本当に本が読みたくなる読書のブログ

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2024年本屋大賞ノミネート作品 登場人物の構成で対象年齢をランキング

2024年の本屋大賞、対象年齢の広さで「売りたさ」をランキング

読書コラム


本当に本が読みたくなる読書のブログでは、2024年本屋大賞予想をさせていただきます。

昨年に続き、まずは本屋大賞予想の3つの視点「面白さ」「売りたさ」「おすすめ」で本屋大賞ノミネート作品をランキングします。
合計の得点を「本屋大賞予想ポイント」とさせていただき、さらに「花水由宇の推し」のポイントを加えて予想に取り組ませていただきますね。
第2回は、主人公と登場人物から作品の対象年齢の広さ順に「売りたさ」をランキングしてみましたよ。

本屋大賞予想に欠かせない3つの視点「売りたさ」とは?

本屋大賞予想の3つの視点


本屋大賞予想は、全国の書店員さんの目線で「売りたい」と思う本を選ぶことが大切です。
書店員さんが、「売りたい」と思える魅力はどこにあるのでしょう……花水由宇(hanami yu)は考えました。

「売りたさ」は対象年齢の広さ

「面白さ」「売りたさ」「おすすめ」の中で、「売りたさ」は対象年齢の広さだと思います。
小説が売れるためには、読者層の対象年齢が広く、親と子の2世代、さらには祖父母と孫の3世代の方が同じように楽しみを持って手に取れる作品。
対象年齢の広い本は、書店員さんが多くの方に「売りたい」と思うのではないでしょうか?


主人公と登場人物の構成で対象年齢の広さ「売りたさ」をランキング


対象年齢といっても、テーマやストーリー、舞台設定が絡まり合って、予想していない世代に人気が集まることもあります。
そこで、今回は花水由宇(hanami yu)の個人的な意見が入らないように「主人公と登場人物の構成」だけ注目してみることにしました。
昨年に続き2024年本屋大賞予想では、主人公と登場人物の構成を1世代(主人公の同年代)、主人公と親子ほど差のある2世代、主人公と祖父母や孫ほど差のある3世代に分けてみました。
さらに、主人公が国内出身の方なら、全く別の環境で生まれ育った登場人物は「+」で配点させていただきます。

・主人公の同年代 200
・2世代 800
・3世代 1600
・3世代+ 1800

+には日本人以外の登場人物にも当てはまり、動物、AI、ロボット、宇宙人、妖怪や幽霊なども登場人物として配点に加えさせていただきますね。




2024年本屋大賞ノミネート作品の対象年齢の広さランキング


それでは、2024年本屋大賞ノミネート作品を対象年齢の広さでランキングさせていただきます。
同じ配点の作品は、「面白さ」の配点で順位をつけてみます。

1位 『リカバリー・カバヒコ』青山美智子

リカバリー・カバヒコ
著者 青山美智子
出版社 株式会社 光文社
分類 小説
出版日 2023/9/21
読書メーターレビュー数 1004
読者層 3世代+(+1800)

新築マンションの一角に昔からある公園、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復する遊具リカバリー・カバヒコを訪れる人々の物語。
学校生活行事に悩む小学生、地域に馴染めない転校してきた高校生、育児とママ友関係に悩むお母さんから初老の男性まで、幅広い年代の登場人物の誰かは私たちの中の誰か……。
登場人物の年代は、孫世代から祖父母世代までの3世代に遊具のカバヒコを加えて3世代+、2024年本屋大賞ノミネート作品の中では1位の読者層にさせていただきました。


2位 『スピノザの診察室』夏川草介

スピノザの診察室
著者 夏川草介
出版社 株式会社 水鈴社
分類 小説
出版日 2023/10/27
読書メーターレビュー数 486
読者層 3世代(+1600)

神様のカルテ』が人気の現役医師 夏川草介さんが、生と死、この世を去る者と残る者の幸せを問う終末期医療をテーマにした『スピノザの診察室』。
終末期医療の対象になる高齢者世代の方だけではなく、小学生の登場人物もいるため、3世代の登場人物に近い目線で物語に触れることができるはず。
読者層は1位に続いて広いはずですので、対象年齢の広さ「売りたさ」のランキングでは2位とさせていただきました。


3位 『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈

成瀬は天下を取りにいく 「成瀬」シリーズ
著者 宮島未奈
出版社 株式会社 新潮社
分類 青春小説
出版日 2023/3/17
読書メーターレビュー数 2582
読者層 2世代(+800)

宮島未奈さんの『成瀬は天下を取りにいく』は、破天荒な主人公の成瀬あかりと相方の島崎の同世代に爆発的な人気を集めるシリーズです。
読者層は10代から20代が多いようですが、学校の先生や親世代の登場人物も描かれているので、2世代の読者層を対象年齢にしているはずです。
2024年本屋大賞ノミネート作品、「売りたさ」のランキングでは3位とさせていただきました。


4位 『黄色い家』川上未映子

黄色い家
著者 川上未映子
出版社 株式会社 中央公論新社
分類 サスペンス小説
出版日 2023/2/10
読書メーターレビュー数 1541
読者層 2世代(+800)

17歳で母の元を去り、知人の黄美子の家に身を寄せ、同じように行き場のない10代の少女たちとともにスナックれもんをはじめた主人公の花。
あの時から20年、ふと見かけたニュース番組で取り上げられた出来事がきっかけで、花は当時を振り返ることに……。
川上未映子さんの描く、今の世の中を写しているような世界観が読者に問いかけ続ける『黄色い家』。
主人公が過去を遡る展開は、1人の主人公が2世代をこなしていると思い、読者層は10代後半から40代にかけての対象年齢でしょう。
対象年齢の広さ「売りたさ」のランキングでは、4位とさせていただきますね。


