本当に本が読みたくなる読書のブログ

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人生と世の中の苦しみ〜原因と解決策は?

四苦八苦の原因と苦しみを減らす方法

「人生は辛いなあ」

「世の中は厳しいなあ」

年代を問わず、誰もが思っていることではないでしょうか?

今回は、お坊さん作家さんの本を参考に、私たちが向き合わずにはいられない「苦しみ」の原因を探ってみますね。

四苦八苦(しくはっく)とは?


「四苦八苦(しくはっく)」は、私たち人間が生まれながらに持っている8つの苦しみです。

4+8ではなく、4+4で8つの苦しみがあると数えます。


4+4で8つの苦しみがある

人間には生きている中でいろんな迷いがあり、そこから苦しみが生じてきます。
以下一部中略)
仏教の教えではこうした生きるうえでの苦しみを「四苦八苦」といいます。
つまり「生きること」の苦しみ、「年をとっていくこと」の苦しみ、「病を患うのと」の苦しみ、「死ぬこと」の苦しみの4つですね。
ほかにあと四つの苦しみがあります。
愛する者との別離からの苦しみをいう「愛別離苦」。
憎い人と出会ってしまうことからの苦しみをいう「怨憎会苦」。
求めても得られない苦しさをいう「求不得苦」。
人の体と心が思うままにならないことからの苦しみをいう「五蘊盛苦」。
根本的には生きている限り苦が生じますから、まとめてしまえば「生きる苦しみ」の中に全ての苦しみが詰まっています。
廣中邦充『どんな命も花と輝け』p28〜p30

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四苦八苦の最初の4つは、「生老病死(しょうろうびょうし)」の苦しみです。

これは、「生(しょう)」生まれて生きること、「老(ろう)」年をとること、「病(びょう)」病気になったり、病気を恐れること、そして死を恐れること「死(し)」です。

さらに、自分の心の持ちようや人間関係てわ生まれる苦しみが4つ加わります。

愛する人と離れ離れになる「愛別離苦(あいべつりく)」

憎い相手と会わなければならない「怨憎会苦(おんぞうえく)」

物が手に入らなかったり、物事が計画通りにいかない「求不得苦(ぐふとくく)」

自分自身の体調、気分さえ自由にならない「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」

それでは、「生老病死」については鳥沢廣栄さんの『ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方』から、その他の4つの苦しみは廣中邦充さんの『どんな命も花と輝け』から取り上げてみます。



生(しょう)〜生まれて生きることは苦しい

この世に生まれてこなければ、苦しい目にあうこともなく、悩むこともありません。
この世に生まれてしまったことは「苦」であり、生まれてしまった以上、他の苦しみを受けることになるのです。
鳥沢廣栄『ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方』p60

悩み方で違いが出る、悩み事との向き合い方 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ

生まれて生きることは苦しいこと、こればかりはどうすることもできないことです。

「生まれる」とか「生きる」という言葉を使うと、私たちの命を否定してしまう印象があるのでこう言い換えてみます。

「この世にいること」は苦しいこと。

「この世」は、地球で私たちが暮らしている世界です。

そこに「いること」が苦しいことなんです。

もし違う世界と自由に行き来ができるなら、そうではないのでしょう。

ですが、現実に私たちはこの地球上でなくては暮らすことができません。

そして、この世は決して楽ばかりの世界ではないようです。


老(ろう)〜年をとること

人間誰しも、年をとりたくはありません。いつまでも若々しく元気でいたいものです。しかし、その思いとは裏腹に、老いはかならずやってくるものです。
人は必ず老いますが、我々はその老いに逆らいたいのです。老いたくない、でも日に日に老いてしまう………。思い通りにならない老いに対し、深く悩み苦しむのです。
鳥沢廣栄『ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方』p62〜p63

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そして、この世に存在する者は「年をとる」ことから目を逸らすことはできません。

これは、生き物に限ったことではないようです。

例えば、車に命があるなら、製造されてから年月が経つことで年を取りますし、形のないWindows10やmacOSでも古くなることで年をとります。

どんな存在も、いつまでも若々しくいることはできないようです。


病(びょう)〜病気になったり、病気を恐れること

人は、病気から完全に解放されることはないのです。普段は忘れていますが、大きな病気に苦しむ可能性が、誰にでも平等にあるのです。
鳥沢廣栄『ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方』p64〜p65

