本当に本が読みたくなる読書のブログ

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2023年本屋大賞ノミネート10作品「売りたさ」のランキング

2023年の本屋大賞、対象年齢の広さで「売りたさ」をランキング

読書コラム


本当に本が読みたくなる読書のブログでは、2023年本屋大賞予想をさせていただきます。

本屋大賞予想の3つの視点「面白さ」「売りたさ」「おすすめ」で本屋大賞ノミネート作品をランキングし、合計の配点から「本屋大賞予想ポイント」で予想に取り組ませていただきます。

第2回は、主人公と登場人物から作品の対象年齢の広さ順に「売りたさ」をランキングしてみましたよ。

本屋大賞予想に欠かせない3つの視点「売りたさ」とは?

本屋大賞予想の3つの視点


本屋大賞予想は、全国の書店員さんの目線で「売りたい」と思う本を選ぶことが大切です。

書店員さんが、「面白かった」「自分の店で売りたい」「お客様にも薦めたい」と思える価値観にいかに近づけるか……花水由宇(hanami yu)は考えました。

「売りたさ」は対象年齢の広さ

「面白さ」「売りたさ」「おすすめ」の中で、「売りたさ」は対象年齢の広さだと思います。

書籍には18歳以上の年齢制限がある本もありますが、小説に対象年齢は明記されていません。

ただ、本好きとして思うことは、ファンタジー小説ハリーポッターシリーズが高齢世代の方にヒットするかは疑問ですし、10代の読者層の方で派閥争いや権力争いの政治小説が好きな方は少数派ではないでしょうか?

小説が売れるためには、読者層の対象年齢が広い方が人気が出やすそう。

書店員さんが同じくらい魅力的な本を選ぶなら、対象年齢の広い本を「売りたい」と思うのではないでしょうか?


主人公と登場人物の構成で対象年齢の広さ「売りたさ」をランキング


対象年齢といっても、テーマやストーリー、舞台設定が絡まり合って、予想していない世代に人気が集まることもあるはずです。

そこで、今回は花水由宇(hanami yu)の個人的な意見が入らないように「主人公と登場人物の構成」に注目してみることにしました。

2023年本屋大賞予想では、主人公と登場人物の構成を1世代(主人公の同年代)、主人公と親子ほど差のある2世代、主人公と祖父母や孫ほど差のある3世代に分けてみました。

さらに、主人公が国内出身の日本人なら、全く別の環境で生まれ育った登場人物は「+」で配点させていただきます。

・主人公の同年代 200
・2世代 800
・3世代 1600
・3世代+ 1800

+は日本人以外の登場人物にも当てはまり、動物、ロボット、宇宙人、AI、幽霊なども登場人物として配点に加えさせていただきますね。




2023年本屋大賞ノミネート作品の対象年齢の広さランキング


それでは、2023年本屋大賞ノミネート作品を対象年齢の広さでランキングさせていただきます。

同じ配点の作品は、「面白さ」の配点で順位をつけてみました。

1位『月の立つ林で』青山美智子

月の立つ林で
著者 青山美智子
出版社 株式会社ポプラ社
分類 大人の青春小説、ほっこり小説
出版日 2022/11/7
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
感想・レビュー 691
3世代 1600

3年連続で本屋大賞ノミネートの青山美智子さん、2023年本屋大賞ノミネート作品は『月の立つ林で』。

ふと、ため息をつきたくなる瞬間にポッドキャストから流れた、タケトリ・オキナの『ツキのない話』が紡ぐ5つの物語。

短編集ならではの5人の主人公と関連する登場人物の年齢は3世代。

10代の主人公と同世代の読者層から、50〜60代まで幅広く楽しめる小説ですよ。


2位『川のほとりに立つ者は』寺地はるな

川のほとりに立つ者は
著者 寺地はるな
出版社 株式会社双葉社
分類 大人の恋愛小説
出版日 2022/10/20
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
感想・レビュー 623
3世代 1600

大人になっても読みたい恋愛小説『川のほとりに立つ者は』は、主人公のカフェの女性店長・原田清瀬を中心に進む物語です。

恋人 松木圭太のトラブルを紐解く中で、次々と現れる登場人物の世代は10代から30代と60代。

主人公に近い20〜30代の読者層に、人気が集まるかと思いますが、登場人物の構成が3世代にまたがっているので、対象年齢の広さ「売りたさ」のランキングは2位にさせていただきました。


3位『汝、星のごとく』凪良ゆう

汝、星のごとく
著者 凪良ゆう
出版社 株式会社講談社
分類 恋愛小説
出版日 2022/8/4
読みやすさ ☆☆★読みやすい
感想・レビュー 1708
2世代 800

瀬戸内海の穏やかな島を舞台に、女子高校生の暁海と転校生の櫂の出会いと不器用な成長を描いた恋愛小説です。

主人公の成長する15年間も加えると、登場人物の構成は2世代になります。

本屋大賞の受賞歴のある凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』の「売りたさ」のランキングは3位、10代から40代までの読者層が対象年齢になるのかと思います。


4位『#真相をお話しします』結城真一郎

#真相をお話しします
著者 結城真一郎
出版社 株式会社新潮社
分類 ミステリー小説
出版日 2022/6/30
読みやすさ ☆☆★読みやすい
感想・レビュー 1417
2世代 800

