本当に本が読みたくなる読書のブログ

読書好きのための本当に読みたい本が見つかる書評ブログです。小説、実用書、ビジネス書ジャンルを問わず紹介。読書にまつわる豆知識のお話、文章の書き方のお話もありますよ。

シリウス・ブラック冤罪事件で裁判が行われたら無罪は確定?【ネタバレ】

シリウス・ブラック冤罪事件の裁判


今回は、ハリーポッターシリーズの人気登場人物「シリウス・ブラックの冤罪事件は防ぐことができた」をテーマに考察記事を書かせていただきました。
それでは、史実通りシリウスが現行犯逮捕されたとして、事前にピーターの裏切りを不死鳥の騎士団に知らせていたとうい設定で、シリウス・ブラック冤罪事件の裁判を書かせていただきました。
裁判の時期は、ベラトリックス・レストレンジら死喰い人幹部のほとんどが摘発され、第一次魔法戦争終結したヴォルデモート卿失脚の4カ月後が大事件の裁判に適した時期ではないでしょうか?
それでは、拙い物語をお楽しみくださいね。

素適な読書ブログが集まるグループです↑


※本作品はJ・K・ローリング著作ハリー・ポッターシリーズの二次創作物に当たります。二次創作物に関する但し書きなどは末尾をご参照下さい。

12人マグル殺害と市街地爆破事件

シリウス・ブラック冤罪事件の法廷


ハリーポッターシリーズの刑事事件は、魔法省にある裁判所「ウィゼンガモット最高裁」で陪審制で行われている。

例のあの人の失脚後は、闇の勢力に従い己の野心や偏った価値観のために悲劇を引き起こした死喰い人を裁く場となっていた。

凶悪犯が魔法界の刑務所アズカバンでの懲役刑を宣告される一方で、「疑わしきは罰せず」の原則で犯行の裏付けが不十分な事件や、服従の呪文や錯乱の呪文で意思なく従わされていたと主張する者には無罪や不起訴の判決が下されることも珍しくはなかった。

犯行現場で現行犯逮捕されるという、決定的な現場を抑えられたシリウスの判決は……?

ウィゼンガモット最高裁

後に「シリウス・ブラック冤罪事件」と呼ばれる大量殺人事件は、「12人マグル殺害と市街地爆破事件」と呼ばれていた。
裁判長には、ウィゼンガモット最高裁の古株グリゼルダ・マーチバンクス、陪審員には魔法法執行部のアメリア・ボーンズ、ダンブルドアと同年代で顧問のエルファイアス・ドージら50人のメンバーが並ぶ。


検察側

検察側は、死喰い人のほとんどを有罪に持ち込む敏腕の魔法法執行部部長バーテミウス・クラウチ
マグルに危害が及ぶ事件に関わる魔法事故惨事部次官のコーネリウス・ファッジが、シリウスの有罪を立証しアズカバンへ送るため鋭い目線を向ける。


弁護側

被告シリウス・ブラックを弁護する席にも、そうそうな魔法使いが腰掛けていた。
ウィゼンガモット最高裁主席魔法戦士の肩書きを持ち、不死鳥の騎士団の指導者アルバス・ダンブルドア
死喰い人に恐れられた闇祓いアラスター・ムーディは、アズカバンの半分を自身が摘発した死喰い人で埋めたという。


冒頭陳述

魔法省側の冒頭陳述


バーテミウス・クラウチ「被告シリウス・ブラックによる(2)ピーター・ペティグリュー殺害事件、(3)12人のマグル殺害事件と市街地爆破事件について魔法法執行部部長バーテミウス・クラウチが訴状を読み上げる」

バーテミウス・クラウチ「被告は、1981年10月31日ポッター一家襲撃事件でポッター夫婦の秘密を例のあの人に密告、ピーター・ペティグリューに追い詰められ、闇の魔術を使用し12人のマグルを巻き添えに彼を殺害した。死喰い人の活動の中でも大胆、そして重大な事件である」

リゼルダ・マーチバンクス「被告は、バーテミウスによる訴状を事実とし、ピーター・ペティグリューと12人のマグル殺害を認めますか?」

弁護側の冒頭陳述

シリウス・ブラック「殺せたなら、殺してやりたかった。裏切り者のピーター、奴は逃げた、私は殺してはいない」

リゼルダ・マーチバンクス「つまり、殺そうとして失敗した。闇の魔術は代わりに無関係なマグルの命を奪ったと?」

シリウス・ブラック「私は……奴の方が早かった、魔法は間に合わなかった」

リゼルダ・マーチバンクス「そうですか、被告は無罪を主張するということですか?」

シリウス・ブラック「ああ」


証拠調手続


リゼルダ・マーチバンクス「本事件の有罪無罪は、加害者と被害者の命と名声に関わるだけのものではありません。魔法界の全ての善良な魔法使いに関わるものといえます。ここで、公正な証拠の検証を行うこととしましょう」

