大人も楽しめて、子どもに読ませてあげたいハリー・ポッターシリーズ ハリー・ポッターと炎のゴブレット
著者 J・K・ローリング(J・K・ローリングさんの紹介〜ハリーポッターを生んだお母さん - 本当に本が読みたくなる読書のブログ)
訳者 松岡佑子
出版社 株式会社静山社
分類 海外文学、児童文学
出版日 2002/11/1
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
またまた書いてしまいました、ハリー・ポッターシリーズの第4弾です。
もちろん普通のハリー・ポッターシリーズの紹介ではなく、「大人も楽しめて、子どもに読ませてあげたい」ハリー・ポッターシリーズがテーマ。
前回ハリー・ポッターシリーズは『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』からが大人も楽しめると「大人も楽しめて、子どもに読ませてあげたいハリー・ポッターシリーズ ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ」でお伝えしました。
大人も楽しめる理由の1つは謎解きの要素が強くなっていくこと。
物語で起こる不可解な出来事の真相は…とミステリーの要素が強くなるんです。
もう1つの理由は魔法界の社会の仕組から、イギリス社会に触れることができることです。
そして物語に関わるに大人の登場人物が活躍し、大人の登場人物目線で物語を楽しむこともできますよ。
ハリー・ポッターシリーズは2つの読み方がある
ハリー・ポッターたち魔法学校の生徒目線のファンタジー
ハリー・ポッターシリーズの見どころは何と言っても魔法の世界で繰り広げられる物語。
3作目のの『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』では13歳のハリー・ポッターが向き合わなければならない過去の生い立ちの物語でした。
4作目の『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、ハリー・ポッターは14〜15才、ちょうど多感な中学校2年生。
子どもから大人へなるにつれて、好き嫌いの友情の他に自分の慢心と周囲の嫉妬、憧れ、複雑な人間同士の感情が入り乱れてくる時期でもあります。
1つ進んだ友情を築いていけるのか?
J・K・ローリングさんの、年齢に合わせた登場人物たちの成長は実際の学校生活をリアルに感じることもできますよ。
注目の登場人物
ハリー・ポッター
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』で自分の知らない生い立ちという大きな壁と向き合わなければならなかったハリー・ポッター。
今回の『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で向き合わなければならないのは、自分自身と学校生活。
14歳になったハリー・ポッターは、魔法学校が共同で開催する三大魔法学校対抗試合(トライ・ウィザード・トーナメント)に意思とは関係なく参加することになった。
親しみを持って接してくれていた同級生たちの目も嫉妬へと変わってゆく。
映画のダニエル・ラドクリフさんも少し大人びて、子どもから少年へ変わっていった作品でしたね。
セドリック・ディゴリー
ハッフルパフ寮の監督生セドリック・ディゴリーはハリー・ポッターより2歳年上のイケメンで成績優秀、クィディッチのキャプテンを務める女子生徒の憧れの的。
必ず学年に1人はいますよね、イケメン・成績優秀・スポーツ万能と非の打ち所がない学生。
そして3拍子揃った憧れの存在に当てはまるのが、人としての正直さ。
三大魔法学校対抗試合(トライ・ウィザード・トーナメント)では、ハリー・ポッターと2人で学校代表選手に選ばれたセドリック・ディゴリーの活躍、そしてハリー・ポッターとの信頼に注目ですよ。
マッド-アイ・ムーディ
今回からホグワーツ魔法魔術学校の『闇の魔術に対する防衛術』を担当する新しい先生が、マッド-アイ・ムーディことアラスター・ムーディ。
義足に義眼というハリー・ポッターシリーズには似つかわしくないハードボイルドなマッド-アイ・ムーディは元闇祓い。
闇祓いは魔法界の司法組織の仕事の1つで、犯罪者や反政府組織を捜査して凶悪な人物を逮捕する仕事。
凶悪犯との修羅場を生き抜いたマッド-アイ・ムーディの授業は実践第一。
そして、彼の抱える真実とは………
シリウス・ブラック
前作の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』から登場した、ハリー・ポッターの両親の親友で名付け親のシリウス・ブラック。
ポッター夫妻を裏切り、ピーター・ペティグリューを殺害した事件の真相は逆でした。
真犯人ピーター・ペティグリューが逃亡し未だ容疑の晴れない彼は逃亡生活を送りながら、ハリー・ポッターの名付け親としての役目を果たしてゆく。
幼い頃から親のいないハリー・ポッターにとって、名付け親は親代わりの存在。
映画での登場シーンはありませんが、ハリー・ポッターの心の中での大きな支えになっているはず。
屋敷しもべ妖精ドビー、ウィンキー
2人の登場人物ですが、登場場面も同じためまとめてみました。
屋敷しもべ妖精は魔法界の中で、非常に劣悪な環境で労働を強いられている魔法生物。
彼らは主人の家庭で家事労働を無償で行うことが本能でもあり、解雇され家庭から追い出されることに恐怖を抱くほど。
