本当に本が読みたくなる読書のブログ

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本屋大賞2021ノミネート作品を「売りたさ」でランキング

本屋大賞2021予想〜「売りたさ」のランキング

読書コラム


本屋大賞2021の発表は1カ月後の4月14日。

全国の書店員さんによる投票で選ばれる、「最も売りたい」本はどの作品になるのでしょう。

本当に本が読みたくなる読書のブログでも、本屋大賞予想3つの視点の1つ「売りたさ」で本屋大賞2021ノミネート作品をランキングさせていただきました。

本屋大賞予想3つの視点〜「売りたさ」


昨年の本屋大賞予想から始めた「本屋大賞の3つの視点」〜「面白さ」「売りたさ」「おすすめ」を目安に予想を進めていきます。

第2回目は、「売りたさ」の視点です。

本屋さん目線の「売りたさ」を決めるのは、多くの人に読んでもらいたい「読者層の広さ」だと思います。

作品の読者層は、登場人物の年代でおおよその対象年齢を目安にしてみました。

年代はシンプルに10代・20代、年代が違う登場人物が加わる度に☆をつけさせていただきます。

また、最近の世の中に合わせて登場人物の性別か国内かが限られていない作品には☆を1つ増えるようにしてみましたよ。



2021年本屋大賞候補作品の「売りたさ」、読者層の広さランキング


それでは、本屋大賞2021のノミネート作品の読者層の広さをランキングさせていただきますね。

『八月の銀の雪』伊与原新 ☆☆☆☆

第164回直木賞ノミネート作品

3つ以上の年代+海外☆☆☆+☆

就職活動に悩む大学生 堀川、海外出身で地質学を学ぶ留学生グエンの物語。

子育てに苦労するシングルマザーと博物館職員の物語。

会社を辞め自分探しの旅のサラリーマンが出会ったのは、戦争に参加した父親を持つ気象学の専門家。

3つ以上の年代の登場人物に海外出身の留学生が加わる『八月の銀の雪』は、多くの年代に楽しまれる広い読者層を持つ作品のはずです。


『犬がいた季節』伊吹有喜 ☆☆☆

同年代+犬☆★★+☆☆

とある高校に迷い込んでから、12年間学生さんと過ごした犬の物語『犬がいた季節』。

登場人物は、高校を舞台にした青春小説らしく10代の高校生たちです。

ただ、他の作品と大きく異なるのは、主人公の犬コーシロー目線で進む物語ということ。

登場人物の属性が限られていない作品には、☆1つを増やさせていただいておりますが、登場人物が他の生き物なので☆2つを付け加えさせていただきました。


『お探し物は図書室まで』青山美智子 ☆☆☆

3つ以上の年代☆☆☆

世の中の暮らしに疲れた人が立ち寄る図書館。

悩みごとを抱える人に差し出される1冊の本。

20代から50代くらいまで、年代の広い登場人物が描かれた『お探し物は図書室まで』には、☆3つを付けさせていただきました。


『逆ソクラテス伊坂幸太郎 ☆☆☆

3つ以上の年代☆☆☆

小学校で巻き起こる、身近な「解決しづらい問題」を紐解く日常ミステリの『逆ソクラテス』。

小学生と先生たち大人が向き合う日常の謎には、世代を超えた「価値観の確認」があるのかなと思います。

3つ以上の年代が登場人物なので、☆3つを付けさせていただきますね。


『この本を盗む者は』深緑野分 ☆☆

「キノベス!2021」第3位

2つの年代☆☆★

管理していた書庫から、家族の大切にしていた本が盗まれてしまう。

盗まれた本の呪いで、現実と物語の世界が入れ替わったことに気がついた管理人の女子高校生 深冬は、泥棒を見つけ世界を元に戻すことができるのか………。

2つの年代の登場人物の活躍に☆2つを付けさせていただきますね。




『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ ☆☆

2つの年代☆☆★

虐待を受けた人同士の出会いを描いた『52ヘルツのクジラたち』。

お互いにしか「聞こえない声」で結び付く絆。

年代の違う2人を描いた物語に☆2つをつけさせていただきましたよ。


『自転しながら公転する』山本文緒 ☆☆

2つの年代☆☆★

病気になった母親の介護のため、東京都内から地方へ移住した30代の 都。

都会とは違う職場環境、家族の介護と自分の恋愛。

地球が自転するように自分自身の気持ちが動いて、公転するように世の中で動いている。

働く世代の等身大の主人公を描いた作品には、30代の働く世代と50代の親世代の2つの年代が物語の中心です。

☆2つを付けさせていただきましたよ。


『滅びの前のシャングリラ』凪良ゆう ☆☆

2020年本屋大賞受賞作家

2つの年代☆☆★

小惑星の衝突で1カ月後に滅んでしまう地球。

全ての人が平等に滅ぶ中、滅ぶまでの生き方は平等ではなかったのかもしれない。

4人の登場人物の最後を描いた物語に☆2つを付けさせていただきましたよ。


『推し、燃ゆ』宇佐見りん ☆

第164回芥川賞受賞作品

同年代☆★★

アイドル上野真幸に惹かれ、彼が不祥事で芸能界で追い込まれた後も命がけで「推し」を応援する主人公あかり。

芥川賞受賞で話題を集める、令和らしい物語ですが、登場人物は限られています。

残念ですが、☆1つを付けさせていただきました。


『オルタネート』加藤シゲアキ

第164回直木賞ノミネート作品
第42回吉川英治文学新人賞ノミネート作品

同年代☆★★

先日、吉川英治文学新人賞を受賞し、世の中の読書の話題を一手に集めた作品が加藤シゲアキさんの『オルタネート』。

特に10〜20代からの支持を集めています。

青春小説というジャンルは、読者層という目線で比べてしまうと、少々不利なのかもしれません。

こちらも。☆1つを付けさせていただきましたよ。




広い読者層を持つ『八月の銀の雪』と『犬がいた季節』

登場人物の年代と属性のランキングでは、伊与原新さんの『八月の銀の雪』が3世代以上が関わり合い、海外出身の方も登場するほど登場人物が豊富です。

また、「人」の登場人物は学生と先生という2つの世代ですが、「犬」目線で描かれる伊吹有喜さんの『犬がいた季節』も読者さんの年代を選ばない作品ですよ。

本屋大賞の3つの視点」で本屋大賞2021ノミネート作品を比べさせていただいた結果、『八月の銀の雪』と『犬がいた季節』が☆4つを集め1位でした。

いよいよ、次回は第3回「お薦め」のランキングです。



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