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四季があるのは「穏やか」を実感しやすい〜苦楽と四季のバランス

悟りと四季と苦と楽、人は四季があるから悟りやすい〜悟りと四季のバランス

前回は、仏教の6つのあり方「六道輪廻」と悟りの可能性のお話をまとめてみました。

今回は、さらに苦楽と四季のバランスに踏み込んでみますね。

苦と楽と四季


私たち人間はもちろん、生き物には「苦」と「楽」があるというのが仏教的な考え方の基本です。

お坊さん作家さんの解説を元に、苦を春夏秋冬の「四季」の気候に当てはめてみました。

苦=酷暑や寒波〜思い通りにならないこと

>>怒りを含めたイライラわモヤモヤなどの「苦」は、元を正せばすべて「(自分の)都合通りにならないこと」が原因です。苦の発生源は「都合」なのです。
名取芳彦『許せないを気にしない』p2~p3<<

」を「思い通りにならないこと」とするなら、四季の中では熱中症になる酷暑の熱波、低体温症になる真冬の寒波が当てはまるのではないでしょうか。

酷暑ほどではありませんが熱中症になってしまう猛暑と、暖房なしでは暮らせないマイナスの気温の北国で暮らしていると、季節が思い通りにならないことは実感できます。


楽=実りの秋〜思い通り以上に満たされたこと

」は「思い通り以上に満たされたこと」とされています。

豊作に恵まれた実りの秋が当てはまるのではないでしょうか。


悟り=初夏や初秋〜穏やかで落ち着いていること

悟り」の状態は、「苦」でも「楽」でもない「穏やか」で「落ち着いていること」といわれています。

お坊さん作家さんの本でも共通しているため、確かなことなのでしょう。

季節に当てはめると、天候の落ち着いた、ちょうど普段着で外出できる初夏や初秋がぴったりですね。




苦と楽があるから、穏やかなことの有り難みが実感できる


「悟りの可能性」が「穏やかなことの有り難み」なら、苦と楽のバランスがちょうど良くなければ、穏やかさに気がつくことが難しいのではないでしょうか?

季節が砂漠や北極だったら

もし、一年中暑い砂漠や常に凍っている北極で暮らしていたら、初夏や初秋がどのようなものかわからないはずです。

私なら、「もっと涼しくならないかな」「もっと暖かくならないかな」とだけ考えてしまいます。


苦ばかりなら楽を求める

思い通りにならない「苦」の環境ばかりだと、何でも思い通りになってほしい「楽」ばかり求めてしまうのではないでしょうか?


楽ばかりなら現状維持か、さらなる楽をを求める

反対に、一年中実りの秋ならどうでしょう?

豊かすぎる環境で暮らしていると、「今のままがいい」と現状維持を求めたり、「もっと作物が実るように」「もっと美味しい作物はないか?」と、こちらも「楽」ばかり求めてしまうのではないでしょうか?

「穏やか」で「落ち着いていること」とされている悟りの状態とは違う気がします。




人道以外は極端に安定している


「苦」と「楽」の両方を体験することが「悟り」に近づくポイントなら、6つの世界での生き方はどんな季節に当てはまるのでしょうか?

いつも実りの秋の天道

快楽で満たされている世界が天道です。

季節は、薄手の服装で暮らせる実りの秋なのでしょう。

いつも作物が実り、暖房や冷房は必要がない初夏や初秋、ゲリラ豪雨や猛暑、雪が降ることはないはずです。

天道は、「楽」の側に偏って安定している世界


酷暑か極寒しかない地獄道、餓鬼道、畜生道

過去の罪を償うため、厳しい刑罰を受ける地獄道

いつも満たされない、餓えの世界の餓鬼道。
苦しみを満たすために欲望だけを求めて、それでも満たされない畜生道


地獄道なら、酷暑の毎日で気温だけで命を失いそう。


餓鬼道は、砂漠や氷と雪に満たされた極地のような不毛の気候。


畜生道は、ゲリラ豪雨や台風で荒れ狂う災害のような気候。

どの世界も極寒や酷暑で、穏やかな初夏や初秋があるとは思いもつかないほど過酷な季節です。


雨季と乾季を繰り返す修羅道

戦いの世界とされる修羅道は、どんな季節なのでしょう。

修羅道は、元々は天道の一部で暮らしそのものは裕福なようです。

季節に例えるなら、実りの秋のような季節は僅かで雨季と乾季を繰り返すサバンナのような変化の激しい気候なのでしょう。


四季があってバランスの良い人間道


生きているということは苦そのものであり、その反面、苦があるからこそ、こうした仏道修行のできる機会が得られるということでもあります。
廣中邦充『どんな命も花と輝け』p30~p31

苦の世界のひとつでもある人間道は、どんな季節に思えますか?

四苦八苦の苦しみがあり、寿命も短い人間ですが、楽しみや幸せを感じることができ、穏やかで落ち着いた暮らしの有り難みが体験できるはず。

春に草花が芽生え、猛暑日で汗を流しながらも楽しみも多い夏、穏やかな天候と実りの秋、草花は枯れてしまっても次の春が待ち遠しい冬。

人間道は、春夏秋冬のある「苦」の中に「楽」を見つけやすい、そして穏やかな天候の有り難みに気がつくバランスの良い季節なのでしょう。


四季≒四苦八苦なのかも?

季節と仏教的な考え方の「苦」を照らし合わせてみると、ある数字に気が付きました。

「四季」と四苦八苦の「四苦」、同じ「四」が入っています。

何かを分類しやすい数字なのか、お釈迦さまの時代にも天候を六道輪廻の例えに考えてみたのかは定かではありません。




四季≒四苦八苦のある人間道は穏やかなことの大切さが実感できる


今回は、お坊さん作家さんの本とアウトドアで感じた季節から、仏教的な考え方と四季を照らし合せてみました。

お坊さん作家さんの本に共通点して書かれている四苦八苦の教えは、四季の移ろいがあることで穏やかな天候のありがたみがわかる「悟り」へと近づく、何かのヒントなのかもしれませんね。

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参考にした本と関連ページ

許せないを気にしない。名取芳彦
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えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ!名取芳彦
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どんな命も花と輝け 廣中邦充
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