『私が彼を殺した』
著者 東野圭吾
出版社 株式会社講談社
分類 ミステリー小説
出版日 1999/2/5
読みやすさ ☆☆★読みやすい
日本を代表するミステリー作家 東野圭吾さんの紹介 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ
東野圭吾さんのミステリー小説の代表作「加賀恭一郎シリーズ」、5作目の『私が彼を殺した』を紹介させていただきます。
物語の舞台は、4作目の『悪意』から1~2年進んだ1990年代後半。
経験を重ねた加賀刑事の、巧みな捜査技術が光る物語です。
『私が彼を殺した』の登場人物
「加賀恭一郎シリーズ」の主人公 加賀刑事。
前作『悪意』からわずかばかり年月が進み、黒いスーツがよく似合う、30代半ばの年齢になっていた。
「加賀百万石の加賀」を自己紹介のお決まりのセリフに使う。
警視庁との合同捜査では、単独で容疑者の状況証拠を抑える役割をこなす。
加賀恭一郎(かが きょういちろう)
練馬警察署、捜査一係の刑事。
引き締まった体格と、浅黒く日焼けした堀の深い顔立ちの迫力のある大男。
好感を持たれるはにかんだ笑顔は、刑事らしくない爽やかさで相手の心の紐をふと緩めるように微笑む。
感の鋭い相手は、彼の魅力的な笑顔の裏に隠された狡猾な計算、かすかに浮かぶ笑みに自信を感じとる。
時おり見せる鋭い目線は、嘘を見破るよりも深く、嘘をつく人の本質を見定めるよう。
穂高誠(ほだか まこと)
30代後半でも長髪をなびかせる、オシャレな男性。
やり手の映画脚本家で、「穂高企画」のオーナーでもある。
身近な仕事仲間からは、集団の中で1番にならないと気がすまない性格と思われ、計算高い一面も警戒されている。
神林美和子(かんばやし みわこ)
大学卒業に会社員をする傍ら、趣味として続けていた詩が若い女性層に爆発的人気になった詩人。
詩集は重版を重ね、執筆以外の仕事の依頼も絶えない。
穂高の現在の婚約者でもある。
幸せの門出が物語の始まりに……
人生に、そう何度も訪れることはない幸せの門出。
幸せを感じる人、見守る人、見過ごせない人。
幸せの門出に立ち会う人の数だけ、思うことに違いはある。
出来事、時間、感情が交差しただけで、誤作動のように思いもよらない歯車は暴走を始めてしまう。
物語の舞台は世紀末が迫るデジタル黎明期
物語の舞台は1990年代後半。
パソコンが一般に広まりながら、手書きと書類のやり取りとせめぎあうデジタル黎明期と呼ばれた時代。
働き盛りのビジネスマンにも、純喫茶が少し古めかしい印象を受け、時代の変化が見え隠れしていた。
キーワードは想い
事件が何かの歯車の暴走で起こるなら、なぜ誤作動は起こってしまうのだろう?
人が起こす事件は、長年のときも一時のこともある想いの変化が始まりのことがほとんど。
今作『私が彼を殺した』は、加賀恭一郎シリーズ3作目『どちらかが彼女を殺した』と同じリドル・ストーリー (riddle story)で物語は進みます。
東野圭吾さんの謎掛けを、加賀恭一郎の目線で追求できる作品ですよ。
加賀恭一郎シリーズの紹介ページ
加賀恭一郎シリーズ)
1作目 『卒業』
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2作目 『眠りの森』
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3作目 『どちらかが彼女を殺した』
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4作目 『悪意』
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5作目 『私が彼を殺した』
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6作目 『嘘をもうひとつだけ』
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7作目 『赤い指』
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新参者シリーズ)
8作目 『新参者』
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9作目 『麒麟の翼』
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10作目 『祈りの幕が下りる時』
11作目 『希望の糸』