純文学の新人文学賞は中編小説を公募
中編小説を募集している新人文学賞を調べていると、特に知名度の高い6つの文学賞が見つかりました。
大手の出版社が主催する文藝賞、すばる文学賞、新潮新人賞、文學界新人賞、群像新人文学賞と太宰治賞の6つは、純文学が身近ではない方にとっても1度は聞いたことがあるかなと思います。
今回は、それぞれの新人文学賞の募集内容をまとめてみましたよ。
純文学の五大文芸誌とは?
純文学というと、芥川賞が最初に思い浮かびますよね。
その芥川賞の候補作品は、どのようにして選ばれているのでしょう?
芥川賞は、新人作家さんの賞という位置づけもあり、候補作品のほとんどは文芸誌に掲載された作品です。
中でも、大手の出版社が販売している五大文芸誌は、歴史的にも発行部数も日本国内の文芸誌の中心にあたり純文学の五大文芸誌と呼ばれています。
純文学の五大文芸誌は、河出書房新社の「文藝」、集英社の「すばる」、新潮社の「新潮」、文藝春秋の「文學界」、講談社の「群像」の5つの文芸誌。
五大文芸誌は、新しい作家さんを発掘するために新人文学賞で候補作品を募集しています。
五大文芸誌+1の新人文学賞
純文学の新人文学賞には、五大文芸誌の出版社が主催する5つの文学賞、文藝賞、すばる文学賞、新潮新人賞、文學界新人賞、群像新人文学賞、筑摩書房が主催する太宰治賞の6つがあります。
新人文学賞では、原稿用紙換算で50~400までの中編小説を募集しています。
それぞれ、募集する原稿規定と公式サイトをまとめてみました。
文藝賞
対象:未発表の小説(ジャンルは問わず)
主催: 河出書房新社
選考:角田光代、島本理生、穂村弘、町田康
締切:2022年3月31日
発表:2022年10月 文藝冬期号誌上
原稿規定:400字詰め原稿用紙換算100枚~400枚
賞金:正賞 万年筆、副賞 賞金50万円
書籍化:あり、雑誌掲載の原稿料は賞金に含む
公式サイト:文藝賞|河出書房新社
すばる文学賞
対象:未発表の小説(ジャンルは問わず)
主催: 株式会社集英社 すばる編集部
選考:奥泉光、金原ひとみ、川上未映子、岸本佐知子、堀江敏幸
締切:2022年3月31日
発表:2022年11月 すばる誌上
原稿規定:400字詰め原稿用紙換算100枚~300枚
賞金:正賞 記念品、副賞100万円
書籍化:あり
公式サイト: 集英社 ― SHUEISHA ―
新潮新人賞
対象:未発表の小説(ジャンルは問わず)
主催: 株式会社新潮社
選考:大澤信亮、小山田浩子、鴻巣友季子、田中慎弥、又吉直樹
締切:2022年3月31日
発表:2022年11月 新潮誌上
原稿規定:400字詰め原稿用紙換算250枚以内、短編も可
賞金:正賞 特製記念ブロンズ楯、副賞50万円
書籍化:あり
公式サイト:新潮新人賞 | 新潮社
文學界新人賞
対象:未発表の小説(ジャンルは問わず)
主催: 株式会社文藝春秋
選考:青山七恵、東浩紀、金原ひとみ、長嶋有、中村文則、村田沙耶香
締切:2021年9月30日
発表:2022年5月 文學界誌上
原稿規定:400字詰め原稿用紙換算70枚~150枚
賞金:正賞 万年筆、副賞50万円
書籍化:可能性あり
公式サイト:文學界新人賞 作品募集
芥川賞の登竜門
文藝賞、すばる文学賞、新潮新人賞、文學界新人賞、群像新人文学賞、太宰治賞では主催も選考委員も異なりますが、とても深い関係があります。
芥川賞の候補作品は、「各新聞・雑誌・同人雑誌」に発表された作品を対象にしています。
最終選考の作品が掲載される雑誌に多いのは、河出書房新社の「文藝」、集英社の「すばる」、新潮社の「新潮」、文藝春秋の「文學界」、講談社の「群像」の5つの文芸誌。
つまり、五大文芸誌に掲載されることは、芥川賞の候補作品に選ばれやすいことになります。
そして、五大文芸誌に掲載されるためには、新人文学賞で入賞することがわかりやすい条件です。
芥川賞を目指し、小説家で人気作品を出版したい新人作家さんの登竜門となっているわけなんです。
純文学の新人文学賞のまとめ
純文学の新人文学賞には、文藝賞、すばる文学賞、新潮新人賞、文學界新人賞、群像新人文学賞、太宰治賞の6つがあります。
太宰治賞をのぞく5つは、歴史的にも発行部数も日本国内の文芸誌の中心になる純文学の五大文芸誌を出版しており、新人作家さんの発掘のために新人文学賞で中編小説を募集しています。
純文学作品を書かれている新人作家さんが目指す芥川賞は、「文藝」、「すばる」、「新潮」、「文學界」、「群像」の5つの文芸誌に掲載された作品が候補作品に選ばれやすく、新人作家さんの登竜門と呼ばれています。