本当に本が読みたくなる読書のブログ

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浅草寺の観音様のお話

観音様のお話

以前、旅行記のようなお話浅草に感じた安心感と浅草寺 - 本当に本が読みたくなる読書のブログで浅草の浅草寺のことを取り上げさせていただきました。

浅草寺のご本尊(主役の仏様)は聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)さま、花水の●でも仏教の本を紹介させていただいており、今回は観音様のお話をさせていただきますね。


優しい仏様 観音菩薩

観音菩薩の本名は観世音菩薩

観音菩薩の本来の名前は観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)、観自在菩薩(かんじざいぼさつ)。

本来の名前はお経によって異なり、観音経や観無量寿経には観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)、よく知られている般若心経には観自在菩薩(かんじざいぼさつ)と書かれていますが、どちらも同じ観音様。

観音様の名前の由来は、私たちの悩みごとやお願い事の声(音)を聞いて駆けつけてくれるためといわれています。


観音菩薩は提携企業の取締役?

このように書いてしまうと、時期が時期だけに誤解を受けるかもしれませんね。

仏教の世界観で私たちの暮らす世界は、お釈迦様の治める「娑婆(しゃば)世界」となっています。

他にも世界はあり、阿弥陀如来の治める極楽浄土や、薬師如来の治める浄瑠璃浄土があります。

「浄土」は、仏教の教えが世の中全てに伝わって人々が清らかな暮らしをしている世界とされています。

反対の意味で「穢土(えど)」と呼ばれ、仏教の教えが十分に広まる前の欲望の多い世界と考えられています。

私たちの暮らす世界は、まだ穢土(えど)のようですね。

この世界を1つの会社に例えると、お釈迦様が代表取締役の「娑婆(しゃば)世界」会社。

お釈迦様が涅槃に入られ会長になられた後は、次の代表取締役弥勒菩薩に決まっています。

ですが、弥勒菩薩が「娑婆(しゃば)世界」会社の代表取締役に就任されるのはまだ先のこと。

その間、「娑婆(しゃば)世界」会社の私たちを助ける役割は地蔵菩薩、お地蔵さんが代表取締役代行に任命されました。

残念ながら、「娑婆(しゃば)世界」会社の社員でもある私たちの業績が悪く、代表取締役代行のお地蔵さん1人では負担がとても大きかったのでしょう。

そこで、他社(この場合他の浄土)から取締役を派遣してもらうことになり、観音様が取締役として就任されたようですね。

阿弥陀如来の教えを説いた「浄土教」によると、観音様はご自身の補陀落(Potalaka、ポータラカ、ふだらく)と呼ばれる浄土を持ちながら、極楽浄土でも教えを説かれているとされています。

業績が安定している極楽浄土会社と業務提携を結び、ご自身の補陀落浄土会社で実績もある観音様が代表補佐取締役として活躍されているわけです。

なんだか、お話が「下町ロケット」のようになってしまいましたね。



六観音菩薩に分身して全ての世界を見守っていた


ここで、観音様のお話に戻りますね。

観音菩薩は、私たちが生きる六道の世界それぞれに1人ずつ担当が決まっています。

六道の世界は、苦しみの少ない順に天道、人間道、修羅道畜生道、餓鬼道、地獄道があり、生きているときに重ねた罪の重さで6つの世界を巡るのが六道輪廻という教え。

少し複雑なのですが、世界そのものだけではなく暮らしの中での苦しみの受け方も6つに分かれているといわれています。

例えば人間道で暮らしている私たちも、常に幸せに包まれている天道の暮らしのようで、生活費を稼ぐためにブラック企業で睡眠時間も削らなければならない餓鬼道のような暮らしもあるでしょう。

それぞれの世界、暮らしに合わせて私たちを救ってくれる観音様は六観音と呼ばれる、聖観音菩薩(地獄道担当)、千手観音菩薩(餓鬼道担当)、馬頭観音菩薩(畜生道担当)、十一面観音菩薩(修羅道担当)、准胝観音菩薩(人間道担当)、如意輪観音菩薩(天道担当)と名前と役割が変わります。



観音様は大忙し


観音様には、現世利益(げんせりやく)といって、今困っていることを助けてくれるご利益があると言われ、私たちが抱えている悩みごとに直接向き合ってくださる力があるとされています。

