本当に本が読みたくなる読書のブログ

読書好きのための本当に読みたい本が見つかる書評ブログです。小説、実用書、ビジネス書ジャンルを問わず紹介。読書にまつわる豆知識のお話、文章の書き方のお話もありますよ。

ハリーの母が命がけでかけた「愛の護り」の特徴と知られざる効果

ハリーポッターと死の秘宝』の時点でヴォルデモート卿がハリーの命を奪うことは不可能?


今回のハリーポッター考察ページは、ファンの間では話題に上がる「ヴォルデモート卿の野望不可能説」を原作に書かれているリリー・ポッターの「愛の護り」をもとに掘り下げてみましたよ。


素適な読書ブログが集まるグループです↑

※こちらのページでは、紹介作品の【ネタバレ】が含まれております。小説のストーリーを楽しみたい方は、作品の紹介記事を先にご購読いただきたくお願いいたします

ハリー・ポッターが生き残った理由


物語の主人公ハリー・ポッターは、闇の帝王ヴォルデモート卿の「死の呪文」 を4回受け、全て生き残っています。

(1)『ハリー・ポッターと賢者の石』の12年前
(2)『ハリー・ポッターと炎のゴブレット
(3)『ハリー・ポッターと死の秘宝Part1』
(4)『ハリー・ポッターと死の秘宝Part2』

この中で、(2)と(4)は杖の影響が主に関わっていますが、(1)と(3)は無防備な状況で死の呪文が直撃しても生き残っています。
理由は、J・K・ローリングさんの原作で「母リリー・ポッターの愛」によるものとされています。


リリー・ポッターの「愛の護り」の特徴と3つの効果


ハリーを死の呪文から護る「母リリー・ポッターの愛」は、コメントの翻訳や考察サイトで「護りの魔法」「愛の護り」「愛の魔法」「血の絆」といくつか呼び方があります。
今回は、ハリー・ポッターシリーズのキーワードが「愛」ですので、「愛の護り」と呼ぶことにします。

リリーが命をかけてハリーの体に「愛の護り」を残す
リリー・ポッターの「愛の護り」の特徴

「愛の護り」の特徴は、ダンブルドア先生の解説によると次の2つです。
愛する人のために自らを犠牲にした際に生じる古い魔法
②自身は死ぬが、愛する人の血に護りが宿る

本来の効果は、愛する人(ハリー)に危害を加える者(ヴォルデモート)の攻撃から護るものです。
その効果は、反対呪文がない「死の呪文」に唯一対抗できる魔法とされています。
いわゆる汎用性がある魔法で、その後いくつかの効果が加わります。


効果1.ヴォルデモート卿の死の呪文から護る

(1)『ハリー・ポッターと賢者の石』の12年前、ヴォルデモートの死の呪文を跳ね返したのは「愛の護り」の本来の効果によるものです。
さらに、クィリナス・クィレルに宿ったヴォルデモートがハリーに触れることができなかったのも本来の効果です。


効果2.ハリーの血縁関係の家では悪意のある魔法を受けない

12年前にハリーが生き残った後、ダンブルドア先生はある効果を追加します。
それは、ハリーの血縁関係の家では悪意のある魔法を受けないというものです。
ハリーが身を寄せるダーズリー家が死喰い人に見つからない理由は、忠誠の呪文でも可能です。
愛の護りの追加効果は、ハリーが大人になるまで血縁関係の家にいる限り、完全に安全が保障されるという強力なものです。
そのためには、ハリーがダーズリー家を「自分の家」と認識しなければならないと、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』でダンブルドア先生が明かしています。


効果3.ヴォルデモート卿が生きている限りハリーは死なない

さらに、新しい効果が追加されたのは、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』でヴォルデモートが復活するシーンです。
復活の儀式で大鍋に加えられたのはヴォルデモート自身の他、「父親の骨」「しもべの肉(ワームテールの腕)」「仇の血(ハリーの血)」の3つです。
ここで、ヴォルデモートが「仇の血」に愛の護りの効果が続くハリーの血を選んだ理由は、愛の護りを無力化できると考えたからでした。
このことが、愛の護りだけでは起こり得ない効果をヴォルデモート自身が加えてしまったことに最後まで気がつくことはありませんでした。