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さらに、この世では病気になりますし、病気は怖いものです。

今まさに、新型コロナウイルスが世界中に広まって、病気を身近なものごととして実感されていることでしょう。


死(し)〜死を恐れること

過去、誰も不老不死になった者はいません。皆、死を迎えました。それでも長い生を求めるのは、つまるところ、死を迎えることが恐怖だからなのでしょう。
鳥沢廣栄『ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方』p64〜p65

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そして、生き物も機械も死を迎えなかった者はありません。

鳥沢さんは、本の中で機械の体を手に入れても死の恐怖から逃れることはできないと書かれています。

生き物なら、体が生命活動を終えるとき、機械なら今まで通り動かなくなるとき、ソフトウェアなら更新の限界になるときがそれぞれの死なのでしょう。



愛別離苦(あいべつりく)〜愛を知ると苦しみも知る

死の何が怖いのか、と考えました。「死ぬ」ということは、これは死んだ後の話なので想像するしかないのですが、誰とも会えなくなりますね?
すると「ぼくにとっては、出会った人たちとの別れが1番怖く、そしてつらい」ーそういう答えが出てきました。
これを仏教で「愛別離苦」といいます。大事な家族や恋人、友達など、愛する者との別れからくる苦しさ、それが「死の恐怖」の最もたるものだと思いました。
廣中邦充『どんな命も花と輝け』p27〜p28

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ここからは、「人間ならではの苦しみ」です。

私は、廣中さんのように「大切な人と会えなくなる」ことが1番怖いことです。

私にとっては、この愛別離苦の苦しみさえなくなるなら、案外他の苦しみは大きくないと思います。

ですが、人は生きている限り死んでしまいますし、どうやら逃れることはできないようですね。


怨憎会苦(おんぞうえく)〜憎しみは自分に向いている

憎い人と出会ってしまうことからの苦しみをいう「怨憎会苦」。信じていたのに裏切られたとか、嫌なことをいつまでもいわれて憂鬱だなぁって思うこと、ありますでしょ。
廣中邦充『どんな命も花と輝け』p29

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怨憎会苦は、割と誰でもわかりやすい苦しみでしょう。

学生さんにとっては、嫌な同級生、裏切り者の友達。

社会人にとっては、上から目線の上司やウマが合わない同僚などですね。

私は、どちらかというと気にならない方です。


求不得苦(ぐふとくく)〜欲望が満たされないこと

求めても得られない苦しさをいう「求不得苦」。“新しい洋服が買いたいな。靴も買いたい”“あれが欲しいな、あれが欲しいな。でも今お金がないし買うことができない”“あれも食べたいな。これも食べたいな。でも今医者に止められてしまって食べることができないなあ”とかですね。
廣中邦充『どんな命も花と輝け』p30

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求不得苦の分かりやすい例えは、廣中さんの書かれているように、欲しいものが手に入らないことです。

同じように、物事が計画通りに進まない、予想と違う結果ばかりでることも苦しみの1つになるはずです。


五蘊盛苦(ごうんじょうく)〜自分さえも思い通りにならない

人の体と心が思うがままにならないことからの苦しみをいう「五蘊盛苦」。ぼくたちは生きているだけで、人生での迷いというものが日々あるわけで、この迷いとの出会いとここから生じる苦しみをいっているわけです。
廣中邦充『どんな命も花と輝け』p30

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私たちは、いくら体調管理していても具合が悪くなりますし、気分が落ち込むこともあります。

私たちは、世の中という周りの影響を受けながら暮らしているので、天気や病気の流行、世の中の変化で体と心が思うようにならない苦しみがあります。

自粛が続いている今が、そうなのではないでしょうか?



苦しみが生まれる原因

人は、四苦八苦に反した思いを持ちやすいものです。
例を挙げるときりがありませんが、この苦しみは何だと悶々としてしまい、ついつい四苦八苦という現実に逆らおうとするのです。その逆らいたい、という思いが強い人ほど、悩みや苦しみは大きくなると言えるでしょう。
鳥沢廣栄『ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方』p83〜p84

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四苦八苦(しくはっく)の苦しみは、誰にでも平等にある苦しみです。