観音様の前で手を合わせて、また心の中でお祈りしたことは全て観音様に届いているので、きっと大忙しでしょう。

今回はちょっと会話風に書いてみました。


秘書「本日の願いごとですが、日本からは海外旅行客も含めて33万件です。内訳は、結婚恋愛と夫婦円満が13万件、健康祈願が6万件、仕事の悩みが4万件、人生の悩みが4万件、人間関係の仲裁が3万件、金運祈願が3万件、ペットの供養が1万件、その他が2万件です」


恋愛祈願

准胝観音菩薩「1件目の案件は、恋愛祈願『17歳の女子高校生A、部活の先輩Bの卒業前に告白したいのですが、どう思われているか不安』。相手の男性BもAさんに好意を持っていますし、性格も合っている。いいお付き合いだと思えますが、お互い引っ込み思案で、告白に踏み切るタイプではない…ですか」

秘書「最近はSNSの普及で少なくなってきたパターンの願いごとですね」

准胝観音菩薩「ええ、この場合はシンプルにどちらかに告白に踏み切る勇気を持ってもらう対応がいいでしょう。まず、女子高校生Aさんが利用する占いアプリの結果をいい結果に、相手の男性Bさんは占いをする方ではないので…いつ告白があっても、学校を休まないよう体調を整えるため夜更かしのゲームを控えてもらうようにしましょうか。あとは、告白に踏み切れるかですね」


愛犬の健康とブラック企業問題

秘書「こちらの健康祈願ですが、愛犬の健康を願っていて、どちらの観音様にお渡ししましょう?」

馬頭観音菩薩「動物の健康ですと、私です。『会社員女性Cさん、愛犬Dの下痢が治りません』、えぇと愛犬Dの下痢は獣医師の診断で自律神経失調症。動物病院の薬を飲んで規則正しい生活が送られば自然に………ううむ、どうも会社員Cさんの帰宅時間が影響しているようですね………千手観音菩薩、またブラック企業の会社員の方が被害にあっているようです」

千手観音菩薩「ええ、こちらへ。会社員Cさんの労働時間は1日15時間、勤務先は金融業のE社ですか。こちらの会社はイメージ戦略を取っているので、世論の目に敏感です。労働問題のコメンテーターに金融業の労働問題を取り上げてもらうことにしましょう。徐々にですが、効果が期待できます」

馬頭観音菩薩「では愛犬Dの健康と、Cさんの労働問題両方に対応するという方向で」

千手観音像「ええ、そういたしましょう」


夫婦円満と暴力問題

如意輪観音菩薩「夫Fと妻Gの、夫婦円満の対応はひとまず円満にと。いえ、どうも突発的な暴力問題に発展する可能性が高そうですね。夫Fの歓楽街での可能性が70%ですか」

十一面観音菩薩「夫Fには、人間関係のストレスを解決して日頃の暴力はなくなったのですが…突発的となると、妻Gが心配です。これは………3日後に屈強なRさんが、付近を訪れるようです。Rさんの実績と正義感を信じて、道路を1つだけ変えて通りがかってもらうことにしましょう」

如意輪観音菩薩「他人のRさんを巻き込んでしまう形になりますが、大丈夫でしょうか?」

十一面観音菩薩「Rさんは素晴らしい正義感を持っています。今までの経歴から、重傷を負わず夫Fを止めてくれるでしょう。3日後の付近の状況では、妻Gの被害と夫Fの罪を最も低くできる方法です」


外国人旅行者の病気の祈願

秘書「急ぎの案件です!末期の病気の方のご家族からです」

聖観音菩薩「こちらへ。『病気の母Hのカナダ人の息子I、末期の病気で苦しむ母Hの苦しみをなんとかしてください』………母Hは、全身の末期の病、寿命は………そうですか。確かカナダは医療用麻薬が使える国。ならば、せめて苦しみだけでも…」


私たちの財布の中にも小さな観音様が…

今回は、観音様のお話しをさせていただきました。

以前、旅行記を更新したときにお参りした浅草寺で私たちは「本尊守」という小さなお守りをいただきました。

ネットで事前に調べ、「本尊守」は浅草寺のご本尊聖観音菩薩さまのご利益があるとあったので、おみくじの後に本堂でいただき、今は財布の中にあります。

お守りの外側の包みを開けると中に小さな袋が入っていて、何か立体的な手触りを感じます。

迷いながら開けてみると、小さな観音様が………

これからも、いつも私たちを見守ってくださいますように。


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