ハリーポッターシリーズの3人の登場人物の立場からみる実績と役割
毎年冬になると訪れるハリーポッターシリーズの再放送に合わせて、ハリーポッターにまつわるコラムを書かせていただきました。
今回のテーマは、ハリー、ロン、ハーマイオニーの立場と実績から割り当てられた物語の役割について掘り下げてみましょう。
- ハリーポッターシリーズの3人の登場人物の立場からみる実績と役割
ハリー・ポッターの立場と実績
まずは、物語の主人公でハリー・ポッターの立場に迫ります。
物語の中で魔法使いを紹介するときに度々語られている、家系・資産・才能・能力・実績の5つに分けてみてみましょう。
家系〜「吟遊詩人ビードルの物語」の末裔
ハリー・ポッターは、純血の父ジェームズ・ポッターとマグル生まれのリリー・ポッター(旧姓エバンズ)の長男としてゴドリックの谷で生まれました。
ポッター家は、代々続く家系でもありますが、最終巻では「吟遊詩人ビードルの物語」の主人公ペベレル家の末裔であることがわかります。
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資産〜代々受け継がれた資産
12歳になるまで、魔法界のことを知らずに育ったハリー。
両親はハリーが生まれてまもない頃に他界し、親戚のダーズリー家の物置小屋で半ば召使いのような少年時代を過ごしていました。
ハリーが始めて訪れた魔法界の町、ダイアゴン横丁のグリンゴッツ魔法銀行には、金庫を埋め尽くすほどの資産が残されていました。
ホグワーツで過ごす7年間でお金に困ることはなく、物語の表現や映画のシーンからは、大人になってからも事業を起こせるくらいの資産のはずです。
才能〜闇の魔術に抗う素質
ハリーの才能というと、なんといっても箒で飛ぶ飛行術。
同級生が子ども用の箒で飛ぶことに慣れ親しんだ中で、始めて手にした箒で魔法界のスポーツ クィディッチのチームに選ばれたハリー。
飛行術の才能は、クィディッチでエースをしていたこともある父親から受け継いだ才能でした。
他にも、闇の魔術「服従の呪文」に抵抗できた数少ない魔法使いでもあります。
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さすが、「闇の魔術に対する防衛術」の普通魔法試験O.W.L試験で学年1位を取るほどの才能を持ち合わせていました。
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能力〜高度な呪文を3年生で習得
ハリーの魔法使いとしての能力は、ほとんどが映画で描かれています。
『ハリー・ポッターとアズガバンの囚人』では、大人の魔法使いでも身につけることが難しい守護霊の呪文を14歳でマスターしています。
その後も、「武装解除の呪文」や「失神呪文」「盾の呪文」など実践的な魔法を身につけ、10代で「磔の呪文」「服従の呪文」など闇の魔術まで使いこなしていました。
「守護霊の呪文」は、恩師ルーピン先生との特訓を乗り越え、闇の魔術はマッドアイ・ムーディに成りすました死喰い人バーティ・クラウチJrの過激な授業で覚えたことを実戦で磨いています。
ハリーの魔術は、立ちはだかってきた困難の中で磨かれたといってもいいはずです。
実績〜勇気のある判断力
そんなハリーの実績は、こうしてお話を読んで下さる皆さまがご存知の通りです。
ヴォルデモート卿の思惑をうち破り、魔法使いに平和をもたらしてくれました。
ロン・ウィーズリーの立場と実績
次は、ハリーが1番最初に出会った同世代の友達ロン・ウィーズリーに迫ります。
家系〜魔法界の確かな家系
ロン(ロナウド)・ウィーズリーは、純血の父アーサー・ウィーズリー、母モリー・ウィーズリー(旧姓プルウェット )の7人の子の6男として隠れ穴で生まれました。
純血のウィーズリー家は、魔法界で歴史のある家柄といわれています。
資産〜大家族ならではの貧困
家柄は確かなウィーズリー家は、6男1女の大家族。
ロンがホグワーツに入学した時点で、社会人になっていたお兄さんが2人いても、5人が学校に通う一家の家計は火の車。
ロンもお下がりや中古の学用品で学生生活を送っていて、大家族ならではの暮らしが描かれています。
才能〜他の2人に比べ平凡な魔法力
ロンの才能は、決して周りに比べて劣ってはいないのですが、平凡でもあります。
産まれながらクィデッチの才能があるハリー、どんな教科でも成績優秀なハーマイオニーの2人と比べると見劣りすることも。
ですが、普通魔法試験O.W.L試験の5科目で「良・E」を取っていて、成績はハリーと同程度と評価されています。
能力〜怠った努力を補う強運
また、授業や魔法の練習をサボって、役に立つ呪文を覚えていないこともあります。
魔法使いの才能は平凡なロンですが、
怠っていた努力を見事逆転できる運の強さがあります。
