『悪意』
著者 東野圭吾
出版社 株式会社双葉社、株式会社講談社
分類 ミステリー小説
出版日 1996/9/20
読みやすさ ☆☆★読みやすい
日本を代表するミステリー作家 東野圭吾さんの紹介 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ
東野圭吾さんのミステリー小説の代表作「加賀恭一郎シリーズ」、4作目は『悪意』を紹介させていただきます。
3作目の『どちらかが彼女を殺した』と同じ時系列、1990年代半ばの加賀刑事の活躍を描いた物語です。
『悪意』の登場人物
「加賀恭一郎シリーズ」の主人公 加賀刑事。
物語が進むにつれ、加賀恭一郎の存在に謎を感じる読者さんも現れるはず。
4作目の『悪意』には、加賀刑事の過去を知る貴重な人物も登場します。
加賀恭一郎(かが きょういちろう)
練馬警察署、捜査一係の刑事。
前作『どちらかが彼女を殺した』では単独で捜査を勧めていたが、現在は後輩牧村刑事とともに凶悪犯の捜査に携わる。
大学卒業後、2年間中学校で社会科教師をしていた過去が明かされる。
疑わしい容疑者には鋭さと和やかさの両方を持つ目線を向ける一方で、好感が高いはにかんだ笑顔は教師時代から健在。
野々口修(ののぐち おさむ)
教鞭をとる傍ら小説の執筆を続け、幼馴染日高邦彦の紹介でデビューした児童文学作家。
中学校を退職後は、都内のマンションでひとり暮らしをしている。
教師時代は国語が専門で読書への価値観が高い、加賀の教師時代の先輩でもある。
日高邦彦(ひだか くにひこ)
いくつもの出版社と契約する、人気小説家。
純文学からエンタメ小説、ミステリー小説まで幅広く執筆する。
ヨーロッパ風の庭が自慢の邸宅で妻と暮らしているが、カナダへ移住することが決まっている。
知人のプライベートを許可なく小説に使う、近所の飼い猫を毒餌で死なせるなど独特のモラルに疑問を持たれている。
日高理恵(ひだか りえ)
日高邦彦の入籍間もない再婚相手。
元々は日高の小説のファンで、5年前に日高が前妻初美と死別した後に再婚する。
藤尾美弥子(ふじお みやこ)
日高のベストセラー『禁猟池』で、プライベートを暴露された藤尾正哉の妹。
日高亭に度々抗議に訪れている。
物語の始まりは作家の日常
幼馴染同士の2人の作家、1人はベストセラーを生み出す人気作家。
もう1人は、長年の夢に向かって歩み始めた新人作家。
いくつも枝分かれする人生の道、交差点で出会った2人はまた同じ道を歩み始めた……。
世界観はデジタル創世記
物語の舞台は1990年代半ば、パソコンとワープロが世の中に混在し、Faxと電話が一体化した複合機が最新ツールだったデジタル化の創世記。
作家さんも手書きからキーボード入力へと作業が移り変わり、喫茶店の代わりに全国に広まったファミレスが世代を問わない交流の場になっていた。
キーワードは手記
前作『どちらかが彼女を殺した』が東野圭吾さんから読者への挑戦状リドル・ストーリー (riddle story)なら、『悪意』はホワイダニット (Whyduni)と呼ばれる物語の形式です。
手がかりになるのは、犯人が書き記した「手記」。
なぜ、犯行は起こったのかに迫りたいミステリー小説です。
加賀恭一郎シリーズの紹介ページ
加賀恭一郎シリーズ)
1作目 『卒業』
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2作目 『眠りの森』
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3作目 『どちらかが彼女を殺した』
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4作目 『悪意』
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5作目 『私が彼を殺した』
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6作目 『嘘をもうひとつだけ』
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7作目 『赤い指』
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新参者シリーズ)
8作目 『新参者』
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9作目 『麒麟の翼』
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10作目 『祈りの幕が下りる時』
11作目 『希望の糸』