検察側〜市街地爆破現場の遺留品

コーネリウス・ファッジ「魔法事故惨事部が集めた現場の遺留品ですな、ピーター・ペティグリューの指先、マグルの警察が撮影した12人の遺体の写真、これを有罪の証拠として提出します」

リゼルダ・マーチバンクス「ピーターの遺体は、指先だけですか?体の他の一部や衣服はありますか?」

コーネリウス・ファッジ「いえ裁判長、ピーターの遺体で残ったのは指先だけでした」

バーテミウス・クラウチ「市街地爆破の直前、ピーターは“リリーとジェームズが。シリウス!よくもそんな事を!”と叫び杖を取り出した、これは付近のマグルの証言です。こちらも有罪の証拠として提出します」


弁護側〜直前呪文

アルバス・ダンブルドア「魔法法執行部の証言では、殺害事件に使われたのは闇の魔術とある。被告が有罪である確かな証拠が必要じゃ。こちらは、魔法省が押収したシリウスの杖の直前呪文を明らかにすることを求めたい」

エルファイアス・ドージ「陪審員からも、厳罰に処すべき明らかな証拠をこの場で求めたいのう」

アメリア・ボーンズ「それでは、公平をきすため被告の杖の直前呪文を証します……これは、盾の呪文」

アルバス・ダンブルドア「被告は、自身の杖で盾の呪文を使った。認めるかの?」

シリウス・ブラック「間に合っていれば、救えたものもあったのだが……」


弁護側〜イゴール・カルカロフの告発リスト

アルバス・ダンブルドア「さて、争点は被告が死喰い人の活動に加わっていたか否かにかかるわけだが、弁護側は被告人が死喰い人の活動に加わっていないことを主張したい」

リーマス・ルーピン「こちらは、先日起訴されたイゴール・カルカロフが告発した死喰い人のリストです。被告の名前はこの中にはありません」

アルバス・ダンブルドア「うむ、貴重な事実じゃ。情状証人として、君の友人は死喰い人として活動し、友を死に追いやる人物かの?」

リーマス・ルーピン「被告と私はホグワーツからの付き合いですが、闇の魔術と闇の勢力を憎んでいました。行き過ぎた正義、というのもあったことでしょうが死喰い人になることはありえません」


検察側〜ブラック一族の死喰い人

バーテミウス・クラウチ「死喰い人の中には、例のあの人しか知らない人物も含まれていることが摘発で明らかになっています。被告の出自ブラック家からは、多数の者が死喰い人の活動に加わっています。この者も、その1人です」

ベラトリックス・レストレンジ「……」

バーテミウス・クラウチ「証人は今回の事件に関する証言のため、アズカバンから呼び寄せた。証言が有益であった場合、証人自身の裁判にも影響するであろう」

ベラトリックス・レストレンジ「裁判だって、ははははは。とんだ茶番だね、いいかい?我らが闇の帝王はお隠れになっただけさ、もう一度空に印が上がってごらんよ、お前たちは広間に引き出され、震えながら両手を組み合わせて許しを乞うのさ!」