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」では、ハリーの幸福薬のおかげでクィディッチのキーパーで大活躍を見せます。
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実は、ハリーは幸福薬を飲ませるフリをしただけで、活躍はロンの実力によるものでした。
他にも、最終巻「ハリー・ポッターと死の秘宝」で離れ離れになったハリーとハーマイオニーに「偶然」巡り合う強運を発揮しています。
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実績〜直感力とひらめき
強運の持ち主ロンは、持ち前の直感力とひらめきでなくてはならない活躍を見せてくれます。
『ハリー・ポッターと賢者の石』では、魔法界のチェスで勝利し、賢者の石を守る罠を破っています。
ロンのひらめきが冴えたのは、最終巻の「ホグワーツの戦い」でした。
普通の方法では壊すことができない分霊箱をバジリスクの牙で破壊することを思いつくと、ハリーの蛇語をマネて秘密の部屋を開けヴォルデモート卿の分霊箱の1つを壊す活躍を見せてくれました。
ハーマイオニー・グレンジャーの立場と実績
3人目は、ホグワーツ行きの列車の中でハリーとロンと出会い、時々すれ違いながらも意気投合したハーマイオニー・グレンジャーです。
家系〜マグル生まれは移民扱い
純血の魔法使いの家系に生まれたハリーとロンとは違い、ハーマイオニーは両親が魔法使いではないマグルの歯科医師夫婦の1人娘として生まれました。
ハリーたちがホグワーツに入学した時代には、学校生活や仕事に困るような差別はほとんどありませんでした。
魔法使いの中には、マグル生まれを一方的に差別する「純血主義者」という魔法使いもいます。
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最終巻では、純血主義者の集まり死喰い人が政権を奪ったことで無実の罪を着せられアズガバンの刑務所に送られるほどマグル生まれは追い込まれてしまいます。
資産〜生活に余裕のある暮らし
マグル生まれのハーマイオニーですが、歯科医師夫婦の1人娘ということもあり暮らしには困っていない様子が描かれています。
ホグワーツの学用品を買い揃えることができ、休暇には家族旅行を楽しむエピソードもあります。
才能〜聡明な学年主席
ハーマイオニーというと、ハリーとロンの2人は追いつくこともできないほどの勉強の才能があります。
普通魔法試験O.W.Lでは、10科目中ハリーが1位の「闇の魔術に対する防衛術」を除く9科目で学年1位を取る文句なしの学年主席です。
能力〜確かな努力の証
勉強の才能は、学歴の高い両親から譲られたものと思いますが、貪欲に知識を身につける努力を欠かしません。
「本で読んだことがある」「先生が話していた」と事あるごとに語られるハーマイオニーのセリフ。
授業前の予習と寮での復習は欠かさず、授業中は先生の話を聞き漏らさずに集中していたのでしょう。
それは、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で2年生になったハーマイオニーが複雑な魔法薬ポリジュース薬を調合したことで証明されます。
また、数々の謎や困難にも資料に基づいた冷静な分析力を発揮していました。
実績〜誰もが認めるNo.1の実績
ハリーポッターシリーズでは、物語の最後を飾るのは主人公のハリーなのですが、ハーマイオニーには最後の難関までの道筋を作った実績があります。
第2巻で、秘密の部屋の怪物バジリスクを突き止めたのはハーマイオニーの分析力でした。
第3巻『ハリー・ポッターとアズガバンの囚人』では、シリウスとルーピンの秘密を突き止め、教師でもあるルーピンに「私が知っている中で1番賢い魔法使い」と推理力を絶賛されています。
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ハーマイオニーが分析から事件解決を1人でこなしたこともあります。
第4巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、違法な取材をしていた新聞記者リーター・スキーターを捕らえ、弱みを握り味方につける活躍を見せています。
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物語の中の実績は、ハリーやロンだけではなく周りの大人たちも認めていたことでしょう。
ハリー、ロン、ハーマイオニーそれぞれの役割
ハリー、ロン、ハーマイオニーの立場に触れさせていただいたところで、それぞれの役割について考えてみます。
役割は、スポーツのチームやプロジェクトチームの中のリーダー、ムードメーカー、ブレーン、エースから割り当ててみました。
ハリー〜魔法界の若手リーダー
ハリーの役割は、やはり大まかな方向性を決めるリーダーではないでしょうか?
