推理小説・ミステリ小説とは?

推理小説・ミステリ小説とは?
今回の読書の豆知識は、推理小説・ミステリ小説の定義とストーリーに欠かせないミステリの3つの条件から、読者家 花水由宇(hanami yu)なりの答えを見つけてみましたよ。
推理小説・ミステリ小説とは?定義は?
推理小説(英:detective story,mystery story)は主として犯罪に関係する秘密が、論理的に解明されていく過程の興味に主眼をおいた小説と定義されています。
ミステリの3つの条件「謎」「伏線」「論理的解決」
推理小説とミステリ小説で扱われる「ミステリ」は、具体的にどんな条件があるのでしょう?
有名ミステリ作家の道尾秀介さんや伊坂幸太郎さんをデビュー当時から支える編集者 新井久幸さんは『書きたい人のためのミステリ入門』の中でミステリの3つの条件は「謎」「伏線」「論理的解決」にあることを解説されています。
謎
謎とは、ほとんどの場合、辞書の説明にある「犯行の動機や方法」「犯人」である。しかし、これらがあまりにも平凡だったり、あからさまに誰かを指し示すようではつまらない。
誰だろう?なぜだろう?どうやったんだろうという疑問を抱かせるから、読者は興味を持ってくれる。ミステリを牽引する最大の力は、これらの謎だから。
新井久幸『書きたい人のためのミステリ入門』p15
ミステリでなくてはならないのは、何といっても謎。
謎が起こるまで読み進めた段階では、疑問しかでてこないような見当もつかない驚きの謎がストーリーに引き込まれる大きな理由。
伏線
謎解きの手がかりとなる伏線がないと、ミステリにはならない。伏線がなければ、「推理」できないからだ。「伏線を張る」とは、解決の根拠や手がかりとなる事実・出来事を、事前に提示しておくことを指す。
中略)
印象的に手がかりを置き、解決の段になって、「ああ、そうだったのか。そういえば、ちゃんと書いてあった」と思わせてこその伏線である。
新井久幸『書きたい人のためのミステリ入門』p18~p20
伏線は、謎解きに欠かせない証拠や理由をさり気ない表現でストーリーの中に置いておく方法です。
伏線回収という言葉はミステリに限らず、漫画やアニメ、ドラマでも使われていて、謎解きの段階になって「そういえば!」と思い出すくらい自然に溶け込んでいる方が読者の気持ちを揺さぶってくれます。
本当に本が読みたくなる読書のブログで取り上げさせていただいた作家さんの中では、伊坂幸太郎さんの描くストーリーが伏線回収が見どころだと思いますよ。
伊坂幸太郎~伏線回収とストーリーのリンクが見せる伊坂ワールド - 本当に本が読みたくなる読書のブログ
論理的解決
いくら手がかりがきちんと示されていても、それらが有機的に組み合わさり、一連の推理を形成しなければ意味がない。探偵が犯人を特定しても、勘や曖昧な根拠では誰も納得してくれない。
論理、というと難しそうに聞こえるかもしれないが、要は、「○○だから、誰々だ」という理屈が通っているかどうかである。
新井久幸『書きたい人のためのミステリ入門』p21
証拠も揃わないうちに犯人が自白してしまったり、突然DNA鑑定で揺るがない証拠が出てしまっては推理小説としては成り立たないでしょう。
客観的な証拠を積み重ね、他に当てはまる人物をアリバイで外し、1つの道筋を立てた推理を突きつけ犯人を追い詰める。
ミステリの醍醐味ですよね。
状況証拠を積み重ねた推理を展開する作家さんは、日常ミステリの坂木司さんが1番に思い浮かびます。
坂木司〜日常ミステリーで広がる世界観 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ
謎・伏線回収・論理的解決のあるストーリーが推理小説・ミステリ小説
つまりミステリというのは、〈謎があって、解決するための伏線がきちんと張られていて、その手がかりを適切に論理的に組み立てれば、唯一無二の真相に辿り着く〉、というタイプの物語だと思ってもらえればいい。
p22
推理小説・ミステリ小説とは?
定義だけでは抽象的で、文学賞の募集要項では専門的過ぎた疑問の答えをまとめさせていただきます。
推理小説・ミステリ小説とは、謎・伏線回収・論理的解決のあるストーリーの小説とまとめさせていただきます。
参考にした本
『書きたい人のためのミステリ入門』新井久幸
www.yu-hanami.com
『読書の価値』森博嗣
www.yu-hanami.com
『読書する人だけがたどり着ける場所』齋藤孝
www.yu-hanami.com