5位 『星を編む』凪良ゆう

星を編む
著者 凪良ゆう
出版社 株式会社 講談社
分類 恋愛小説
出版日 2023/11/8

『流浪の月』、『汝、星のごとく』に続き3回目の本屋大賞受賞が期待されている凪良ゆうさん。
2024年本屋大賞にノミネートされた『星を編む』は、『汝、星のごとく』の続編です。
成長した井上暁美と青春時代の暁美、若者と大人の2世代の登場人物が描かれた物語の読者層は、20代から40代でしょう。
対象年齢の広さ「売りたさ」では、5位にランキングさせていただきます。




6位 『レーエンデ国物語』多崎礼

レーエンデ国物語
著者 多崎礼
出版社 株式会社 講談社
分類 ファンタジー小説
出版日 2023/6/14
読書メーターレビュー数 659
読者層 2世代(+800)

変化の流れの激しい中、自分の意志で生きようとする領主の娘・ユリアと英雄として称えられる父、父の姿に憧れる元傭兵の青年。
呪われた地とされるレーエンデのゆくへは……。
実際の年齢が分かりづらいのはファンタジー小説ならではですが、親子世代の登場人物が活躍するストーリーは2世代の読者層の人気を集めると思います。
2024年本屋大賞ノミネート作品、「売りたさ」のランキングは6位とさせていただきましたよ。


7位 『君が手にするはずだった黄金について』小川哲

君が手にするはずだった黄金について
著者 小川哲
出版社 株式会社 新潮社
分類 小説
出版日 2023/10/18
読書メーターレビュー数 621
読者層 2世代(+800)

主人公の作家「僕」が過ごす作家の日常を描いた『君が手にするはずだった黄金について』は、ミステリー小説のストーリーが高く評価されている小川哲さんが主人公?と憶測される物語です。
主人公の目線で物語は進み、5つのエピソードそれぞれに主要な登場人物が描かれていました。
登場人物は20代から60代前後まで幅広いので、対象年齢の広さは2世代、「売りたさ」のランキングは7位にさせていただきます。


8位 『存在のすべてを』塩田武士

存在のすべてを
著者 塩田武士
出版社 株式会社 朝日新聞出版
分類 サスペンス小説
出版日 2023/9/7
読書メーターレビュー数 560
読者層 2世代(+800)

不可解な結末になった二児同時誘拐事件は、迷宮入りから30年の歳月を過ぎていた。
すっかり古株のベテラン記事になった、当時の担当記者の門田が事件の真相に迫る『存在のすべてを』。
活躍する登場人物は、30代から60代で読者層も2世代が対象の作品でしょう。
2024年本屋大賞ノミネート作品、「売りたさ」のランキングは8位とさせていただきました。


9位 『水車小屋のネネ』津村記久子

水車小屋のネネ
著者 津村記久子
出版社 株式会社 毎日新聞出版
分類 小説
出版日 2023/3/2
読書メーターレビュー数 724
読者層 主人公の同年代(+200)

津村記久子さんの作風でもある「リアルな働き方」とは、少しだけ目線が変わる『水車小屋のネネ』。
親の再婚がきっかけで、遠い街で暮らすことになった18歳の理佐と8歳の律の姉妹が出会ったのは、お喋り上手で音楽を愛するオウム ネネ。
理佐と律の姉妹とネネを中心に進む物語、主人公の同年代の10代から20代前半の読者層の支持を集めるはず。
対象年齢の広さは主人公と同年代、「売りたさ」のランキングは9位にさせていただきます。


10位 『放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件』知念実希人

放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件(2024年本屋大賞ノミネート)
著者 知念実希人
出版社 株式会社 ライツ社
分類 ミステリ小説、推理小説
出版日 2023/6/26
読書メーターレビュー数 287
読者層 主人公の同年代(+200)

4年1組の通称「ミステリトリオ」が、学校で起こる日常の謎に迫る令和の少年探偵物語
穏やかでお人好しな性格が事件を引き寄せる主人公 柚木陸、スポーツ万能で元気溌剌な助手役の神山美鈴、そしてイギリスからの転校生でミステリー小説好きの名探偵 辻堂天馬。
対象年齢の広さは主人公と同年代、「売りたさ」のランキングは10位にさせていただきましたが、2024年本屋大賞ノミネート作品の中で小学生の読者層全てと10代の読者層の人気が集まるのは間違いないでしょう。





「売りたさ」でランキングした2024年本屋大賞ノミネート作品のまとめ

2024年本屋大賞「売りたさ」のランキング


本屋大賞予想の3つの視点「面白さ」「売りたさ」「おすすめ」。
2回目の予想は、「売りたさ」の視点で2024年本屋大賞ノミネート作品をランキングさせていただきました。
花水由宇(hanami yu)の個人的な意見が入らないように、「主人公と登場人物の構成」で読者層の対象年齢の広さをランキングさせていただきましたが……。
なんと、3位から8位まで、本屋大賞ノミネート作品10作品で6作品が2世代の登場人物、2作品は3世代以上の登場人物が活躍する作品でした。
ただ、主人公と同年代の読者層を対象年齢にした作品は、その世代の支持を一手に集めるとも思います。
「売りたさ」の視点に登場人物の年代を取り入れてから、2回目の本屋大賞予想です。
この方法で今年こそ、本屋大賞受賞予想を当てることができるのでしょうか?
次回は、「おすすめ」をアンケート結果でランキングです。
読者の皆さまの本屋大賞予想は、コメント欄にご自由に書き込んでくださいね。


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