物語の終盤でハリーが選んだ決断、困難な方法でもしっかりと目標を達成することができています。
他の役割はというと、ムードメーカーは向いていないように思えます。
ハリーは人間関係に割と頑固な一面もあり、苦手な相手スネイプ先生やドラコ・マルフォイとの関係でわかるように1度嫌うと受け入れることはほとんどありません。
ハリーの「闇の魔術に対する防衛術」の成績なら、チームのエースという一面もあるのですが、他の魔法ではハーマイオニーに及ばないこともあります。
魔法界での知名度、注目の集め易さ、決断の良さでリーダーの役割に合っているのではないでしょうか。
ロン〜強運のムードメーカー
3人の中で、ムードメーカーの役割はロンにしかこなせません。
お調子者、考えや嗜好をコロコロと変えるところは、良い意味では協調性があって思考が柔軟ともいえます。
他の2人にないものでロンだけが持ち合わせている協調性は、大家族の中で育ったからではないでしょうか?
他の役割になると、少し難しいかと思えます。
直感力に優れるロンは、判断が全て上手くいくとチームに大きな大逆転をもたらしてくれます。
ですが、失敗してしまうことも多くあります。
また、魔法の努力を怠っている場面も多く、エースを担うには実力不足といえます。
ロンの個性を活かせるのは、やっぱりムードメーカーの役割のはずです。
ハーマイオニー〜冷静なチームのブレーン兼エース
ハーマイオニーの役割は、簡単なようで難しくもあります。
なぜなら、魔法使いの能力だけなら、ムードメーカー以外の役割も一応こなせてしまうからです。
そこで、仲間になったつもりでハーマイオニーの役割を見つめてみます。
ハーマイオニーがチームのリーダーだとしたら、確かに判断力は優れていて、なぜそうなったのか?という説明も説得力があります。
優れているからこそ、上手くいかなくなりそうな理由もあります。
それは、魔法使いの能力にも優れたエースでもあり、チームに知性をもたらすブレーンでもあるからです。
リーダーの役割を持つと、同時にハーマイオニーには全ての役割が集まり、負担が多くなってしまいます。
そして、完璧過ぎて何でもできるリーダーの下では、メンバーなはミス1つ許されない緊張感が漂ってしまうでしょう。
また、情報を集めて分析し、筋道を立てて計画を立てる役割はハーマイオニーにしかこなせません。
そうなると、チームが現場に行くまでの計画づくりを担うブレーンの役割がハーマイオニーの能力を1番活かせるポジションになります。
現場に出てからは、抜群の魔法の技術を発揮するチームのエースに早変わり。
ブレーン兼エースという、とてもクールな役割がハーマイオニーにはぴったりですね。
ハリーポッターシリーズの3人の役割は個性にあったぴったのポジション
とても長いお話になってしまいましたが、いかがでしたか?
リーダーのハリー、ムードメーカーのロン、ブレーン兼エースのハーマイオニー。
物語の中で3人がこなした役割は、それぞれの個性が活かせるぴったりのポジションでした。
3人の登場人物が、良い面でも悪い面でも個性に合った役割を担ってゆく。
J.K.ローリングさんの作品づくりに、改めて驚かされてしまいましたよ。
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