「なぜ苦しいのだろう」

そう考えてみると、「苦しいと感じるから」なのでしょう。

四苦八苦を苦しいと感じるのは、私たちの中に「何とかしたい」という気持ちがあるからだと廣中さんも鳥沢さんも書かれています。


どうにもならない「この世にいること」の4つの苦しみ

四苦八苦の中で、「生(しょう)」「老(ろう)」「病(びょう)」「死(し)」の4つの苦しみは、「この世にいること」で生まれる苦しみです。

この4つの苦しみがあるのは、わたしにはどうにもならないことです。


どうにかなる「人間ならでは」の4つの苦しみ

もう4つの苦しみ、「愛別離苦(あいべつりく)」「怨憎会苦(おんぞうえく)」「求不得苦(ぐふとくく)」「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」は「人間ならではの苦しみ」でもあります。

人間ならではというと、他の生き物に感情がないように思われてしまいますが、鳥や魚がどう思っているのか知ることができません。

この4つは、「人によって違い」があると感じた方もおられるのではないでしょうか?

私は、愛する人と離れ離れになる愛別離苦の苦しみは耐えられません。

反対に、世の中には合わない人も変わった考えの人もいると実感しているので、怨憎会苦の苦しみはさほど辛くはありません。

もしかすると、「人によって違い」があることが解決のヒントにつながるのかもしれませんよ。


苦しみの原因は?「何とかしたい」という希望

「長生きしたい」
「若々しくありたい」
「健康でいたい」
「死にたくない」

どれも当たり前のことです。

愛する人といつまでも一緒にいたい」
「嫌な奴に会いたくない」
「欲しい物が多い」
「思い通りにならないとイライラする」

こちらは、人によって「何とかしたい」と思う気持ちの強さに違いがあるのでしょう。

苦しみの原因は、「何とかしたい」私たちの希望が「手に入らない」ことで起こると思います。



苦しみを減らす方法〜受け止めて正しい生き方を


「愛は、滅びるべきなのだ」

昔の漫画には、こんなことを言う悪役が多かったものです。

ほとんどの悪役は、幼い頃に大切な人と離れ離れになったり、目の前で亡くなってしまう悲惨な経験をしています。

そして、「何で愛する人を失うのは悲しくて、辛いのだろう」と悩み抜きます。

あまり深いことを考えていない主人公よりも、よっぽど人間的で純粋に思えます。

そして、「辛いなら、初めからなければいい」と愛情を否定して、それを周りに強要するようになります。

強要さえしなければ、1つの考え方に思えるですが、その解決方法はどうやら仏教の考え方では間違っているようです。


苦しみを受け止める

四苦八苦という言葉やその内容を知っていても、自分自身がそれを実感していなければそれは借り物の思考にすぎません。この世は苦しみの世だという仏教の価値観を自分のなかで咀嚼して、現実を受け入れる。なぜこのような世界なのだろうと考え、こだわるという過程を経なければ、本当の意味で悩みへの耐性をむけるのとはできません。
実践する前から何もかもを捨て去るのは、仏教的には間違っています。繰り返しますが、まずは自分で考え、現実をありのままに受け入れること。これが悩みを克服するうえでは重要です。
鳥沢廣栄『ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方』p86〜p87

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「なんで苦しいの?」

そう感じて、悩むことが苦しみを受け止める大切な1歩なんですね。

とても辛いことですが、昔の悪役のように全てを捨ててしまうのではなく、目を背けず何度も「なんで苦しいの?」と思い、「苦しいのは嫌だ」と解決策を考えないと苦しみや悩みと本当に向き合うことはできないようです。

「苦しいのは当たり前か」

苦しいことがあるのは、仕方がないこと、そう受け止められる方は強いなぁと思えます。


正しい生き方で暮らす

これらの苦しみを乗り越えていくためにはどうすればいいでしょうか?
それには、「八正道(はっしょうどう)」という教えがあります。
かいつまんでいうと、お釈迦様の「正しくものを見て、その苦しみを乗り越えて行こう」という教えですね。
廣中邦充『どんな命も花と輝け』p30

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何度も苦しさと向き合って、挫折して、また向き合って、そんなに強い人間は多くはないと思います。

私は、強くない方です。

なので、苦しみを感じにくくする考え方を身につけて、できるだけ辛くなく生きていけるようになりたいものです。

「八正道(はっしょうどう)」については、廣中さんの本の紹介で取り上げさせていただきました。

他のお坊さん作家さんの本に書かれていることも参考にして、これからまとめてみることにしますね。


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