バーテミウス・クラウチ「証人は死喰い人として、例のあの人に近い立場にいた。間違いなか?」

ベラトリックス・レストレンジ「そうさ、で?早くしておくれ」

バーテミウス・クラウチ「ブラック家のレギュラス・ブラックは、死喰い人の活動に加わっていたことを知っているか?」

ベラトリックス・レストレンジ「さあね、知っていても話すもんか」

バーテミウス・クラウチ「では、レギュラス・ブラックの兄のシリウス・ブラックが死喰い人に加わっていたことは?」

ベラトリックス・レストレンジ「ふん、ブラック一族の落ちこぼれ、出来損ないの家出息子。あんたがやったんだってねー、ようやく血に報いることが出来たってわけだ」

シリウス・ブラック「俺が例のあの人に?そうだな、生きてたらこの手で始末して便所の下にでも埋めてやろうか?」

ベラトリックス・レストレンジ「何だって?もう一度言ってみな!杖があったら舌を引き抜いてやるよ!」

リゼルダ・マーチバンクス「静粛に、被告は裁判に関する発言だけをするように。証人も同じです」

バーテミウス・クラウチ「証人、もう一度聞く。レギュラス・ブラックの兄のシリウス・ブラックは、死喰い人に加わっていたか?」

ベラトリックス・レストレンジ「こっちから願い下げだね。もう帰しておくれ」

バーテミウス・クラウチ「証人自身の裁判に影響するとしてもか?」

ベラトリックス・レストレンジ「早く!」

バーテミウス・クラウチ「これ以上は証言を望めない。裁判長、証人尋問を終わります」


弁護側〜セブルス・スネイプの証言

アルバス・ダンブルドア「先ほど証人は、発言そのものができなかったようじゃの。こちらの証人尋問をはじめさせていただこうか。証人、こちらへ」

セブルス・スネイプ「おやおやブラック、何やら難しいことを思いつき、無二の友を死なせたというのは本当らしい。まことに痛み入る」

シリウス・ブラック「スネイプ……ダンブルドア、この者の証言で助かりたくはない」

アルバス・ダンブルドア「それでは困るから呼んだのじゃ、大人になってくれんかの。証人に質問する。証人は死喰い人の活動に加わったことがあるのは間違いないかな?」

セブルス・スネイプ「いかにも」

アルバス・ダンブルドア「その集まりの中に、被告シリウス・ブラックは参加していたか?」

セブルス・スネイプ「畏れ多くも、私めのような若輩者が闇の帝王の下僕の全てを知ることはなかったと、弁護人もご存知のはず」

アルバス・ダンブルドア「答えになっておらんの、シリウス・ブラックは死喰い人の活動に加わっていたことを知っているかね?」

セブルス・スネイプ「私めの知る限りでは、見たことも聞いたこともありませんな。このような下品で粗暴、敬いという言葉とは程遠い者を闇の帝王が召し抱えるとは到底思えませんな」

アルバス・ダンブルドア「証人の知る限り、シリウス・ブラックは死喰い人の活動に加わっていなかったということじゃな?」

セブルス・スネイプ「左様」

アルバス・ダンブルドア「弁護側は、先ほどのイゴール・カルカロフの証言リストと合わせて証拠として提出しよう」


弁護側〜事件前の行動

アルバス・ダンブルドア「さて、こちらの証拠提出も最後にしよう。ポッター夫婦が殺害された後、このルビウス・ハグリッドが駆けつけておる。その時、訪れたシリウス・ブラックは何と言っていたかな?」

ルビウス・ハグリッド「シリウスは驚れーていました。そんで、ハリーを預からせてくれと、自分が名付け親だから育てると。いや、俺はダンブルドアの命令だからいかんと、そしたら空飛ぶバイクを使えって言ったんでさ」

アルバス・ダンブルドア「被告は、確かにそう言ったのかな?」

シリウス・ブラック「ああ、そう言った」

アルバス・ダンブルドア「証人にもう1つ質問しよう、彼はその後何と伝言を残したのかな?」

ルビウス・ハグリッド「はい先生。秘密の守人に交代したピーターが裏切って、例のあの人に情報を漏らした。秘密の守人が自分に戻ってきてねーんで、奴は生きて今も逃げているから捕まえなきゃなんねーって、俺はそうかって大事な話だから先生に伝えたんです、間違いねー」

アルバス・ダンブルドア「確かに、わしもハグリッドから聞いた。被告は、事が起こる1週間前に秘密の守人を交代した。そして悲劇が起こり、情報を漏らした人物を捕らえるために急ぎ出発した。間違いないの?」

シリウス・ブラック「大人しく捕まるなら、死んだ2人の前に引きずり出して謝らせる。抵抗するなら……」

アルバス・ダンブルドア「よいよ、人の行いはわからんもんじゃ。以上で弁護側の証人尋問を終わろう」


最終弁論

魔法省側の証拠のまとめ


バーテミウス・クラウチ「被告はポッター一家襲撃事件を発端に、闇の魔術を使用し12人のマグルを巻き添えにピーター・ペティグリューを殺害した。犯行現場での発言、目撃情報から被告の犯行は明らかである。よって、我々は被告シリウス・ブラックに終身刑を求刑する」

弁護側の証拠のまとめ


アルバス・ダンブルドア「被告が実行犯ではないことは、直前呪文の検証で明らかとなった。告発リストと証人の証言から、被告が死喰い人の活動に加わっていたとも言い難い。そして、魔法省の主張する証拠では有罪を問うことは難しいじゃろう。弁護側は、被告シリウス・ブラックの無罪を求めたい」


結審

シリウスの無罪判決


リゼルダ・マーチバンクス「それでは評決を問う。被告が有罪と判断する陪審員の方……、それでは無罪と判断する陪審員の方……」

リゼルダ・マーチバンクス「本事件は、卑劣な背信行為を背景に、無関係なマグルを含め多数の死傷者を出し、善良な魔法族の存続を揺るがす重大事件です。実行犯の責任は重く、厳しい刑をもって望むほかありません。被告シリウス・ブラックの犯行を裏付ける証拠は乏しく、弁護側の物証と証言から被告が犯行に及んだ可能性は低いといえます。本法定は、被告シリウス・ブラックを無罪とします」


二次創作について


本記事は、ハリー・ポッターシリーズを原作として「もしも」をテーマにした二次創作物です。

ハリー・ポッターの著者J・K・ローリングさん、並びに原作出版社は二次創作に対し寛容とのお考えを知り、本ブログの読者さまのご期待に沿えるため作成させていただきました。

記事本文へのWeb広告の表示、原作のアフィリエイトサイトのリンクを控えさせていただくことで商標利用をしていない意志を示させていただきます。

商標利用に関する参照サイト↓
Home - J.K. Rowling

https://www.news-postseven.com/archives/20131109_226389.html?PAGE=1#container


ハリーポッター関連ページ


J・K・ローリングさんのハリーポッターシリーズ原作紹介、ハリーポッターファンの読書家花水由宇(hanami yu)の考察ページです。
考察ページは、【ネタバレ】にご注意くださいね。

にほんブログ村 本ブログへ