ヴォルデモート卿自身がハリーの分霊箱と同じ効果

リリー・ポッターの「愛の護り」の効果


愛の護りの効果が続くハリーの血を取り込んだ結果、ヴォルデモートがハリーに触ることはでき、磔の呪文が効いていたことから「死の呪文以外」は効果があることがわかります。
一方で、愛の護りの効果が続くハリーの血がヴォルデモートの体の中にあるということは、「ヴォルデモート自身がハリーを護っている」というあり得ない現象を起こしています。
(4)『ハリー・ポッターと死の秘宝Part2』のクライマックス、禁じられた森で死の呪文を受けたハリーが死ななかったのは、「ニワトコの杖の所有者」「ヴォルデモート自身がハリーを護っている」2つの効果によるものでした。
死の呪文を受け意識の間をさまようハリーに、ダンブルドア先生は「ヴォルデモート卿自身がハリーの分霊箱」と例えて解説しています。




ハリーポッターと死の秘宝』でハリーの命を左右する3つのパターン


リリー・ポッターの「愛の護り」の効果をまとめてみたところで、物語のクライマックス『ハリーポッターと死の秘宝』のシーンを検証してみます。

史実通り〜ハリーの命は失わない

史実通りの場合、「ニワトコの杖の所有者」ではないヴォルデモートの死の呪文はハリーの中にあるヴォルデモートの魂の欠片を破壊し、「愛の護り」と「ヴォルデモート自身がハリーを護っている」ハリー本人は気絶程度で命を失うことはありませんでした。


ニワトコの杖の忠誠心がハリー以外〜命を失う可能性あり

「ニワトコの杖の所有者」がハリー以外の場合は、少々複雑です。
ニワトコの杖はダンブルドア→ドラコ・マルフォイ→ハリーの順で所有者が変わります。
ハリー・ポッターと謎のプリンス』でドラコがダンブルドア先生を武装解除しなかった場合、所有者は変わりません。
魔法を使う人物よりも所有者の意思を優先するニワトコの杖は、ダンブルドア先生の意思通りヴォルデモートの魂の欠片を破壊するでしょう。
スネイプ先生の記憶で、ダンブルドア先生本人が「あの子(ハリー)は死なねばならない」と語っていることから、ハリーは命を失う可能性があるでしょう。
「愛の護り」と「ヴォルデモート自身がハリーを護っている」影響は、過去に例がなかった出来事でダンブルドア先生の知識をもってしても確実とは言えなかったのかもしれません。


ニワトコの杖の忠誠心がヴォルデモート卿〜命を失う可能性が高い

もし、ヴォルデモートが冷静にニワトコの杖の所有者がドラコだと見極めて、事前に所有者になっていたとしたら。
史実と反対のことが起こるのではないでしょうか?
「ヴォルデモート卿自身がハリーの分霊箱」と例えに当てはめるなら、ハリーは物語当初のヴォルデモートと同じ状態になってしまうのでは?
そんな結末は、考えたくもありませんよね。


ヴォルデモートの計画は不可能だった

ヴォルデモートの無謀な計画


ヴォルデモートの野望を達成するには、2つの条件が欠かせないことになります。
●「愛の護り」を無効にする
●ニワトコの杖の所有権を持つ

「愛の護り」を無効にすることは、復活の儀式でハリーの血を使ってからはほぼ不可能でしょう。
ヴォルデモートのことですから、「血液を交換する魔法」のようなものがあるなら使いそうですが、最後まで仕組みに気がつくことはありませんでした。
ニワトコの杖の所有権を持つ可能性は、ハリー以上に奇跡に近い確率ですが不可能ではなさそうです。
ただ、「ヴォルデモート卿自身がハリーの分霊箱」となっている以上、ハリーは復活することができるでしょう。
ハーマイオニーが復活の方法を見つけてくれそうですね。
やはりヴォルデモートの計画は、彼自身の知らないことの影響で最初からほぼ不可能だったといえるのではないでしょうか?




ハリーポッター関連ページ


J・K・ローリングさんのハリーポッターシリーズ原作紹介、ハリーポッターファンの読書家花水由宇(hanami yu)の考察ページです。
考察ページは、【ネタバレ】にご注意くださいね。

にほんブログ村 本ブログへ