伏線から二重三重に張られたトリックの謎を暴く『#真相をお話しします』は、ミステリー作家さんの間でも注目されている作品です。

5つの謎を解く短編集ならではの登場人物は10代、20代、30〜40代と世代の構成は2世代。

2023年本屋大賞にノミネートしてから、ファンを集めている作品の対象年齢は10〜40代と広く、「売りたさ」のランキングは4位とさせていただきます。


5位『爆弾』呉勝浩

爆弾
著者 呉勝浩
出版社 株式会社講談社
分類 ミステリー小説
出版日 2022/4/20
読みやすさ ☆☆★読みやすい
感想・レビュー 1365
2世代 800

第167回直木賞にノミネートされてからの人気も加わり、2023年本屋大賞ノミネート作品に選ばれた呉勝浩さんの『爆弾』。

取調室を舞台にした会話の応酬バトルは、登場人物の構成は2世代でした。

対象年齢は20〜40代、もしかすると呉勝浩さんのファンの読者層も加わり20〜50代が対象年齢なのかもしれません。

「売りたさ」のランキングは、5位にさせていただきました。


6位『宙ごはん』町田そのこ

宙ごはん
著者 町田そのこ
出版社 株式会社小学館
分類 エンタメ小説、ほっこり小説
出版日 2022/5/27
読みやすさ ☆☆★読みやすい
感想・レビュー 982
2世代 800

家事に不慣れでマイペースな母親 歌野と、娘の宙(そら)の偏った愛情の歪な親子関係を描いた『宙ごはん』。

登場人物は宙(そら)と親世代の歌野とシェフの恭弘、2世代の構成です。

宙(そら)と同じ10代以下の読者層には内容が複雑に思えますので、対象年齢の広さは親世代の20〜40代、「売りたさ」のランキングは6位でした。

町田そのこさんの2回目の本屋大賞受賞が期待される作品ですよね。


7位『ラブカは静かに弓を持つ』安壇美緒

ラブカは静かに弓を持つ (集英社文芸単行本)
著者 安壇美緒
出版社 株式会社集英社
分類 ミステリー小説、スパイ小説
出版日 2022/5/2
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
感想・レビュー 674
2世代 800

音楽とスパイというテーマが注目されている『ラブカは静かに弓を持つ』。

2018年にデビューされた安壇美緒さん話題作が、2023年本屋大賞にノミネートしました。

登場人物は調査機関で働く主人公 橘樹、潜入先の大手音楽教室のチェロ講師浅葉桜太郎と教室の生徒さんの10〜30代、40代のように描かれる名脇役と2世代。

読者層も10〜40代で、特に対象年齢の20〜30代の方は登場人物目線で楽しめるユニークな物語だと思います。

対象年齢の広さ「売りたさ」のランキングは7位とさせていただきました。


8位『方舟』夕木春央

方舟
著者 夕木春央
出版社 株式会社講談社
分類 ミステリー小説、サスペンス小説
出版日 2022/9/8
読みやすさ ☆☆★読みやすい
感想・レビュー 1829
主人公の同年代 200

2023年本屋大賞にノミネート前から映画化が期待される夕木春央さんの『方舟』は、災害で地下建築に閉じ込められ悪夢の出来事の当事者になった10人の物語。

登場人物は20代で構成されているので、対象年齢の読者層は10〜20代、2023年本屋大賞予想「売りたさ」のランキングは8位とさせていただきました。

ミステリー小説のファンの方は、世代を選ばず人気が出ている作品でもあります。



9位『君のクイズ』小川哲

君のクイズ
著者 小川哲
出版社 朝日新聞出版
分類 エンタメ小説、ミステリー小説
出版日 2022/10/7
読みやすさ ☆☆★読みやすい
感想・レビュー 915
主人公の同年代 200

賞金と日本一のクイズ王の座がかかった、生放送のTV番組『Q-1グランプリ』。

主人公 三島玲央と本庄絆の決勝戦は、あっけなく終わってしまった。

司会者が問題を読み上げる前に正解を答える、対戦相手の本庄絆。

破れた主人公 三島玲央は、クイズとは、何なのだろうか?自分が何故クイズに挑戦するようになったのか?

自問自答のクイズを続けることに……。

主人公目線で進む『君のクイズ』の登場人物は1世代、主人公の同年代が対象年齢と思い本屋大賞の3つの視点「売りたさ」のランキングは9位でした。


10位『光のとこにいてね』一穂ミチ

光のとこにいてね (文春e-book)
著者 一穂ミチ
出版社 文藝春秋
分類 青春小説
出版日 2022/11/7
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
感想・レビュー 657
主人公の同年代 200

育った環境の違いがあっても、巡り合う縁の力を感じずにはいられない物語『光のとこにいてね』。

第168回直木賞に予想させていただいた一穂ミチさんの作品が本屋大賞2023にもノミネート。

主人公 果遠と最愛の相手 結珠を中心に進むため、登場人物の構成は1世代です。

10〜20代の読者層が対象年齢のため、本屋大賞2023「売りたさ」のランキングは10位とさせていただきました。




「売りたさ」でランキングした2023年本屋大賞ノミネート作品のまとめ

本屋大賞2023「売りたさ」ランキング

本屋大賞予想の3つの視点「面白さ」「売りたさ」「おすすめ」。

2回目の予想は、「売りたさ」の視点で2023年本屋大賞ノミネート作品をランキングさせていただきました。

花水由宇(hanami yu)の個人的な意見が入らないように、「主人公と登場人物の構成」で読者層の対象年齢の広さをランキングさせていただきましたが……。

やっぱり、作品のストーリーが読者層に大きく影響する。

そう思えてならないのです。

来年2024年本屋大賞予想への宿題とさせていただき、今年はこのまま受賞予想を進めさせていただきますね。

次回は、「おすすめ」をTwitterアンケート結果でランキングですよ。

本好き、読書好きのみなさま、どうかお楽しみくださいね。




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