シリウスの冤罪をはらせた可能性
J.K.ローリングさんの「ハリーポッターシリーズ」の中でも、人気の高い登場人物シリウス・ブラック。
映画でシリウス役を演じられた、ゲイリー・オールドマンさんの名演技も加わり根強い人気が続いています。
原作のファンの方、映画ファンの方どちらもご存知のように、シリウス・ブラックは友人の裏切りで12年間を刑務所で過ごすことになります。
ハリーポッターシリーズの原作を元に、いくつか解説記事を更新する私は、「シリウス・ブラックの冤罪事件」を防ぐことができた可能性に気がついたので、更新させていただきますね。
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シリウス・ブラックの冤罪事件
シリウス・ブラックの冤罪事件は、ヴォルデモート卿が失脚するポッター一家襲撃事件前に、秘密の守人シリウス・ブラックが裏切り、追跡したピーター・ペティグリューと大勢のマグルを殺害したとされる魔法界の冤罪事件です。
シリウス・ブラックとは?
シリウス・ブラックは、『ハリーポッターとアズカバンの囚人』からの登場人物でハリー・ポッターの父ジェームズの親友でハリーの名付け親です。
ホグワーツ魔法魔術学校の学生時代は、ジェームズと並んで成績優秀なイケメンでジェームズ、リーマス・ルーピン、ピーター・ペティグリューと過ごしていました。
成績優秀なシリウスですが、度々規則違反を犯したり、当時は公に流行していた闇の魔術に関わる生徒に過激な嫌がらせをするなど素行は良くなかったようです。
ある出来事がきっかけで、魔法使いの刑務所アズカバンに12年間収監され、ハリーを危機から救い、親友の仇討ちのために脱獄を決意します。
ハリーやダンブルドアの疑いが晴れた後は、ロンドンの自宅で不死鳥の騎士団の活動に復帰し、魔法省での戦いで命を落とすことになります。
肉親を失ったハリーにとって確かな保護者でもあり、思春期の複雑な感情を受け止めてくれる年の離れた兄のような頼れる存在でした。
シリウス・ブラックが冤罪で捕まった理由
シリウスが魔法使いの刑務所アズカバンに収監された理由、それは無実の冤罪です。
ハリーが生まれた当時、ヴォルデモート卿を滅ぼす「予言」とされ死喰い人に狙われていたポッター一家は、忠誠の術を使いゴドリックの谷を死喰い人から守る作戦をとります。
ですが、秘密の守人のピーター・ペティグリューが裏切ったことで作戦は裏目になり、ポッター一家はヴォルデモート卿の襲撃を受けることに……。
裏切りを知ったシリウスによって追い詰められたピーターは、市街地を爆破する暴挙に出ます。
爆発現場で生き残ったシリウスは、魔法省に現行犯逮捕され、マグルに被害を出した凶悪な死喰い人として裁判なしに終身刑を言い渡され、無実の冤罪でアズカバンに収監されてしまいます。
ポッター一家の秘密の守人を知っていたのは4人
忠誠の術は、場所や人物の情報を秘密の守人の中に隠し、第三者が見つけられないようにする魔法です。
情報は秘密の守人が話したり書いたりして明かさない限り、服従の呪文や真実薬を使っても第三者が引き出すことはできません。
つまり、忠誠の術が破られたということは秘密の守人が自分の意思で情報を売り渡したことになります。
ポッター一家襲撃事件で「秘密の守人が誰か」を知っていたのは、4人に限られます。
忠誠の術の提案者はアルバス・ダンブルドア
忠誠の術を使うことを提案したのは、当事の不死鳥の騎士団を指揮していたアルバス・ダンブルドアです。
作中では、「秘密の守人が誰か」までは把握していないとされています。
シリウス・ブラック
シリウス自身は、ジェームズの親友で不死鳥の騎士団でも活発に活動していた自分が秘密の守人として追われることを想定していました。
そこで、自分を囮に目立たないピーター・ペティグリューを秘密の守人にすることで、死喰い人側の裏をかこうという作戦を立てます。
また、忠誠の術は秘密の守人が死んでしまった時には、それ以前に秘密を知っていた全員が自動的に秘密の守人になる特徴のある魔法です。
シリウスは、この特徴も逆手に取り「シリウス自身が死亡した場合」は秘密の守人が不在になり、「ピーターが死亡した場合」はシリウス自身に役割が戻る二重のトリックを仕掛けていました。
ウィーズリー兄弟が現れるまで、ジェームズと並んでホグワーツ1のイタズラの才能と言われるわけです。
ジェームズ、リリー夫妻
忠誠の術で守られるジェームズとリリー夫妻は、秘密の守人がシリウスではなくピーターであることをもちろん知っていました。
頼りない友人ではあっても、まさか裏切りるとは思ってもいなかったことでしょう。
ピーター・ペティグリュー
ピーター自身の心境はどうだったのでしょうか?
