から2000年にかけて。
世紀末の陰謀論と新世紀の希望がせめぎ合う、混沌とした狭間の世界。
幸せな希望に進める人、混沌の中に飲まれてしまう人の違いは、どこにあるのだろう?
キーワードは嘘
5つの物語で構成された、加賀恭一郎シリーズの中でも珍しい短編集『嘘をもうひとつだけ』。
どの物語にも共通するのは……嘘。
人はついた嘘を隠すために嘘をつき、さらにその嘘を隠すために嘘を重ねる。
始まりは、自分に都合の悪い事実を変えようとするため。
起こってしまった事実は、嘘をついても変わることはない。
手に取った方も、真実を探る加賀恭一郎目線で、物語の嘘を見破ってみてはいかがでしょうか?
加賀恭一郎シリーズの紹介ページ
加賀恭一郎シリーズ)
1作目 『卒業』
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2作目 『眠りの森』
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3作目 『どちらかが彼女を殺した』
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4作目 『悪意』
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5作目 『私が彼を殺した』
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6作目 『嘘をもうひとつだけ』
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7作目 『赤い指』
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新参者シリーズ)
8作目 『新参者』
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9作目 『麒麟の翼』
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10作目 『祈りの幕が下りる時』
11作目 『希望の糸』