ドビーはかつてはマルフォイ家に勤務していた屋敷しもべ妖精で、第2作『ハリー・ポッターと秘密の部屋』でハリー・ポッターに味方したことで解雇された後はホグワーツ魔法魔術学校で働いていました。
そんなドビーとともに働くこととなったのが、同じ屋敷しもべ妖精ウィンキー。
元の主人の家庭を解雇され途方に迷っていたウィンキーもまた、ホグワーツ魔法魔術学校で働くことに。
明るいハリー・ポッターの世界での明らかな差別の歴史、実際の社会にも当てはまるところではありますよね。
ハリー・ポッターの世界観
魔法界の法廷
魔法界の司法組織に『魔法法執行部』と呼ばれる司法組織があることは第3作の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』から知られています。
『魔法法執行部』が現実の警察組織のように機能しており、マッド-アイ・ムーディの前職「闇祓い」は凶悪犯を捜査、摘発する刑事のような仕事です。
今回登場する組織は「魔法法律評議会
ウィゼンガモット法廷」、魔法界の裁判所。
裁判は一審制で、最高刑は死刑(吸魂鬼のキス)、吸魂鬼に魂を吸い取られ昏睡状態にする刑罰。
裁判官を魔法省の職員が勤めているところも、やや危うさがある組織でもあります。
許されざる呪文
前回ハリー・ポッターシリーズで使われている魔法や魔法の道具の中には、登録や許可が必要なものがあるお話をしました。
今回から登場する3つの呪文は、人に向けた使用そのものが規制されている許されざる呪文。
「闇の魔術に対する防衛術」教師マッド-アイ・ムーディ先生によると、「この呪文を人に向けて使っただけでアズカバンで終身刑を受ける」と言われています。
1つは、服従の呪文(インペリオ)。
相手に催眠をかけ自分の意のままに操る呪文。
この呪文の効果は、催眠をかけられた相手が服従の呪文にかかった自覚がないこと。
2つ目は、磔の呪い(クルーシオ)。
相手に拷問を与える呪文で、強さによっては重症の後遺症を残す恐ろしい呪文。
最後の3つ目は、死の呪い(アバダケダブラ)。
人を即死させる、防ぐ術のない恐ろしい呪文。
現代の私たちの世界では、人格を破壊するマインドコントロールが服従の呪文、体を破壊する傷害が磔の呪い、そして人の存在を消してしまう殺人が死の呪いに当たりますよね。
ヴォルデモート卿支持者『死喰い人』
そして、第4作のから明らかになるのが名前を言ってはいけないあの人ヴォルデモート卿の支持者『死喰い人』、デスイーターと呼ばれる集団。
ハリー・ポッター襲撃後にヴォルデモート卿がいなくなるまで、当時の魔法界で暗躍していた反政府組織の一団です。
黒装束に仮面で素顔を隠し、許されざる呪文を公然と使用し犯罪行為を繰り返していた者たちの多くは、今も魔法界で何事も無かったように暮らしているようです。
中心人物や犯罪行為が明らかな『死喰い人』は、魔法界の刑務所アズカバンに服役していますが、言葉巧みに罪を免れた人物が多いことが明らかになります。
人気のスポーツクィディッチ
ハリー・ポッターも活躍する魔法使いの人気スポーツクィディッチ。
物語の冒頭ではワールドカップも開催されるほどの人気です。
クィディッチは箒に乗り空中で行われる7人制のスポーツ。
ポジションはキーパー1人、シーカー1人、チェイサー3人、ビーター2人と役割が決められています。
空中を飛び回りクアッフルと呼ばれるボールを相手ゴールに入れることで、10点ずつの得点を競います。
このクアッフルをゴールに入れる役目が3人のチェイサー。
箒の操縦が上手く、素早く飛べる選手が選ばれます。
クィディッチの選手は敵選手の他に、ブラッジャーと呼ばれる選手目掛けて飛んでくるボールを避けながら飛ばなければなりません。
そこで、このブラッジャーを棍棒で打ち返し味方を守る役目が2人のビーター。
ビーターはとにかくマッチョで勝気な性格の選手が選ばれるようです。
そして10点ずつの得点を競い合う他にもルールがあります。
それはスニッチと呼ばれる金色の素早いボールを取り、一気に150点を取ること。
スニッチを取った時点で試合は終了。
そのため、いかにスニッチを取れるシーカーがいるかが勝敗のカギを握ります。
シーカーに選ばれるには、箒の扱いがチームで最も上手い選手。
もちろん、ハリー・ポッターはグリフィンドール寮のシーカー、エースですね。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で注目するキーワードは「真実」「信頼」
4作目の『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』のキーワードは「真実」と「信頼」。
最も見せ場の舞台でもある、三大魔法学校対抗試合(トライ・ウィザード・トーナメント)。
本来参加できないはずのハリー・ポッター自身も、意図しない参加を強いられます。
そして、度々登場する死喰い人の暗躍。
隠された謎の真実は………。
そして、自惚れと嫉妬、自信と妬み、子どもから大人への移り変わりに起きる友情の亀裂。
本当に頼れる人間は誰なのか………信頼すべきは、何なのか?
どちらも、時に残酷なもの。
知らなければ、良かったかもしれないもの。
それでも逃れるだけでは、何も変わらない。
目を背けるだけでは、見えないまま………。
謎解きを楽しむのも、ハリー・ポッターシリーズの楽しみ。
紹介はここまでにしておきましょう。
ハリー・ポッターシリーズ前半4部作のまとめはこちら↓
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