秘密の守人に選ばれ、ポッター一家をヴォルデモート卿に売り渡すことで得られる地位を狙っていたのでしょうか?
もしかすると違うかもしれません。
『ハリーポッターと炎のゴブレット』で復活したヴォルデモート卿は、ピーターの働きをこう表現しています。
「恐怖心ゆえにな」
もしかすると、気の弱いピーターは死喰い人に脅されて気持ちが持たず、自分が助かるためにポッター一家の情報を売り渡してしまったのかもしれません。
リーマス・ルーピンは知らなかった
ホグワーツ魔法魔術学校時代からの友人、リーマス・ルーピンは忠誠の術をどこまで把握していたのでしょう?
実は、知らなかった。
というのも、不死鳥の騎士団の中にスパイがいて情報が流れていることは明らかでした。
そのスパイは、ピーター・ペティグリューなのですが、当時のシリウスはルーピンがスパイなのでは?と疑っていました。
『ハリーポッターとアズカバンの囚人』で闇の魔術に対する防衛術の教師を受け持つほど優秀で、気さくなルーピンは幼い頃から狼人間という問題を抱えていました。
魔法界での狼人間の扱いは、まともに学校に通うことも就職することもできない立場です。
『ハリーポッターと謎のプリンス』でヴォルデモート卿の勢力が力を取り戻してから、狼人間の多くは闇の仕事を受け持つことになります。
魔法界の理不尽さに苦労していたルーピンが、死喰い人側に協力していると疑われるのも当時は的を得た判断だったのでしょう。
シリウスはピーターを追う前に仲間に知らせていたら……
前置きが長くなってしまいましたが、いよいよ本題です。
ポッター一家を裏切り、大量殺人の容疑で収監されたシリウス・ブラックですが、実は冤罪を免れることもできました。
秘密の守人の裏切り
まず、ポッター一家襲撃事件が起こったのは、秘密の守人ピーター・ペティグリューが裏切ったためです。
ピーターが裏切った事実を知っている生存者は、ピーター本人とシリウスだけです。
もしかすると、ルシウス・マルフォイやベラトリックス・レストレンジら死喰い人の幹部は知っていたかもしれません。
ポッター一家襲撃事件
ポッター一家襲撃事件でジェームズとリリー夫妻が亡くなり、襲撃したヴォルデモート卿自身も一時行方不明になっています。
現場に生き残っていたのは、ハリー・ポッターただ1人。
襲撃事件直後、原作ではゴトリックの谷をハグリッド、シリウス、ダンブルドアが入れ違いに到着しています。
最初にゴトリックのを訪れたのはハグリッドで、ポッター家から保護したハリーを抱えでてきたところで、シリウスが現れます。
シリウスは乗ってきた空飛ぶバイクをハグリッドへ預け、たった1人でピーターの追跡に駆け出します。
その後、ダンブルドアが駆けつけ惨状を目の当たりにし、ハグリッドはシリウスが訪れ立ち去ったことを報告したことでしょう。
その後、ピーターを追い詰めたシリウスは市街地を爆破し姿を消したピーターの代わりに、現行犯で逮捕されることになります。
不死鳥の騎士団の証言が得られる
①ポッター一家の秘密の守人はピーター・ペティグリュー
②ピーターは現在逃走中
この事実を知らせていただけで、史実通りピーターが市街地を爆破し姿を消したとしても、死喰い人が1人逃走しているという結果に変わります。
理由は「ダンブルドアの証言」、「筋書きの通る理由」の2つです。
シリウス・ブラックの冤罪事件は防ぐことができた
シリウス・ブラックの冤罪事件は、友人のピーター・ペティグリューの裏切りで、秘密の守人の二重トリックが崩れポッター一家襲撃事件が起こったばかりか、真犯人の代わりに12年間を無実の罪で投獄されてしまう痛ましい出来事でした。
ピーターの裏切りは、予想することは難しいでしょう。
この出来事から学べる教訓は、予想外のトラブルが起きた際には物事の事実だけでも関係者に伝えておくことでしょうか。
シリウスはピーター追跡に出かけるほんの僅かな時間に、ポッター一家襲撃事件の事実だけでもダンブルドアに伝えておくことで、冤罪を免れることができたのかもしれません。
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